テラーノベル
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___話を終えた夫は、ふっと力を抜いた様子で私を見て言った。
「雪ちゃんも経験あるでしょ?即死級の霊に遭遇したこと。あれはね、そういう類のやつだよ」
あるけど生身ではなく、基本的に幽体離脱中に遭遇するので、生身で遭遇したという夫の話は強烈だった。
何より、聞いている間ずっと背中がゾワゾワして腕にも鳥肌が立っていた。
私は本物の心霊体験談を聞くと、怖い訳ではないがぶわ~っと鳥肌が立つ。
これはまさに本物だった。
語りの途中、時折部屋の電気がバチバチと一瞬暗くなり、何もない壁に変な光の玉が浮かぶといった怪奇現象が起きていた。
「これね、もちろん怪談師さん(若尾様)に使ってもらって良いんだけど、俺もどんな影響があるか正直分からないんだよね」
私はこの話を録音しており、先程のエピソードもこのページも、彼の言葉を脚色なしでそのまま文字起こししたものである。
「俺が語るから寄ってくるのか、話自体がダメなのか、そこもよく分からない。もしかしたら後者かもしれない。まあ、お試しがてらに怪談師さんに渡してもいいよ」
その代わり、と彼は釘を刺した。
「どんな影響があっても俺は知らないよ、ごめんね」
___これを読んで、どうでしたか?
ゾワゾワした感覚はありませんでしたか?
最後に、おそらくこの話は伝染する類のものです。
霊感が強い人にしか影響しないかもしれませんし、誰にでも影響するかもしれません。
これを読んでいる方や語った方、そして聞いた方のご無事を願っております。
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