コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
はーっ、と白い息を吐く。
クリスマスの夜。街に恋人たちが溢れる日。
夢見がちな私は勝手に期待して約束したというのに鈍感なあいつは家でいいんじゃない?とか言うの。だから、ちょっと強引に外に連れ出してイルミネーションを見に来てる。
でも、隣で「綺麗だね」なんて言う彼を見ると心が温まって、なんだかほわほわしちゃって、かっこいいカメラを持っている所に近づいちゃう。
「うわ、やっぱり人多いね。」
「そうだね」
芹、足早いし着いていけるかな。私の心配を他所に周りの人にどんどん飲まれてしまう。 あっ、と思った時にはもう遅かった。ヒールが段差に引っかかって、私は転びそうになってしまった。
「危なぁ、大丈夫?凛ちゃんはほんとドジっ子だなぁ〜。」
「芹。…ごめん、ありがと。」
私の手を握って、助けてくれた芹。
こういう所がかっこいい。
「このまま手、繋いじゃう?」
「……言わせないでよ、ばか。」
「ふふ、はいはい。」
ぎゅ、と握ると優しく握り返してくれる。私よりおっきくて綺麗で、凄く安心する。努力の手だなって、おしゃれな指輪で隠してるけど傷とかあざとか、大変だったんだなって……やばい泣きそう。
「凛ちゃん?うるうるしてない?」
「してないっ!…ひぐっ、…してないから!」
「…顔赤い」
「ふぇ?」
「寒いよね、ほらマフラーだけじゃ凛ちゃん寒がりなんだから。」
いや、芹のコートは要らないよ。
……一応ありがたく貰っとくけど。
「でも、そしたら芹が寒くなっちゃうよ?」
「ん?俺はいいの。凛ちゃんと一緒に居れればそれで十分ですわ。ぽかぽかよ。」
「…ほんと?」
「本当、ほんと。」
「でも、…悪いよ。
だからさ、もっと…ぎゅってしてい?」
「…!!!!!(〃∇〃)うん、もちろんっ!!」
ふふっ、あったかぁい。
芹、子供体温だなぁ。可愛い。
……ちょっと顔、近い…かも。
「…芹?そのぉ…ちかいんですけど…、」
「もうちょっとだけ。」
「ええっ〜恥ずかしい…」
「もう少しだけ、側にいさして。」
「……////」
「愛してるよ、凛ちゃん」
「私も。大好きだよ、芹。」