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ピッ、ピッ、ピッ、と頭上から聞こえたかと思うと目覚めかけた頭脳に次々と音という音が脳内に入ってき、感覚が戻ってきた。腕の内側から何かが入ってくる感覚、腹から感じる2つの強烈な痛み、額から酷く 感じるマグマのような熱さ、俺はそんな痛みかもよく分からない感覚に魘され目を開けた。目を開けた瞬間に視界に入ってきたのは酷くやつれたような2人の男の顔だった。

「、、、ア、アニキ、、??」

ほとけが俺の名前を呼んだかと思うと隣にいたまろが何も言わず唐突に抱き着いてきた。それを見たほとけもまろを包み込む勢いで抱き着いてきた。急な行動への戸惑いと抱き着かれた事による腹部への痛みにより俺は2人へ声をかけた。

「あ、ちょ、腹痛いから手、離してくれるか、、?」

「あ、そっか、痛いんだよねごめん。」

2人を座っていたパイプイスにもう一度座らせてから俺らは話し始めた。

少し涙目で鼻声なほとけは話せる様子じゃなかったので事情はまろから聞いた。俺が刺された後すぐに刺した男も含めみんなすぐに叩きのめして身柄を拘束した。そして俺を初兎の親父さんの息がかかってる病院に緊急搬送した。救急車がくるまで簡単な応急処置をしてくれていたらしく幸い大事には至らなかったらしい。それでも腹を二箇所刺されたのはやばいらしく俺は緊急治療を施され丸々1日寝ていたらしい、その間ないこやりうら、初兎も見舞いに来たらしく見舞い品と花が小さい机に置いてあった。まろとほとけは一睡もせずに俺の事を見ていたらしく2人の目元にはハッキリと隈があった。

「アニ”キ”ッ”ッごめッッ僕のせいでッッ、、、」

「アニキ、、、本当にごめん。油断してなかったらこんな事にならなかったんに、、、」

俺なんかの為に涙を流すほとけとこれまた俺の為に悔やむまろ。俺は対してこいつらの命の恩人という訳でもないしそれ程の功績を挙げた訳でもない。そんな俺にさえこんなに心配してくれるというのはいくら不良だとしても優しさが隠しきれていないようだ。他校のライバル達がほとけとまろはほんとはこんなに優しいと知ったらどんな反応するのだろうか?俺はそんなくだらない事を考えながら2人に感謝を伝えた。

「ほとけ、まろ、ありがとうな。ちっぽけな俺の為にこんなにも頑張ってくれて。総長として、誇らしいわ。」

「ちっぽけなんか、、じゃ、、」

「ん、ほとけ今なんか言ったか、、?」

今ほとけがボソッと何かを言っていたようだが傷による酷い熱のせいで頭が回らず分からなかった。まろが何処か悲しそうな顔をしていたがまぁ、別に放置しておこう。2人とも疲れているはずだからな。

まろが俺にりんご食べる?と聞いてきたので、俺が食べると言ったらまろがりんごを剥き始めた。その間にほとけは俺が飽きないように話し相手をしてくれた。

「急にナイフ持った男が僕達のこと狙ってきた時はビビったよね〜」

「ほとけと一緒に戦っとってさ急に隣からナイフキラン光って、え!?何!?なってまじではに??みたいな感じだったよな」

「僕狭い道行く時これからは上から人探すわ、、、」

「いや、いつ狭い道から人探す時来んねん。」

「確かし」

「あ!てかさアニキ、熱大丈夫??運んだ時は高熱でやばかったんだけど、、、頭痛とかもあったりする、??」

「ん、?あぁ、少し熱はある気がするかも、、、後笑うと腹が捻れるくらい痛い。それ以外は多分大丈夫かな、?」

「じゃあ、ほとけアニキと会話出来ひんやんかwww」

「ふっふっふっ、いふくん、、、それは僕の話が面白すぎるという事かい?( *¯ ꒳¯*)」

「いや、内容が馬鹿らしいだけ。」

「え!?ズバッと言うね!?」

ドヤ顔で言うほとけに対してハッキリと意見を言うまろ。ほとけの高圧的な態度もなくなり、まろの敬語も取れていた。どうやら一夜の間に仲良くなったのだろう、2人の会話はまさに男子高校生の会話そのものだった。

「ハハッ、お前ら仲良くなったな(笑)」

「いや、そんな事ないからね!?」

「ほとけが勝手に喋っとるだけだわwww俺話とらんもん。」

2人は否定しかながらもニコニコ顔だった。どうやら俺の特攻隊仲良くさせよう大作戦は無事成功したようで俺は安心した。スルスルと丁寧な手つきでりんごを剥くまろを見ているとほとけが話しかけてきた。

「あ、あのさアニキ。アニキの親御さんに病院側が連絡入れたっぽいんだけどさ、、出なかったらしいんだ。しかも折り返しの電話も来てないっぽい。それで、嫌だったら別に答えなくてもいいんだけどさ、両親ってどんな感じか教えてくれる、?」

「あれ?お前らには言った事なかったっけ、、?」

「まろもアニキの親の話聞いたことな〜い。」

「あ、じゃあ、ちょっとお前らにだけ話そうかな。」

俺が少し声を抑え話始めようとするとドアが勢いよく開いた音がした。

「り、りうら、、??」

音がした方を見ると何やら息切れをしているりうらの姿が見えた。

「ア、アニキ起きたんだね!!」

りうらの話を聞いているとどうやら俺が意識を取り戻したという連絡を受けてから直で向かってくれたらしい。流石相棒というべきなのだろうか、彼は息切れしながらも俺の心配ばかりした。一通りりうらに事情を話し終えたあとほとけが先程の話の続きを求めてきたのでりうらを含め3人に俺の両親の話をした。


あらかた話し終えたあと3人は何とも言えないような顔をしていた。まぁ、普通に考えれば無理もない。当たり前ではない家庭環境を彼らに聞かせてしまい俺は少々悔やんだが、まぁ、別にいいだろう。俺は両親の事を最早、赤の他人と思っているから気にしては居ない。そんな事を伝えると彼等はどこか安心した表情を見せりんごを食べ始めた。え、待って俺のりんご全部食べようとしないで。


悠佑さんの両親はどんな感じなんでしょうかね、、、次回はいよいよ現在の時代に(多分)戻ります!合計ハート11,000越えありがとうございます。

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