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地雷さんは回れ右お願いします!
主人公はふっかさんです!
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吐く雪の白さと、降る雪の多さに嫌気がさす
子供の頃は、雪が降っただけで嬉しかったはずな
のに
今は不便さや不快感を抱くようになってしまった、どうして変わってしまったんだろうな
急ぎ足で事務所までの道を歩きながら、一日のスケジュールを思い浮かべる
ふっか「(11時から会議)」
ビルの隙間から射し込む光を、眩しそうに見つめる横顔
ふっか「(14時には外回り行きたいよなぁわら)」
少し先を走って転ぶ、危なっかしい後ろ姿
どこ店に入っても、何をしていても、幸せだと微笑んでくれた
泣き顔なんて見たことがなかった
ふっか「(ダメだ、また余計なこと考えてた、わら)」
俺はこの街が嫌いだ
ここに居ると、アイツの事を思い出してしまうから
それでも俺がこの街から離れられないのは
ここにいればいつかアイツが帰ってきてくれるんじゃないかと期待しているからだと思う
携帯で時刻を確認する
余裕を持って家を出たせいか、まだ出勤時間までには十分な時間がある
俺は駅付近にあるひか並木の続く通りへ足を運ぶ
このまま5分ほど歩き進んだ所で、懐かしい光景が視界に入った
つい5年ほど前まで、俺はここにある小さなカフェで働いていた
そこにお客さんとして現れたのがなべだった
ふっか「(初めて会った時なべ泣いてたよなぁ)」
過去を思い出しながら
ボンヤリと店内を覗き込む
いそいそと働く店員に見知った顔はない
俺が働いていた頃お世話になった店長も、身体を壊して病気療養中だと聞いた
今は店長の弟さんが代わりにしているのだとか
俺の視線の先は自然とあの席に向く
かつてアイツが座っていた場所
ふっか「は、、?」
何気なく眺めただけだった
けれど目の前の光景に、俺は釘付けになる
ふっか「嘘だろ、?」
あまりの衝撃に、自然と声が漏れていた
あるハズのない姿が
待ち焦がれ続けた横顔がそこにあった
俺ははやる気持ちを抑えきれず、店内に入った
店員「いらっしゃいませ」
店員「何名様ですか?」
店員「あのー、?」
店員「ちょ、ちょっと!」
応対する店員の声は無視し、彼の座る席まで歩くと
携帯の画面を見つめる彼に向かって、声のボリュームを気にせず叫ぶ
ふっか「なべ、、‼️‼️‼️」
スーツを着ているからだろうか?
あの頃のおどけなさは感じられなく
最後に会った時よりも、髪も随分と変わっている
彼の姿は、自分の知らない綺麗な大人な男性のように見えた
俺の声を聞いたなべがゆっくりとこちらに視線を移す
ふっか「なべ!ずっと探してたんだぞ!?」
ふっか「今まで何処に行ってたんだよ‼️」
ふっか「急に居なくなったりして、」
彼を一目見ただけで想いが言葉になって溢れてくる
彼「、、、、、」
表情を変えることなく、彼はボンヤリとこちらを見ている
多少雰囲気は変わっているが、今俺の目の前にいる男性は5年前に、ここで出会い付き合うことになった男の子
4年前、なんの前触れもなく、目の前から忽然と姿を消した、俺の彼女
なべに違いなかった
店員「すみませんお客様」
店員「周りのお客様の迷惑になりますので、店内ではお静かに」
店員「とりあえず、受け付けまで戻っていただけますか?」
横から知らない声が聞こえギョッとすると
店員が、イライラしながら俺に話しかけていた
なべに夢中で、店員の存在に気が付かなかった
ふっか「いや、今はそれどころじゃ、、」
この機を逃したらもう二度と彼には会えないかもしれない
他人に構っている暇なんてない
嫌な焦燥感に駆られる俺の耳に
彼「すみませんこの人僕の知り合いです。」
懐かしく優しい声が聞こえた
店員「あ、お連れのお客様でしたか、」
彼「はい、ご迷惑をお掛けしました。」
なべが店員にぺこりと頭を下げる
その丁寧な姿は、俺の知る彼女とはかけはなれていてその事に少しだけ違和感を覚える
彼「とりあえず、座って、?」
なべが目の前の席へ座るように俺を促す
ふっか「ああ、ありがとう」
俺は言われるがまま席に着いた
店員「では、ごゆっくり」
店員「連れなら最初からそう言えよ(ボソッ…」
店員がぶつくさと文句を言う声が耳に入るもそんな事今の俺にはどうでもよかった
ふっか「さっきはごめん」
ふっか「久しぶりだから、動揺しちゃってわら」
頭をかきながら彼に詫びる
ふっか「いやでもほんと久しぶりだよな〜」
ふっか「4年ぶりぐらいだよなわら」
彼「、、、、」
なべは少しだけ考えるようなそぶりを見せると口重そうに話を切り出した
彼「あの、、、」
彼「どちらさまですか?」