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「どうした」
不審げに狙撃手は聞く。
そんな様子の狙撃手にメイは静かに膝を地面につけ…
「待て待て土下座は辞めろやめろ」
そう、メイは土下座しようとしていたのだ。
いくら掃除してるとはいえ土足で上っている。
そもそもそんなことをさせたらメイ過激派魔女様が黙っていない。
それは困る。
半殺しにされてしまう。
少し困惑した様子を見せたがそこは安心と安全のど根性。 メイは言葉を続ける。
「銃を教えてほしいの」
普段どこか抜けてる印象も持つ狙撃手。
それでも銃の危険性は人一倍理解していた。
人を殺し、人を傲慢にさせる銃。
それをこんな幼子に持たせるわけには行かない。
しかしメイは意外とど根性。
独学で憶えてしまう可能性がある。
「なぜ?」
どこか冷たい雰囲気を漂わせてしまったのは仕方ない。
「魔女様の役に立ちたい。」
「もう、守られるだけは嫌」
普段のどこか俯瞰した様子とは違い使命感にあふれていた。
「危険だな」、狙撃手は思わず呟く。
行き過ぎた使命感は悲劇を生む。
それは狙撃手の望むことではない。
「銃は教えられない。でも、護身術ぐらいなら教えてやる」
子供を導くのは大人の役目。
それは一人で生きてきた狙撃手にも刻まれていた本能であった