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唇は震えていて、目は虚だった。
ああ、またやっちゃった。
また、私、人を悲しませた………!
あの日、みんなが私から離れて行った日。
私は全てを察した。
バレていたのだ、私の嘘は。
みんなには、通じなかった。
私の薄っぺらい笑顔なんか、すぐバレてしまった。
だって、みんなは私の本当の笑顔を知っているから…………
全部嘘だったわけじゃないんだ、きっと。
だって、「楽しかった」。
そう思ったから。
もちろん、合わせることだってあった。
うまくいかなくって、悩む日もあった。
それでも、私の中で、みんなと一緒にいる私は笑ってた。
本当の「私」でいられた居場所だった。
あの日々は、きっと私が思っている以上に大切だった。
また、なくしちゃった。
一花のこと、私は、大好きだったのにな。
ごめんね、一花、自分勝手な私で。
また私、寂しくなってる。
ほんと、わがままでごめんね………!
私はいつだって大事なものを掴めないからさ、自分に諦めてるんだと思う。
だから私は自分が信じられないし、人も信じれない。
でも、一花のこと、みんなのこと、
私は、たぶん自分よりも信じてた…………!
ねえ、一花、私たちが狂い始めたのって、あの日からだよね。
私が、瑠璃に酷いこと言っちゃった日。
あの日、私たちは、道を間違えた。
私はその日から、自分を嘘つきだと思うようになった。
嘘だと信じていたかったから。
嘘ついた私が嫌われても、それは私じゃないから。
嘘の私が嫌われただけ。
私は嫌われてない。
大丈夫、大丈夫、って、予防線を張っていた。
違うって、気づきたくなかった。
私は、溺れていたんだ。
みんなの優しさや、居心地の良さに。
そしてそのみんなには桃や凛も含まれているのだ。
私は、きっと心の底では、今の「友達」も、大好きなのだ。
私の過ごす毎日は、別に私が思うほど、悲しいものではない。
それでも私が素直になれないのは、変わりたくないからだ。
私はあの頃の私で居たい。
あのすずたちの隣の席を、誰かに譲りたくない。
わがまますぎる自分は、本当に嫌だけど、もっと嫌なのは、
本当のことが言えない私の、天邪鬼な性格だ。