異世界最強魔王が女子高生に転生して無双する話

陛下がわたくしの相手をしているあいだに、極星会の獅子丸以外の幹部たちも、力なく横たわる雄大会長のそばにやってきた。

「あの化け物に傷をつけるなんて会長さすがでした。でもむざむざ会長が殺されるのを見るのは忍びないです。若頭だけでなく、おれたちも身代わりに死にます。会長は生きて再起を図ってください」

「おまえたちが身代わりになると言っても、あの化け物は許してくれないさ。そもそも手下の命と引き換えに親分が死なずに済んだと知れたら、うちの組織はおしまいだ。みんな脱退するだろうし、抗争中の山形組や稲村会の兵隊がここぞとばかりに攻め込んでくるはずだ。おれが死んでおまえたちが極星会を引き継ぐのが組織のためには最善の選択だ」

「しかし会長……」

「オヤジの後を継いで極道の道に入った日から寿命で死ねるなんて思ってなかった。それでも雑魚に殺されたくはない。化け物と戦って死ねるなら本望だ」

「ううっ、会長……」

陛下はそんなやり取りを黙って聞いていたが、何かひらめいたように口を開いた。