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868ロスヨントス組
警察時代捏造ノベル
本人や実際のストグラ内のストーリーとは一切関係ない捏造ノベルです。
事実と捏造を混同しないようにお気をつけください。
本編⤵︎ ︎
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第一印象は“生意気なやつ”だった。
夕コ
「今日から世話んなります成瀬夕コでーす。」
成瀬夕コ19歳、高校卒業後警察学校へ入学し、 主席で卒業、だが教官や教授からの印象は悪く、本当に実力だけで上り詰めてきた、と。
なるほど、まぁ初っ端からこの態度ならあの生徒イビリを生きがいにしている教官共に嫌われるのも納得だな。
レダー
「はい。じゃあ今日から俺が君の教育係を担当します。レダーヨージローです。よろしく〜」
夕コ
「うす」
レダー
「じゃあまずは本署内の案内からね」
夕コ
「了解っす」
愛想はないがまぁ警察学校で見てきた上官があんなだったんだからそりゃ警戒はするだろうなぁ
そう思いながら俺は案内を始めた。ーーが。
レダー
「……ーそれからここが事務室ね 」
夕コ
「先輩何歳すか」
レダー
「…34歳」
夕コ
「へぇー」
レダー
「…でここが会議室」
夕コ
「先輩彼女いるんすか」
レダー
「…いないよー」
夕コ
「へぇー」
レダー
「そんでここが」
夕コ
「じゃあ彼氏すか」
レダー
「……彼氏もいないよー」
夕コ
「へぇー」
レダー
「…ここが休憩室」
夕コ
「先輩階級なんぼすか」
レダー
「…………5だよ」
夕コ
「へぇー」
なんなんだこいつさっきから。絶対案内聞いてないじゃん。なんでずっと質問攻めなの?
おじさんそろそろ泣いちゃうよ普通に
そんなことを考えながらも何とか流れを変えないとと思い、ふと時計を覗いたら短針が1時を超えていた。
レダー
「……夕コさん?」
夕コ
「あ、はいなんすか」
レダー
「集中力切れてきた?じゃあちょうどいいしお昼休憩にしようか?」
夕コ
「いいんすか?」
レダー
「うん。俺も1時回ってるの気づかなかったから。言ってくれていいんだよそういうの。」
夕コ
「あざす」
……まぁ腹いせにちょっと意地悪してやってもいいかな
と思い、意地悪な中学の先生並みの嫌がらせを試みる。
レダー
「じゃあ休憩室でご飯食べてきな。場所はさっき言ったよね。」
話を聞いていなかったのだから当然場所を聞き返してくるだろうしむしろ 聞き返してくれた方がこっちとしても気安く教えられていいかなと思った。
夕コ
「了解っす。」
<スタスタスタ……>
……本当に行っちゃった。あんなに質問攻めをしてたのに俺の話もしっかり聞いてたみたいだ。すごいな。俺なんてなんの質問答えたか覚えてないのに。
なんて考えながら自分の大人気ない行動をふりかえって少し反省し、弁当を食べに行こうとしていた。
すると後ろから走ってくる足音と声がした。
「先輩ー」
誰だろうと振り返ると、そこにはさっき休憩室へ入っていったはずの夕コがいた。
夕コ
「先輩」
レダー
「え、どうしたの夕コさん。もうご飯食べてていいよ?」
そう俺が返すと夕コはどこか腑に落ちないといった様子で口を開いた
夕コ
「……一緒に食べないんすか?」
レダー
「え?」
今どきの子は休憩時間まで上司と飯をしたくないだろう。だって俺がそうだもん。と思ってあえて自由にさせたが夕コはどうやら違ったらしい。
レダー
「じゃあ……一緒に食べる?」
夕コ
「…はい」
レダー
「……?」
その時、ずっと声のトーンを変えなかった夕コがなんとなく嬉しそうに返事をした気がしたのは気のせいだったのかほんとにそうだったのか、俺は今でも分からないが、きっと悪い気はしていなかったんだろうな。
それから俺も弁当を持ってきて、同じテーブルで向かい合って飯を食べ始めた。
レダー
「…………」
夕コ
「…………」
お互い黙々とご飯を食べるだけ。え本当にこれでいいの?なんか気まずくない?さっきまであんなに質問してきたのに?これ思ってるの俺だけなの?と初めてのタイプの新人に一人でドギマギするも、俺は対面での沈黙に耐えられず話題を切り出した。
