テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
804
1
♯ あきすての
1,039
暗理
575
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
冬弥が「ペットショップで小豆沢こはねを買い、家で飼っている」と零してから、彰人と杏が「人身売買に売られたこはねが冬弥に飼われている」と勘違いする話。
冬彰、杏こは要素ほんのりあります。
冬弥のキャラ崩壊と天然具合が酷いです。カッコイイ冬弥はいません
〜〜〜〜〜
冬弥「小豆沢を飼った」
神山高校お昼時。彰人は冬弥を弁当に誘い、友人が欠席と言う理由で杏が、弁当箱を持って昼食に向かう彰人と冬弥を見かけてお邪魔することになり、お弁当を広げて三人で食べている時に、冬弥がボソッと呟いていた。
彰人「……え?なんて?」
冬弥「小豆沢を飼った」
彰人「……は?」
杏「ちょっと!こはね飼ったってどう言う事?」
杏が青い顔をして焦燥感溢れる表情で言った。彰人は冬弥を見てみると、新しい玩具を買ってもらった時の子供のような顔をしていた。
冬弥「小さくて可愛いから、ずっと撫でていたな。ご飯を食べる時は、頬袋をパンパンにして…可愛かった」
冬弥の言葉を聞いた彰人と杏は、今この場にいない小豆沢こはねを思い浮かべた。
こはねのキャップ坊に冬弥の白い手が置かれて優しく撫でられ、そのあとに好物のゴマ団子または桃まんを頬袋パンパンにさせながら食べているのを想像した。
杏「こはね可愛いッッ!!」
冬弥「そうだろう」
あまりのこはねの可愛さに、杏は興奮気味口元を抑えながら推しを目の前にするオタクのような声を上げた。冬弥は得意げな顔をして杏の言葉に同調していた。
そこで彰人が顎に手を当てて考え始めた。
彰人「(こはね飼うとか大丈夫か?冬弥の親父さんと母さんに見つかったら偉い事になりそうだ)」
彰人は、自分の部屋でこはねをペットのように愛撫している冬弥を思い浮かべ、冬弥の両親に見つかったら警察または精神科の病院に連れていかれるだろうと推測し、焦燥を感じた。
彰人「冬弥」
冬弥「なんだ彰人?」
彰人「その…、ちゃんと同意か?」
冬弥「え?同意?……ああ、店員さんから『小豆沢を育てるに当たって自己責任の同意の書類』にサインをしたな」
彰人「は?店員?」
杏「ちょっと!こはねは何時から人間売買に売られたの!?」
冬弥「??小豆沢は普通のペットショップで買ったが?」
彰人「……ああそう言う…」
杏「ペットショップにこはねがいるの!?私も行く!!」
冬弥の言っているこはねについて、彰人は何か理解したように声を漏らした。対して杏は冬弥の言葉を真に受け、今からペットショップに行こうと飛び出しそうになっていた。
冬弥「白石はそんなに小豆沢が欲しいのか?」
杏「あったり前よ!!こはねは私の相棒だからね!!」
冬弥「??宮女に行くのか?ペットショップに行くんじゃなく?」
杏「ペットショップに行くわよ!!こはねを売っている店員さんとちょっと話をしてくるわ!!」
彰人「落ち着け杏」
飛び出しそうになっている杏の腰に左腕を回して引き止める彰人。杏は動こうとしたが成長盛の男子高校生に引き止められて、足だけが動いている状況になっていた。
杏「何よ!!早くしないとこはねが売られちゃう!!こはねあんな可愛いから直ぐに売られちゃう!!アンタそれでもいいの!?」
彰人「おい冬弥ァ」
冬弥「なんだ?」
彰人「昨日飼ったペットの写真見せてくれ」
冬弥「小豆沢の写真か?構わないが…」
冬弥はスマホをタップして彰人に見せた。
彰人「やっぱりな…」
杏「え?こ、コレがこはね!?」
