テラーノベル
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あれだけ拷問のような夜は、経験したことがなかった
目の前に大好物なものがあるのに、口につけれない
飼い殺しの状態で、ただ見てるだけ
犬だって、どこかでお許しをもらえるのに
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髪を乾かし終わって、大介の体をベッドに寝かせようとしたら、俺のシャツを掴んだまま寝ているのに気づいた
なんとか離してもらおうと駆使したけれど、手が離れない
う〜ん、仕方ない、もうこのまま寝てしまおう
歯磨きできなかったのは、ちょっとイヤだけど
なんとか大介を自分の上で安定させて、風邪をひかないようにブランケットをかけて
体に巻いていたタオルは水分を含んでいるから、そのままにしておくと冷えると思って取っ払った
すると、大介の首から肩、鎖骨あたりの白い肌が露わになったのを見て、俺は息を飲み込んだ
ヤバい、これはヤバい
しっとりした髪が顔に張り付いて、風呂上がりの余韻で頬は少し赤くなっていて
そのまま俺の上で、裸のまま眠り込んでいて
事後じゃん、これって
無意識に俺の手が大介の背中に回って、指で背骨あたりをそっと撫でてみた
『・・・・・・ん・・・ぁ・・・』
大介から艶めかしい声が漏れて、体を少し捻った
なんでタオルを取ったんだ、俺
床に落としたタオルにはもう手が届かない
ダメだ、やめろ、俺!!!!
でも・・・もう一度、聞きたい
次に脇腹あたりを撫でてみた
『あ・・・ぁ・・・・・・んぅ・・・』
ねぇ、大介、ホントに寝てる??
誘ってんじゃないの?これ
顔が動いて、俺の胸からずり落ちそうになるのをもう一方の手で支えてやる
なんか少しだけ、息遣いが早くなってない?
一方的な性欲なんて、押しつけちゃダメだ
でも目の前に、好きな人がこんなに無防備でいるのに、手に入らないなんて、こんなに残酷なことある!?
ってか、この人、下も履いてなかったはず・・・
ダメ、絶対にダメ!!!
この一線超えたら、俺は終わる
だけど脇腹を撫でていた手が、勝手におへそから下に移動していた
すっ・・・と手のひらに、硬さはない大介のモノが収まってくる
震えた手で、少し擦ってみた途端
『・・・ぅ、あっ・・・はぁ・・・んっ・・・・・・ぅ・・・』
ピクッと肩が震えて、これまでとは違う声で反応した
もうこのままだと、俺もヤバい
止められない
なんとか別のことを考えれないかと試みたけど、大介の声が麻薬のように俺の神経を支配してきて(麻薬使ったことないけど)、もう中毒になりそう
もっと聞きたい
もっと喘がせたい
俺の手で気持ちよくしたい
俺だけに溺れて、俺だけを求めて欲しい
でも今は、俺を止めて欲しい
もう残っている理性が溶けて、崩れそう
隣にいて安心できる存在でも十分だと思っていたけど、俺はそれ以上に大介が欲しい
ずっと隣にいて欲しいから、キスもハグも優しくしてきたつもりだけど、本当はめちゃくちゃにしたい
大介の中に入り込みたい
隅々まで食べ尽くしてしまいたい
大介のモノに触れたままの手を、もう一度動かそうとした時だった
『・・・れ・・・んぅ・・・』
声にハッとした
起きてる・・・・・・?
心臓がバクバクして、顔を覗いてみた
目を閉じたまま、眉間に皺を寄せながら、モゾモゾと身動いている
目尻にはうっすら、涙のようなものも見える
「・・・大介?」
『・・・・・・れ・・・ん・・・」
「・・・どうしたの?」
『・・・おいて・・・いかな・・・いで・・・』
「・・・・・・大介・・・」
『・・・・・・れん・・・そばに・・・・・・いて・・・よ・・・』
「・・・うん・・・いるよ・・・」
寝言は、きっと今のことじゃない
2ヶ月後のことだ
カナダに行くことを告げた時、大介は自分のことのように喜んでくれた
すごい、すごい!!と、俺を抱きしめて、目を輝かせてくれて
応援してくれていることが嬉しくて、離れていても大丈夫だって思っていた
でも今、目の前で聞いた言葉は、寝言でも大介の本当の気持ちなんじゃないかと思う
俺に気を遣わせないように、ずっと隠したまま言わずにいてくれて
大介は優しい
でもその優しさが、今の俺には少し毒になっている
本当のことが聞きたい
大介にとって俺は、あれからどうなってる?
優しいから、俺の好きな気持ちに付き合ってくれてるとか?
こんな気持ちのまま、旅立つことなんてできない
大介の本音が聞けた嬉しさと、優しさが少し悲しくて、気がついたら涙が落ちていた
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