テラーノベル
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一方、大豪邸の気高い鉄門の外。お腹がペコペコに減った三毛猫の体(中身・プリテオ)は、冷たいアスファルトの上で途方に暮れていた。そこにあるのはひっくり返ったゴミ箱、泥水、排気ガスの臭い。所持金ゼロ、フォロワーゼロ、職歴なし(猫だけど)の、ただの飢えた野良猫。(お腹が減った……。何か、何かエレガントな食べ物は落ちていないのか……!?)フラフラと路地裏を彷徨うが、転がっているのは得体の知れない激辛カレーのルーがこびりついたプラスチック容器だけ。(あり得ない! 私がこのような、人間の排泄物一歩手前のゴミを漁るなど……!)プライドが邪魔をして、ゴミ箱に近づくことすらできない。
「ガルルルルル……!!!」
その時、路地裏の自動販売機の影から、血走った眼光がプリテオを睨みつけた。昨日、三毛猫を執拗に追い回していた、近所の狂暴なチワワ(名前なんて知らない)だ。イワシの頭を盗まれた恨みを忘れていないチワワは、マリアーダイアの護衛がいないこの路地裏で、偽三毛猫を完全にロックオンした。
「キャンキャンキャン!(おい三毛ヤロー! 昨日のイワシの頭はどこへやった! 吐き出せコラァ!)」
獰猛なチワワが、鋭い牙を剥き出しにして突進してくる。
「ヒッ……!? お、おやめなさい! 私はマリアーダイア家の……」
偽三毛猫はいつもの癖で、気品溢れるお辞儀の姿勢(営業スマイル)で相手を宥めようとした。しかし、ここはストリート。ビジネスキャットの媚びテクなど、狂暴なチワワには1ミリも通用しない。
「キャウン!(問答無用だぁーー!)」
チワワの牙が、プリテオの鼻先をかすめる。
「みゃ、みゃあああああああ(誰か助けてーーー!!)」
優雅に育ったセレブ猫プリテオ、人生(猫生)最大の危機! 涙と泥にまみれた「極貧ストリートサバイバル」のカウントダウンが、無情にも鳴り響くのだった――。
コメント
1件
ああ、これは堪らない展開ですね(笑)。前回あれだけ優雅に決めていたプリテオが、まさかゴミ箱すら漁れない憐れな野良猫に成り下がるとは。所持金ゼロ、フォロワーゼロ、職歴なし(猫だけど)——この一文に全てが詰まっていて、思わず声が出ました。チワワとの因縁も伏線っぽくて、次が気になります。ビジネスキャットの媚びテクが通用しないストリートの厳しさ…この落差、癖になりますね。