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目の前に赤レンガの駅舎が見えてきた。そう、東京駅に着いたということだ。
俺は新幹線に乗って大阪へ行くつもりだ。
階段を上り、ホームのベンチに座った。
これから、初めての一人旅行ができると思うと、うきうきしてきた。
「野口君だよね」
後ろを振り向くと、知らない人が立っていた。
「初旅行なんだってね、僕が教えてあげるよ」
何でこの人は俺の個人情報を知っているんだ?
「ごめんごめん、自己紹介をしていなかったね。僕はトイの北里だよ。僕は名古屋までだけど僕が君のガイドをしてあげるよ。」
えっ、トイの人がガイドをしてくれるって!!こんなにうれしいことはない。俺はすぐ頼んだ。
そして、僕は、北里さんと新幹線に乗った。
北里さんの説明はものすごく奥が深かった。
地理のテストが毎回100点の俺でも知らないことがたくさんあった。
俺が知っていたのは、富士山の山頂が25世紀までは私有地だったということと、掛川に城跡が二つもあるということだ。
20世紀の多摩川の水は泡だらけだったとか、豊橋に28世紀にトイを創設した都井氏の故郷があるということは初めて知った。
三河安城駅あたりで、僕はお願いをした。
「トイになりたいです」
北里さんの口からある意外な答えが出た。
「君はもうトイだよ」
えっ、俺ってトイだったの?
「トイの基準って何ですか」
思わず聞いてしまった。
「一定の旅行値を超えるとトイになれる。もう君は超えた。その理由を考えてみるといい。」
そして名古屋駅についた。北里さんは新幹線から降りた。
名古屋城の金のしゃちほこを見ながら俺は一回も旅行をしたことがないのに問いに慣れた理由を考えた。
だが、それも一瞬のこと、早起きしたことやトイのこと、北里さんの説明で頭がいっぱいになって疲れ切ってしまった。
俺は結局爆睡した。