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日帝「ッハァ……ここまで来たら……!」
瓦礫の陰に身を滑り込ませた瞬間、背後で靴音が跳ねた
耳に飛び込んでくるのは、聞き慣れない言語と荒い声
「あっちに行ったぞ!」
「すぐに見つけろ!」
逃げ場はもうほとんど残っていない
それでも足は止まらなかった。止まった瞬間に、すべてが終わる
日帝「クソッ……」
腕を押さえると、指の隙間から赤が滲んだ
掠り傷だが血の量が多すぎる
服に染みる感触が現実を嫌というほど突きつけてくる
長くは隠れられない
呼吸の音も、血の跡も、すべてが居場所を教えてしまう
日帝「ここまでか……」
一瞬そう思った
だがその考えすら振り払うように歯を食いしばる
自分はまだ、終わってなどいない。
物陰から身を出したその時だった。
「いたぞ!!」
鋭い声と同時に、視界の端で影が動く
次の瞬間、強い衝撃が身体を襲った
日帝「ぅぐッ……!?」
地面に叩きつけられ息が詰まる
腕を押さえていた手が離れ力が抜けた
見上げた先に立っていたのは
銃を構えた敵国のアメリカ
アメリカ「やっと捕まえた…早く負けを認めな。」
彼らの目に映る自分はもはや国ではなくただの捕虜だった
淡々とした声だった
勝者の余裕でも嘲笑でもない
ただ事実を告げるだけの声。
その言葉は容赦なく現実を押し付けてくる
最初から自分に勝利などなかったのだと
日帝「……フ……フハハッ。」
乾いた笑いが喉から零れ落ちた
痛みのせいか悔しさのせいか自分でも分からない
日帝「俺はまだまだ抗うぜ。例え手足がなくなっても刀は口で咥えれるからな。ハハッ。」
自分で言って自分で笑う
その笑いはあまりにも空虚だった
兵士たちの間に一瞬だけ沈黙が落ちる
誰も返事をしない
誰も彼の覚悟に応えようとはしなかった
アメリカはしばらく黙ったまま日帝を見下ろしていた
血に汚れ地に伏したその姿を
やがて低く息を吐く
アメリカ「……もう終わってる。」
それは宣告だった
議論でも説得でもない
アメリカ「これ以上戦わせない。お前もお前の“軍”も。」
その言葉を聞いた瞬間
日帝の笑みがわずかに歪んだ
(戦わせない?)
それは敗北以上に
存在そのものを否定される響きだった
拘束され立たされ連れて行かれる
視界が揺れ空が遠ざかっていく
それでも日帝は最後まで目を逸らさなかった
アメリカの姿をしっかりと睨みつけたまま
(……まだだ)
そう思ったその瞬間_
背後から強い衝撃
視界が白く弾け思考が音を立てて崩れ落ちた
アメリカ「もう無駄だよ。最初から君は負けるって決まっていたから_」
その声は不思議なほど静かだった
勝者の宣言ではない
怒りも憎しみも含まれていない
ただの_結論
日帝「…ッ……」
言い返そうとした
まだ抗えるまだ終わっていないと
だが舌が動かない
視界が揺れる
意識が遠のいていく
音が歪み、色が滲み、
世界がゆっくりと暗く沈んでいく中で_
最後に焼き付いた光景
それは、
アメリカが自分を見下ろす姿だった
哀れみ
同情
あるいは処理すべき対象を見る目
日帝はその視線から逃げることができなかった
(……くそ……)
言葉にならない感情だけが胸の奥に沈んでいく
こうして大日本帝国は敗北を認めないまま戦場から切り離された
それが、
1945年に刻まれた_
最初の「さようなら」だった。
第1話「屈辱」‐Fin-