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学校
___赫視点
黈 「ほんま地獄…なんで、俺はこんなとこに来てしまったんや…」
赫 「ど、どした…?」
月曜日の朝、いつも通りの1日かと思えば、机に伏せたみことが見たこともないほどに何かに絶望していた。
赫 「何があったかは聞かねぇけどさ…大丈夫か?」
黈 「無理や、俺今日が命日や…」
周りの奴らも心配そうにみことに話しかけるが、いつもの元気で誰にでも優しいみことが顔を誰にも見せない。
全員が困惑して、みことのファンとなのる女子どもはこの原因を探ろうとしていた。
翠 「あれあれ、そこに伏せてるのは優希くん?」
黈 「……」
赫 「げッ、翠川さんだ…」
堂々と2年生の教室に翠川さんは入り込んで来た。
イケメンを見て盛り上がる女子と初めて生徒会を見る男子の声の大きさは比にならない。
それに、今日は翠川さんだけじゃなくて生徒会の二人も一緒だ。
桃 「また、お話したいんだけど…いい?」
茈 「生徒会長が下手に出てどうすんだ。もっと威張っとけ」
翠 「ねぇー、お話しようよ〜 」
黈 「……無理です、帰ってください。」
みことは机に伏せたまま、生徒会のお願いを断った。クラス全員がまず驚いたが、生徒会の3人は思っていたよりも冷静だった。
桃 「すち、このクラスの担任は誰だっけ?」
翠 「えー、そんな細かいこといちいち覚えてないよー…でも、確か獅子王先生じゃなかった?」
茈 「……あぁ、あの脳筋か。」
生徒にすら脳筋と呼ばれる俺らのクラス担任は、確かに脳筋だ。だけど、優しくて誰よりも頼れる先生だ。
翠 「ねぇみこちゃん。今、生徒会のお願い断っちゃっていいの?」
黈 「…貴方にその名前呼ばれたくない。やめて」
桃 「……っあははっ笑 やばい、ここまですちが嫌われるの面白いかも…ッ笑」
腹を抱えて、生徒会長さんはしゃがみこむ。
こんな風に笑う人だと思わなかったから、びっくりしてしまった。みことも不思議に思ったのか、俺だけに見えるように顔を上げた。
赫 「……!おまえ…」
瑞 「みこちゃんー!なつくん!こっち来て!」
茈 「…なんだアイツ、今俺ら生徒会が話してるのに…」
入口の前で、遅れて登校してきた様子のこさめが大きく手を振って俺らの名前を呼んでいる。
この機会をみことは逃さずに、俺の服の端を握って勢いよく席を立った。
黈 「俺、あんた達大っ嫌いやッ!」
そう一言だけ残して、みことは俺を掴みながら教室を出た。
俺らを追いかけてくるやつは居なくて、その代わりクラス中の奴らが初めて聞くみことの怒り声に歓声を上げていた。
赫の家
___赫視点
赫「おい、大丈夫かよ…?」
瑞 「こさめもいきなり連れてきちゃったけど…みこちゃん大丈夫?」
学校をいきなり飛び出した俺らは、行く宛てもない為、仮避難用に俺の家を鍵をかけて玄関で籠っている。
リビングからは鳴り止まない電話のコールの音が聞こえるが、今はそれどころじゃない。
黈 「……ごめん、巻き込んじゃって…」
玄関の扉の前で崩れ落ちそうになるみことを、こさめとふたりで支えながら俺の部屋に連れていく。
きっと、こんな場所にいてもすぐに生徒会にはバレてしまうが今はとにかく話す時間がほしかった。
赫 「落ち着くまでゆっくりしとけ、お茶いるか?」
瑞 「こさ、ジュース!」
赫 「んなもんねぇ、自販機行って買ってこい。」
瑞 「ガーン…」
こさめの口から流れる、セルフの音声にみことが少し笑ってくれるがまだ体が硬くなったままだ。
赫 「こさめ、なんか持ってきてねぇの?」
瑞 「…あ!そういえば、こさめ2人に渡したいものあるだよね!」
それ、今か?とツッコミたくなる気持ちを一旦抑えて、カバンの中から何かを取り出そうとするこさめの背中を見つめる。
すると、いきなりこさめは石像のようにものを探す手が止まってしまった。
