私
の人生は間違っていたのか? 人生なんてこんなものなのか? 人生とはこういうものなのか? そうじゃないはずだ! まだ終わってないぞ!! 私が今ここに居るのは間違いだったのか? 私はまだ生きているのか? 死んでいるのか? 私は本当に存在しているのか? 夢を見ているのは誰だ? 私は死んだのか? それとも生まれ変わる前の段階にいるだけなのか? それはいつまで続くんだ? もうすぐ終わるのか? それとも永遠に続くのか? 私の生は無駄なものなのか? 私の死は無価値なものなのか? 私はどうして生き返ったんだ? なぜ死にきれなかったんだ? あの時、私は死んでいればよかったんじゃないか? 私は一体……何者なんだ? 死霊使い。人の魂を呼び覚まし、死者を操る魔法使いである。
だがその力は強大すぎて、やがて恐れられ忌み嫌われるようになる。
そんな彼の前に、ある日一人の少年が現れた。
かつて彼と共に戦った勇者の末裔だという。
しかし少年には不思議な力が宿っていた。
その力で、死霊使いは少年と共に戦うことになる。
戦いの中で二人は絆を深め合い、いつしか愛さえ芽生えていた。
そしてついに魔王を倒すことに成功した。
だが……。
『お前たちの命運もここまでだ』
魔王の呪いによって二人の仲は引き裂かれてしまった。
『僕は君を愛してる!』
『私もよ!!』
『この世界のどこかでまた会えるさ』
『えぇ必ずね』
こうして二人は再び離ればなれになる。
「……ねぇ、あんたってさぁ……」
「え?」
「……ううん、なんでもない」
「あ、あのね!そのね!」
「ん~?どったのよ?」
「わ、わたしね!そろそろ帰らないといけないみたいだから……お別れ言わないといけなくて……」
「あらそう?じゃあまたいつか会えるといいけど……どこに帰るのかしら?」
「えっとね!それは言えないんだけど……でもきっとどこかにいるから!」
「ふぅーん、わかったわ。それじゃあさよならね」
「うん!バイバーイ!」
「ばいばーい♪」
『……』
『……おい』
『……聞こえてる?』
『……』
『ちょっとぉ?聞いてるのぉ!?』
『あっ、ごめんなさい!ぼーっとしてました!』
『もう、しっかりしてよね!これから君には新しい人生をあげるんだからさ』
『はい……すいません……』
『今度からは気をつけるんだよ?』
『わかりました……』
『それじゃあ……行ってきます!』
『ああ、行ってくるぜ』
『いってきまーす!』
『よし、これで準備完了だ。あとは時を待つだけだね』
『はやく生まれ変わってくれないかなぁ~?』
『ふむ、まだ生まれる様子はないようだね。仕方がない、少しだけ手伝ってあげようじゃないか』
『……よし、これでいいだろう。さぁ、新たな命の誕生だよ』
『おお、生まれたぞ!この子が新しい息子じゃ!』
「……?」
「ほら見ろ、お主に似て凛々しい顔つきをしておる!」
「えーっと……」
「ああそうだ、名前を決めねばならぬのう」
「あの、父上様……」
「うむ、そういえば我が子の名前はもう決めていたんだったわい!」
「だからちょっと待ってくれよ!!」
「ん?どうかしたのか?」
彼女は嬉しそうに笑った後、そのまま部屋の中へと入ってきた。彼女の名前は水鏡月子。僕と同じ高校に通う同級生だ。容姿端麗で成績優秀。まさに才色兼備という言葉がよく似合う女の子である。実際、学校では男子生徒からの告白が多いらしい。そのせいなのか分からないけれど、彼女に近づこうとする者はあまりいない。むしろ女子生徒たちからは避けられている気がする。ただ僕は知っているんだ。彼女が誰に対しても優しいということを……。だからだろうか、彼女を見ているとつい守ってあげたくなる衝動に駆られる。きっと彼女の周りに人が集まらない理由はそこにあると思う。
「ねぇ、聞いてる?」
僕の顔を覗き込むようにして話しかけてくる月子に慌てて反応する。
「えっと……ごめん、何の話だったけ?」
「もう! さっきからボーッとしてたけど大丈夫? 今日はいつも以上に変だよ?」
「そっかなぁ。特に体調が悪いとかはないんだけどね」
確かに今日の朝起きた時から少し違和感があった。それになぜか胸騒ぎのようなものを感じる。だけどそれがどうしてなのか分からなかった。
「本当? それなら良いんだけど。あっそうだ! これ見てよ!」
月子はバッグの中からスマホを取り出して画面を見せてきた。そこには可愛らしい動物たちが写っている写真が表示されていた。
「可愛いねこの写真。どうしたのこれ?」
「ふふん♪ 実はこの前動物園に行った時に撮ったんだよー」
自慢げに話す月子の表情を見て思わず顔がほころぶ。
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