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おぉーええですね( ˶ ᷇ 𖥦 ᷆ ˵ )によによ
夕焼けに染まる校門前。
部活終わりのざわめきが、少しずつ静かになっていく。
冷たい風が頬をかすめた。
「なぁ……ほんまに来週で最後なんやな」
ぽつりとこぼれた言葉に、自分でびっくりする。
「何が最後やねん」
「卒業やん」
一瞬だけ、空気が止まった。
でも次の瞬間。
「まだおるわ!!消えるみたいに言うな!」
「いやでもほぼ消えるやろ」
「消えへんわアホ!」
いつものテンポ。
いつものツッコミ。
それだけで、胸の奥の重たさが少し軽くなる。
──────────
帰り道、四人で並んで歩く。
「てか最近やっと自由の身やもんな〜?」
「言い方!封印解かれたみたいやん」
「そっちはそっちで“デビュー”したんやろ?」
「うるさいわ」
「時代がうちに追いついたんや」
「追いついてないわ!」
爆笑。
笑い声が夕空に溶けていく。
——なのに。
気づいたら三人は前の信号を渡りきっていた。
「……え?ちょ、待って!?」
「なっちゃん遅いねん!」
「もう赤やぞ!」
「うそやん!!」
慌てて走る。
転びそうになりながら追いつくと、三人はケラケラ笑っていた。
「ほんま置いてくなって!」
「ちゃんとついて来いや〜」
「卒業しても置いてくからな」
「それはやめて!?」
また笑いが弾ける。
──────────
校門前で、なんとなく足が止まる。
「なっちゃん、泣くなよ?」
「泣いてへんわ」
「目赤いで」
「風や!」
「便利やなその風」
強がりやけど、たぶんバレてる。
寂しくないわけない。
でも、それ以上に——
この時間が、好き。
「ほな、未来行ってこいよ」
「上から目線やな」
「そっちの景色、ちゃんと教えてな?」
「任せとけ」
「既読スルーしたら許さんからな!」
「せえへんわ!」
シャッター音。
変な顔ばっかりの写真。
笑い声が、春の空気に広がる。
その先の未来を超えても、
きっとまた、今日みたいに笑える。
そう思えた。