冬弥のスマホ画面が写す写真を彰人が見て、冬弥が飼っているという小豆沢こはねについてわかった。彰人が理解したと同時に杏がその写真を見ると、ミルク色毛の小さな小さなハムスターが写っていた。
杏「ハムスターじゃない!!確かにこはねと言えばハムスターだけど!!」
冬弥「ああ。俺も昨日の帰り、新しく出来たペットショップの窓から俺を見上げている小豆沢(ハムスター)を見て、あまりにも可愛いから思わず衝動買いをしてしまった」
杏「それじゃぁ本当のこはねがペットショップに売られているって訳じゃないのね!?」
冬弥「??俺はそんな事ひと言も言ってないが…」
杏「言ってたわよ人騒がせ天然が!!」
冬弥「(・ε・ )」
杏は怒り顔をして冬弥にズカズカと近づいた。彰人は杏の体を放して好きにさせていると、彼女は両手を冬弥の両頬に埋め込ませた。冬弥の口は「3」の字になり、相棒の新鮮な顔に彰人は「フハ…w」と笑っていた。
冬弥「……もしかして白石は、俺が小豆沢本体を飼っていると勘違いしたのか?」
杏「アンタが勘違いさせるような物言いするからでしょ!!」
杏は更に怒り顔をして、冬弥の両頬を更にめり込ませた。冬弥の口が余計に「3」になり、彰人は「冬弥の顔が変形する前に、そろそろ杏の行動を止めてやろう」と思い、杏の背中に近づいた。
彰人「杏、もう放してやれよ」
杏「だってお父さんったら酷いのよ!」
彰人「いつまで引っ張ってんだよそのネタ!!」
冬弥「うああいあう、おうあんああるあっあ(すまない杏、父さんが悪かった)」
杏「なんて?」
彰人「ほら、冬弥も謝ってんだから許してやれよ」
杏「なんでわかるの!?」
彰人「相棒だからな」
彰人はそう言いながら、杏の両手を掴んで冬弥の両頬から離した。
冬弥「あうあっああいお(助かった彰人)」
彰人「まだ3の口かよ!!」
冷や汗をかきながら彰人がそう言うと、冬弥の両頬が元に戻った。その時、「スポンッ!!」と何か引っこ抜けたような音がした。
彰人「お前の顔効果音発するスピーカーでもついてんのか!?」
杏「確かに変な音鳴ってたわね」
冬弥「俺は蓄音機ではない」
彰人「蓄音機って……例えが古ィな」
杏「て言うか冬弥。アンタが飼っているハムスターって「こはね」って名前なの?」
冬弥「ああ。小豆沢こはねで間違いない」
杏「確かに私の可愛いこはねがハムスター並に…いや、ハムスターより可愛いからってハムスターに名付けないでよ」
彰人「それは俺も同意だ。人間のこはねの事を話しているのか、ハムスターのこはねを話しているのか一瞬わかんねェし…。こはねとお前が付き合ってる…って誤解されんぞ」
杏「私だって写真見るまでこはねだって思って焦ったんだからね」
冬弥「すまない」
杏「あと、自分が飼ってる動物に、身近な人の名前付けるなんて、その人の事片想いしてる…って思われるわよ?」
冬弥「小豆沢は可愛いし、チームとして大好きだが、片想いしてる訳じゃない」
杏「ε-(´∀`*)ホッ」
彰人「なんで安心してんだよ?」
冬弥「だからと言って、今更「彰人」と名付けるのも…。そもそも彰人はハムスターより犬に付けたい」
彰人「やめてくれ俺犬嫌い……いや待て、なんで俺の名前が出て来たんだ!?」
杏「え?え?冬弥、彰人の事好きなの?」
冬弥「相棒だから勿論だ」
彰人「ああ、相棒としてな…ε-(´∀`;)」
杏「何安心してんのよ?冬弥の片想いを受け取れないの!?」
冬弥「どうして俺が彰人に片想いしてる…って話に?」
杏「アンタが飼っている動物に片想い相手の名前を付けてる云々の話になった時に「彰人」の名前を言うから!」
冬弥「だから彰人とは相棒として仲良くしたいと思っているだけで他意は……??」
彰人「どうした?」
冬弥「いや、彰人を相棒として見ている……と言うと胸が痛んだような」
彰人「保健室行け」
END