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「入学式の次の日から一緒に行けるわね。少し先の公園で他の4人と集まって行くんです。ここを7:55に出れば間に合いますから」
「あゆちゃん、私と一緒に行こうね」
「ありがとうございます。慣れるまで私も公園までは一緒に行くので、千愛ちゃん、よろしくお願いします」
「…ちえちゃんと学校行くの?」
「うん、私とあと4人で、全部で6人班。帰りは違うけど大丈夫」
「そうそう。みんなドキドキしながら行って帰ってってしているよ。あゆちゃんも大丈夫だよ」
そういう夫は、続けて千愛の頭に手を乗せた。
「大丈夫じゃないのは、千愛だぞ~」
「どーして、パパ?」
「ゲームで叫ぶのも、ママに叱られて泣くのも、あゆちゃんに聞こえる。叫んでも泣いても可愛いけどな」
「やばーい。けど、あゆちゃんも泣くと思うからいいや」
お口が達者になった7歳の娘と、会社員の夫、専業主婦の私…可もなく不可もなし…特筆することもない極普通の家族だと思いたい。
その隣に引っ越してきた、うちと変わらない家族。
家族構成だけしかわからないうちから、変わらないと決めつけてしまうのは願望かも。
「ママ」
「…ぁ、うん。なに?」
玄関ドアの鍵をかけて部屋に戻る途中で、夫が私を振り返った。
「あの夫婦の足元見たか?」
「…足元…?」
「そう。挨拶に来たっていうのに二人揃ってク〇ックス。靴ぐらい履かないと」
「ああ……そうね…」
「お前も、千愛の英語の送迎とか、千愛の親として恥ずかしい恰好にならないように十分気を付けてくれよ。千愛が恥をかくのは許さない」
「……はい」