レダー
「ゆ、夕コさんってさ」
夕コ
「夕コでいいっすよ」
レダー
「あ、はい。じゃあ夕コってさ」
夕コ
「はい。なんすか?」
レダー
「なんで警察官になろうと思ったの?」
ありきたりな質問だけど警察官同士の初対面の会話はこれが一番いい。
他のIT企業や広告代理店のような、入社するためだけの貼り付けたような志望動機とは違って、警察官を志望する人たちには明確な理由があることが多いから。
夕コ
「……憧れてる人が警察官だったので」
レダー
「へぇ〜 そうなんだ〜。その人にそのうち会えるといいねぇ!」
夕コ
「……そっすね。」
レダー
「……?」
そう答える夕コはなんとなく満足したような表情をしていた。もしかしたらもう会えてたのかもなぁ。
夕コ
「レダーさんはどんな理由なんすか?」
レダー
「え、俺?」
夕コ
「はい。」
レダー
「俺かぁ……俺はそうだなぁ……」
夕コ
「……」
……実はそんな深く考えたことないんだよなぁ、、、質問なんてしたら普通にそのままかえってくるのが定石なのを忘れてた。
まぁいいか。いつも答えてるやつで。口に出してたら本当にそれを目指してやってるような気がしてきてるしな最近。
頭の中の独り言を終え、ようやく口に出す。
レダー
「うーん、大切な何かを守りたい!的な感じかなぁ」
夕コ
「大切な何かってなんすか」
レダー
「えぇ……それはなんか、ほらあるじゃん。ね?なんかはなんかだよ。」
夕コ
「なんすかそれ」
レダー
「もー!いいんだよ深く考えなくて!なんかはなんかなのー!」
夕コ
「…っふはは」
署に来てから夕コが初めて笑ったのはこのときだった。
レダー
「え、夕コ笑えんじゃん」
夕コ
「んはは、俺のことなんだと思ってんすか」
それまでずっと生意気で読めない新人としか思ってなかったが、この時やっと俺はちょっと打ち解けれた気がした。なーんだ、ずっと緊張してただけか。それならそうと早く言ってくれればいいのに、と。そしてそのまま言った。
レダー
「ずっと緊張してたの?笑
早く言ってくれれば良かったのにー!」
夕コ
「先輩、ノンデリっすね」
レダー
「え?なにノンデリって」
夕コ
「いや、なんもないっす」
レダー
「えー?」
後で携帯で調べた。え俺ってノンデリなの??
って結構衝撃受けた。全然未だに認めてはいない。
夕コ
「先輩早くご飯食べてくださいよ」
レダー
「夕コもね」
夕コ
「そうすね」
午前中のあの張り詰めた空気や気まずさは見る影もなく、まぁ初日にしてはなかなか打ち解けていたんじゃないかなと思う。
「「ごちそうさまでした」」
レダー
「あーお腹いっぱーい」
夕コ
「先輩の弁当結構量ありましたね。誰に作ってもらってんすか?」
レダー
「あれはぁ…まぁ同僚?」
夕コ
「同僚?」
レダー
「いやなんかね、料理って1人分作るより大人数分作った方が味付けも分量も楽ちんらしいじゃん?」
夕コ
「そうなんすか」
レダー
「うん。だから自分の分と俺の分の計2人分弁当を作ってくる後輩がいるんだよ」
まぁどうせそのうち署内でもどこでも会うんだろうし深くは説明しなくてもいいだろうと思い、その時はそこまでに留めておいた。
夕コ
「…それ狙われてんじゃないすか?」
レダー
「違う違う!!やめてよ気色悪い!!!」
夕コ
「先輩って結構元気なタイプなんすね」
レダー
「え?そうかなぁ?あんま言われることないけど…」
夕コ
「今日半日の先輩の印象そんな感じっす」
レダー
「えーなんかヤダ。34のおじさんが元気系って誰も助からないじゃん……」
夕コ
「そんなことないっすよ」
レダー
「そうかなぁ……」
夕コ
「まぁこれからよろしくお願いします。先輩」
レダー
「…レダーでいいよ。」
夕コ
「え?」
レダー
「先輩ってなんか距離遠いじゃん」
夕コ
「いや無理っすよ。強いて言うならレダー先輩っす。」
レダー
「えー?俺的にはその敬語もやめて欲しいんだけどな」
夕コ
「いや敬語は無理っす。じゃあレダーさんでどうすか?」
レダー
「んー…まぁ初日にしては及第点かぁ」
夕コ
「じゃあ午後もよろしくお願いします。レダーさん」
レダー
「なんかむず痒いなぁ……」
まぁ滑り出しは好調と言って良かっただろう。
つづく