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__みぞれ side__
みぞれ「…え?」
今、なんて…
呆然とする私に、彼女はもう一度言葉を伝える。
レイラー「昔は、雪の能力を使いこなせてたんですよね?」
レイラー「それなら、治す方法があるかもしれないんです」
聞き間違いじゃなかった。
治せる?
この奇病が?
みぞれ「、本当ですか……!!」
故郷の家を思い出す。
もし治せるなら……
……治したい。
藁にもすがる思いで聞き直すと、レイラーさん、という人は表情を硬くした。
レイラー「恐らくですが……」
めめ「大丈夫ですか?」
めめ「無理しないでくださいね」
みぞれ「……ええ。わざわざすみません」
めめさんに支えられて、私は山の頂上まで登りきった。正直、背中が痛くて仕方がなかったが、周りに木がない開けた場所が必要だったため頑張って歩いたのだ。
レイラー「この辺りで良いでしょう」
レイラー「では、これから治療を開始します」
「治療」を取り仕切る彼女は、かなり魔法に詳しいらしい。山を登る道中で、めめさんに教えてもらった。
その彼女は、山頂に私とウパさん、ラテさんを三角形になるように並べた。逆に、それ以外の二人と自分自身は、私達三角形から離れ、少し距離を取った所に直立する。
みぞれ「え、これどうすれば…」
戸惑っていると、彼女が声を張り上げて指示を飛ばす。
レイラー「みぞれさん!ここで思いっ切り雪を降らせてください!」
みぞれ「ゆ、ゆき!?」
制限した状態でこれなのだ。私の全力で雪を降らせると、この山はおろか周りにある他の山や、里の森まで、雪に覆われてしまうだろう。
そもそも、ただ雪を降らせるだけでで病気が治るのだろうか…。
レイラー「ウパさんはその雪を水に代えて、それをラテさんが蒸発させてくださ〜い!」
ラテ「ちょ、今蒸発させるって言った!?それじゃあ私の負担デカすぎでしょ!?」
レイラー「そのためにウパさんを間に挟んだんですよ!固体と液体では大きく温度が変わりますから!」
ラテ「ええ……」
彼女が少し嫌そうに顔を歪めた。こうなった原因は私なので、なんとなく申し訳なく感じてしまう。
みぞれ「すみませんラテさん…」
みぞれ「でも、この奇病が治せるなら、どうしても治したいんです…!お願いします…!!」
私に頼まれて彼女は仕方なさそうに眉を下げた。けれど、すぐに開き直り、レイラーに向かって叫ぶ。
ラテ「しょうがないから今回はやるけど、貸し一つだからね!」
レイラー「は〜い」
彼女の言うことを予測していたのか、レイラーはすんなりとその貸しを了承する。
レイラー「じゃあ、ラテさんも納得された所ので!みぞれさん、早速やってみてください!」
ここまで人に協力してもらえるし、私自身もできることなら奇病を治したい。
雪の量は現実逃避で一旦考えないことにして、私は体の中からエネルギーを全て引き出すように、雪を放出する。
ゴゴゴォォ……
私の体から出た莫大な量の氷の粒が、音を立てて止めどなく天に登りる。その雪の元達は、遥か上空で霧散し、溢れるほどの量の雪となって、空の下にいる私達に降りかかっていく。
ウパ「ッッは!!」
それにめがけてウパさんが手を伸ばし、さっと大きく腕を振ると、天空にある雪が状態変化して、雨となって地上に落ちてくる。
ラテ「ッふ……はあぁぁぁ”““ッッッ」
そしてその雨が私達に触れる前に、ラテさんが頭上に広く猛火を生み出し、降り注ぐ雨と空を覆う。
ドオオォォォン
その烈火に触れ、水の粒達が一気に蒸発する。それに伴い、非常に強い暴風が私達をかすめる。
様子を見るに上手くいってそうなので、私はさらに体の中から、雪を押し出して空に撒いていく。
さっきの勢いを上回る速さで雪の量が増加しても、それは水に変えられ、蒸発して見えなくなってしまう。
どれだけ雪を出しても、積もらなく、周りの温度も下がらない。
私はそれに安堵して、肩の力を抜いた。
また次回で!
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