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[北編]
玄関が開く音。
「ただいま」と落ち着いた声。
リビングの明かりと、食卓の温かい香りに気づく。
北は少し目を細め、手を洗いながら確認する。
「……🌸、待っててくれたんやな」
🌸「うん!だって、しんちゃんの好きなもの作ったんだもん」
「そうか」
無表情のように見えるけれど、
その声の端に少しだけ温かさが混じる。
「丁寧に作ってくれてありがとう。
ちゃんと食べます」
座って箸を持ち、食べる。
一口ごとに微かに笑みがこぼれる。
「……美味しいな」
🌸「本当?良かったぁ!」
「本当や。…今日頑張ってきた甲斐があった」
そして、食事を終えた後も
さっと立ち上がり、食器を片付ける彼女の手をそっと止める。
「あとは俺がやるから。お前さんはゆっくり座ってな」
「え、でも…」
「いいて、こういうときは甘るんやで?」
ふと視線が合う。
無表情に見えて、目がとても優しい。
「……お前さんが待っててくれたの、嬉しい。
毎日じゃなくても、こうして作ってくれるんのは、感謝しかないやんか」
肩を軽く抱き寄せ、額にキス。
「離すんやないよ、今日はゆっくりしような」
🌸「しんちゃん…ありがとう」
「当たり前や」
その声に、全部の安心感が詰まっている。
「……これからも、ちゃんと待っててくれるんか?」
🌸「うん」
「よし。じゃあ、これからは俺も
ちゃんと守る番やね」
穏やかで、でも確実に独占してる目。
静かに、だけど深く甘やかされる夜。