瑞 「……」
赫 「こさめ?探し物はあったか…?」
瑞 「…んーん、ッごめん、壊れちゃってた…ッ笑」
泣きそうになってるこさめの手のひらには、小さく割れた3種類の色のビー玉があった。
黈 「これ、どうしたの…?」
瑞 「この前、みんなの目の色と同じ色があったから買ったんだけど……やっぱ、壊されちゃったッ笑 」
もう泣いてると言っても過言じゃないほど、こさめの目の下には水が溜まっていた。
こさめが俺達にものを贈ろうとしてくれたことが俺にとっては何よりも嬉しい。それは、みことだって同じ意見のはずだ。
黈 「…これ、くれるの?ありがとうニコッ笑」
瑞 「だめ…っ、怪我しちゃうかも…」
赫 「いいに決まってんだろ、お前が始めてくれた物だぞ?そんなものに傷つけられるなら痛くなんてないさ 笑」
割れたビー玉は、泣きたくなるほど綺麗で手で握りしめたって痛くも感じない。
瑞 「…っう、うわぁぁんッポロポロ泣」
ようやく、ダムが決壊してくれた。
泣きじゃくるこさめを、みことが抱きしめながらゆっくり優しく話しかける。
黈 「ごめんな、久しぶりの登校だったんに俺の迷惑に付き合わせちゃって…怖かったやろ。」
俺は事前にみことに言われて用意しておいた薬箱を持って、2人の目の前に座る。
俺はつい最近、こさめの事情を知った。こいつの家は酷く荒れていて、常に両親は喧嘩状態。
こさめを1人近所の家に預けて両親共々どこかに出掛けることもしょっちゅうあるそうだ。
黈 「怪我しとるやろ?なっちゃんに手当してもらおう?」
瑞 「うんん、いいよ…今日はみこちゃん優先だもんっ!グスッ泣」
赫 「…こさめ…」
泣き虫なのに、誰かの為に頑張れてしまうこさめがどうしてこんな仕打ちを受けてしまうのか分からない。
意地悪な神様もいたものだが、俺らがこうして出会えて友達になれたことはその神様のお陰かもしれない。
生徒会室
____茈視点
茈 「…で、あいつら追いかけないの?」
今、生徒会で早くにも処理をしてしまいたいことの発端の優希 美琴は暇 奈津の家にいることは分かっている。
けど、俺らの生徒会長は追いかけようとしない。
桃 「しばらく放っておいたって変わらないでしょ?それに、まずはすちに聞きたいことがあるしね。」
翠 「あはは…その点は本当に申し訳ございませんでした…」
生徒会室の真ん中で、もう1時間近く土下座をしたまま動くことを許されずにすちはへらへらしている。
俺もこいつの行動にはドン引きしているので、これぐらいやられても妥当だろうと妙に納得してしまう。
桃 「…で、話して欲しいんだけど?あのラインはどういう意味?」
翠 「いや、みたまんまだけど…」
茈 「らん、こいつ俺には電話して来たけどお前はかかってきてねぇのか?」
桃 「かかって来てないよ、てか俺に話したら絶対に止められるとか思っただろ。」
拗ねるようにらんは頬を膨らますが、寝不足のせいか目が怖い。早く休養を取って欲しいが、このバカ(すち)がまたやらかしたせいで負担をかけてしまう。
生徒会室の真ん中で一人土下座をさせられている光景は、異様だがここでは毎週見られる姿だった。
コメント
1件
第3話、読み終えました! みことが生徒会に「大っ嫌い」って言い放ったシーン、すごく印象的でした。あそこまで拒絶するの、何か大きなことがあったんだろうな…と気になります。 こさめが持ってきてくれた割れたビー玉、三人の目の色と同じって設定がすごく素敵で、でも壊されちゃったっていう切なさがじんわり来ました。大事なものを守れないもどかしさ、分かります。 赫くんが「そんなものに傷つけられるなら痛くなんてない」って言うところ、優しさが滲んでて好きです。続きが気になりますね🌷
茜音
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暇主@夏休み入ったー!
659
あはそ
4,154