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敦「ここがぶんごーしょーがっこう、、、」
じっと敦は突っ立って、眼の前の大きな小学校を見つめる。
敦は年齢的に小学1年生。今まで学校に行っておらず、
一番近い学校ということで考え、この学校に行くことになったのだ。
敦「うぅん、、、がっこぉにいくのおくれちゃったから、あいてないや、、、」
鍵まで閉められた門をぎぃ、と少しだけ揺らし、また学校を見ていると、
こん、と石を蹴る音が聞こえたのだ。
気になって振り返ると、全身包帯まみれの男の子が足元を見、また石を蹴っていた。
?「、、、どうしたの」
こちらをちら、と見て問いを投げてきたので、敦はそれに対して丁寧に返す。
敦「ぼく、てんこーせいなんです、せんせーしつ、どこかわかりますかっ」
?「せんせいしつ、、ぁ、しょくいんしつ?」
少し考えてからそう聞いてくる。よくわからないがまぁそうだろうと思い、
敦は「そうです!」と云った。
?「こっち、ほけんしつのついでにつれていくから。」
ぐい、と半ば強引に敦の手を引いて、門の突っ張っているところに乗っかった。
敦「あぶないよ?だいじょーぶなの?」
と、焦りながら敦が聞いてきたので、其の子は
?「しぬならそのときだよ、しにたくないならてぇにぎっててあげる。」
と答えた。
敦は少し戸惑いながらも、門を懸命に乗り越えた。
そしたら其の子はたっと速歩きで歩き、敦がキョロキョロと周りを見ていると
こっち、と一言だけ云ってぱっぱと校舎内に入ってしまった。
こつこつと小さくなる、上履きの音。
敦は客人用のスリッパを持ってきてもらい、黙って歩いていた。
?「ここ。」
久々に言葉を発したと思うと、
そこはしょくいんしつと平仮名で書かれた張り紙があるドアの前だった。
ありがとう、と礼を言う前に其の子は勢いよく扉を開ける。
?「おださく、いますか。」
と静かな職員室に声を響かせて数秒、間もなく織田と書かれた名札を首からかけている
大きな男性が来て、「太宰か、其のとなりのはどうした?」と聞いた。
太宰、と呼ばれた子は、敦に目線で自分で挨拶をしろ、と伝えたので、
敦は怯えながらも挨拶をすることにした。
敦「あ、なかじまあつし、です!てんこーせいです!よろしくおねがいしますっ!」
少しごちゃまぜになったか?と思って、下げた頭を上げようとすると、
後頭部に多少の重みを感じた。
織田「しっかりと挨拶できてすごいな。」
ぽんぽんと撫でられ、敦はフリーズする。
その3秒後、顔を真っ赤にして隠しきれない笑みがこぼれだした。
しばらくその余韻に浸っていると、太宰という子に感謝を伝えるのを忘れていた。
やば、と思って横を振り向くが誰も居ない。
仕方ない、また今度お礼を言おう、そう思った敦だった。