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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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西原衣都
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猫塚ルイ

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「すみません、配慮が足りませんでしたね。それではうちに来ませんか?」
「……ご自宅、ですか?」
「ええ。先日も来ていただいていますし……一度なら二度も同じでしょう」
その言葉に、羽衣子の胸の奥にあった本音が大きくなる。
(一人で居るのも怖いし……少しでも誰かが傍に居てくれる方が……安心する……)
少しだけ迷った後、羽衣子は小さく頷いた。
「……ご迷惑でなければ……お願いします」
「迷惑なんてとんでもない。希海も喜びますよ」
昴は柔らかく微笑み、希海の頭を軽く撫でる。
「それじゃあ、終わる頃に迎えを寄こします」
「え、それは申し訳ないです。タクシー呼びますから……」
「こちらからお誘いしているのですからこちらが迎えに行くのは当然です。遠慮しないでください」
「……すみません、ありがとうございます。よろしくお願いします」
「はい、それではまた後ほど」
それだけ言うと、昴は希海と共に園を後にした。
その背中を見送った羽衣子は早々に残りの仕事をこなすと、あっという間に終業時間を迎えた。
「お疲れ様でした」
そして同僚たちと別れ、園の外へに出たその時、一台の車が静かに停まっているのが目に入る。
すると運転席のドアが開き、中から乙哉が降りてきた。
「お疲れさまっす」
軽く会釈をしながらそう声をかけると、後部座席のドアを開けて羽衣子に向き直る。
「ささ、乗ってください」
差し出されたその言葉に羽衣子は小さく頷きながら、「ありがとうございます」と返して車へ乗り込んだ。
車は住宅街を抜け、やがてマンションの敷地へ辿り着く。
「着きましたよ」
乙哉がそう告げると羽衣子は小さく頷いてシートベルトを外した。
二人はエントランスへ入りエレベーターへ。
部屋の前で乙哉が鍵を開けてドアを開くと、
「せんせ!」
弾んだ声と共に希海が駆け寄ってきて、そのまま羽衣子にぎゅっと抱きついた。
「わっ……」
不意打ちに驚きながらも羽衣子は思わず笑みを零して頭を優しく撫でると、希海は嬉しそうに顔を綻ばせた。
その様子を見ていた昴が玄関先へと歩み寄る。
「乙哉、ご苦労」
「いえ、これくらいなんてことないっす」
そう言って笑う乙哉に頷いた後、昴は羽衣子へと視線を向ける。
「吾妻先生お疲れさまです。どうぞ、上がってください」
「……お邪魔します」
少し緊張した面持ちで靴を脱いだ羽衣子は部屋の中へと足を踏み入れた。
希海に手を引かれてリビングへ入ると、
「……わあ……」
ダイニングテーブルの上には色とりどりの料理が並んでいた。
和食に洋食、中華まで――まるで小さなパーティーのよう。
その反応に昴は少しだけ苦笑する。
「吾妻先生の好みが分からなかったので……色々なところでデリバリーを頼んでしまいました」
「そんな……すみません、わざわざ……」
申し訳なさそうに謝るに羽衣子に昴は首を振る。
「気にしないでください。大したことではありませんし、お誘いしたのはこちらですから」
そう言って椅子を軽く引く。
「まずはご飯にしましょう。話はその後で」
「……はい」
促されるまま席に着き、四人で食事を囲む。
羽衣子の隣には当然のように希海が座っていた。
「せんせ、これおいしいよ!」
「本当?」
小さな手で一生懸命に勧めてくる様子に羽衣子の表情も自然と和らいでいく。
希海は終始嬉しそうに笑い、何かあるたびに羽衣子へ話しかけていた。
その無邪気な様子に、どこか張り詰めていた羽衣子の心も少しずつ解けていく。
そして、和やかな食事の時間がひと段落すると、
「乙哉、少し希海の相手を頼む」
昴が小声で乙哉に希海を見ているように頼む。
「了解っす。ほら希海、向こうの部屋で遊ぶぞー」
「やだ、せんせとあそぶ」
「希海、先生と話があるから少しだけ乙哉と遊んでてくれ。な?」
「……うん」
羽衣子と遊びたい希海は渋々納得すると、乙哉に手を引かれて寝室へと移動していった。
二人きりになると昴は改めて羽衣子へと向き直った。
「……それで、園でのことですが」
急かすでも詰めるでもなく、ただ寄り添うような声で掛けられたその言葉に羽衣子は一瞬だけ視線を揺らし、
「……あの……」
そう言いかけたところで言葉が止まる。
本当に話していいのか――そんな迷いが、まだ胸の奥に残っていたから。
けれど、目の前にいる昴の落ち着いた眼差しに触れた瞬間、不思議と肩の力が抜けていき、
「……実は……」
ぽつりと羽衣子は口を開く。
「希海くんに手招きをした男の人に……見回りをした時、私も……会っているんです……」
昴は何も言わず、小さく頷いた。
その仕草に促されるように羽衣子は膝の上で指先をぎゅっと握りしめながら続けていく。
「……その人、私の名前を知っていたんです。初めて会ったはずなのに……『吾妻 羽衣子さんですよね』って……」
「……名前を」
昴は短く繰り返して僅かに視線を落とす。
そして何かを考えるような間の後、静かに問いかけた。
「……つかぬことをお伺いしますが最近、何か変わったことはありませんでしたか?」
「…………っ」
その問いに羽衣子の胸が強く跳ねる。
真っ先に浮かんだのは兄のことだった。
コメント
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うわあ第8話読み終えたよ〜!!🥺💕 昴くんの「気にしないでください。お誘いしたのはこちらですから」って台詞、優しすぎて尊すぎて胸キュンが止まらんかった😭✨ しかも希海ちゃんが「せんせ!」って抱きつくシーン、もうほっこりが爆発しそうだったよ〜!!🫂💖 最後の「名前を知っていた」って羽衣子せんせの告白、一気に緊張感走ったね…しかも兄のことが頭をよぎるって伏線?? もう続きが気になって今夜眠れないレベルなんだけど?!😱🔥 乙哉くんも含めて、この家族の温かさと張り詰めた空気のバランスが絶妙すぎるよ…次話も全力待機してるからね📖🌟