彼とのデートは昼から始まる
待ち合わせ場所に5分前に着いた
まだ時間があるのでスマホを弄っていると、
目の前に誰かが立ち止まる
顔を上げてみれば、高級そうな服を身にまとった彼が立っていた
『待ったか?』
優しい顔でそう云ってくれる彼
全然待ってないよと答えれば、
『なら良かった。今日の服めっちゃ可愛いぜ』
そんなセリフを当たり前のように呟いて、私の前に手を差し出してくれる
そんな彼の手に私が手を重ねればデートスタート
初めは私の好きなスイーツ店に2人で入る
スイーツ店となれば周りは女性のお客さんばかりになるので、彼に視線が多く集まる
彼の外見や立ち振る舞いに見とれた人達に釘付けにされる彼
もっと見て欲しい
自慢の彼氏だから
だけど、見て欲しくないような気持ちもある
独り占めしたいという私の想い
彼はそんな視線にも慣れているようで気にも止めなかった
彼は私の座る席の椅子を引いてくれる
そしてメニューを私の前に広げてくれる
何故こんなにも紳士なのか
彼のそういう些細な行動からも、彼への想いが溢れていく
2人でパフェを注文して、それを話しながら食べ進める
彼はあまりこういうものに食べなれていないようで、頬にクリームが付いていた
さっきまでの大人っぽい雰囲気は消え、急に子供っぽく見えてしまうので笑ってしまう
そんな私に首を傾げながら食べ進める彼
私は彼が愛おしくてたまらない
お腹を満たした後は、彼の好きなワインや帽子を見てまわる
私はお酒などにあまり詳しくはない
だけど、ワインを選びながら楽しんでる彼を見ているだけで
私も楽しくなってくる
買い物が終わった頃にはもう既に日が落ちていて辺りは暗くなり始める
ディナーは彼が予約してくれたレストランでとることになっていた
案内された席は、夜景が綺麗に見えるテラス
周りに人は居なく、私たちだけで楽しんで食事が出来た
少し酔ってきた時に、ふと彼の横顔を見つめてみた
ワインを飲みながら夜景を見る彼の横顔は
絵に描いたように美しかった
こんなにかっこいい人が私の彼氏なんだと改めて実感する
見た目だけでなく性格も完璧な彼
好きだなーと思いながら見つめていれば、彼も私も見つめ返してくる
『どうした。少し酔ったか?』
微笑みながらそう云う彼は、本当に愛おしくてたまらなかった
「うん。中也、好きだよ」
思わずそう呟いてしまう
彼は少し驚いたように私を見つめ、フッと笑って私の髪を弄り乍云う
『知ってる。俺も手前のこと愛してるぜ』
そんなことを言い合って笑い合う瞬間が
私にとってはたまらなく幸せだった
レストランを出て、其の足でホテルに向かう
部屋に入ればくつろぐ暇もなく電気を消され彼に押し倒される
「まって、シャワー浴びないと、」
私がそう云って彼を押し返してもビクともしない
『我慢できねぇ』
そんな言葉を零して彼は私の唇に噛み付くようにキスを落とした
2人の夜はまだ始まったばかり
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