そんなある日、後宮で宴が催されることになった。瑞華は、この機会を利用して、俺を陥れようと画策しているのが、俺にはわかっていた。
「…皇太后様、今宵は、陛下のために、舞を披露されてはいかがですか?」
瑞華は、わざとらしくそう提案する。皇太后が人前で舞を披露するなど、前代未聞のことだ。瑞華は、俺が舞を踊れないことを知っていて、恥をかかせようとしているのだ。
「…瑞華、それは…」
俺が言葉を濁していると、沐宇様が立ち上がり、瑞華を遮る。
「瑞華、そなたは、后の舞を見たいと申すか?」
沐宇様の言葉に、瑞華は微笑みながら答える。
「はい、陛下。ぜひ、拝見したいと…」
沐宇様は、瑞華の言葉を遮り、静かに告げる。
「后の舞は、私のものです。他のものに見せようなら私が許しません」
沐宇様の言葉に、瑞華は顔を引きつらせる。そして、沐宇様は俺の手を取り、静かに宴の場を後にした。
「…沐宇様…」
「貴方の舞は、誰にも見せたくない。私だけのものです」
そう言って、彼は俺を優しく抱きしめてくれる。彼の言葉に、俺の心は温かくなっていく。
瑞華の嫌がらせは、次第にエスカレートしていった。ある日、俺が湯殿から上がると、俺の部屋から、見慣れない香が漂ってくる。
「…これは…?」
俺が香の正体を突き止めようとすると、沐宇様が部屋に入ってきた。
「…どうしましたか?」
「いえ、この香が…」
沐宇様は、俺の言葉に、顔色を変える。
「…これは、催淫の香…」
沐宇様の言葉に、俺は息をのむ。瑞華が、俺にこの香を焚き、俺と沐宇様が夜伽をするように仕向けたのだ。
「…瑞華…」
俺は怒りに震える。
「大丈夫。私がいますから」
沐宇様は、俺を優しく抱きしめ、口付けを落とす。
「…貴方を、愛しています」
香の匂いで余裕がなくとも、ちゃんと冷静な帝は凄い。俺の髪を優しく撫でる。
彼さえいれば、この世界がどんなに過酷でも生きていける、そう思えた。
「dnqさん、妃は下がっているようですが…」
「っ…mfくん…//俺っもう無理っ…ですっ」
沐宇様とは違い、香りにすぐにやられた俺は、半ば無理やり彼の首に手を回し、口づけをした。
「っ…!/」
突然のことで驚きを隠せない彼も、凄く愛らしい。
「ふふ、mfくん、可愛らしいです」
「…、可愛らしいのはdnqさんですよ。」
言葉と同時にいきなり指が入ってくる。
「っ…/んん”っ…//」
「ほら、可愛らしい。」
悪戯な笑顔を浮かべる沐宇様。俺だけのその表情に、すごく満たされていった。
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コメント
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ちょっとますます子翠に近付いてって~!好き。 もうさ、薬屋のあの感じも拾ってるんだけど もふどぬの尊い感じもオリジナリティーも全部混ざってて ほんとに最高!こっから出てくるとは思うんだけどさ、 ツンデレキャラも妃or女官あたりに入れれたりって、、、? (早く見たいだけ)
香のせいなのかいつもより積極的な妃、かわいいです!! 皇帝は相変わらずスパダリだけど、たまに見せる素のmfさんに、読者もメロメロです!
mf君がイケメン過ぎる……!!! dnちゃんから誘いに来るのは最高過ぎます! これからも頑張ってください!!!