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「今日も夜勤明け?」

なんだよ?って思った。

こうやって昼勤務のやつに言われると、ものすごくイライラする。

バカでかい豆腐のような、病院という奇妙な建物から、やっと解放されたと思えば、今度はこうやって話しかけてくるヤツの相手をしなきゃならないなんて。

突っかかる元気もないから何もいう気にならないけど。ただ、ため息が胸の真ん中で迷子になってる感じだ。

兎に角、今は『死んだよう』に眠りたい。

「大体さぁ、慣れない夜勤の仕事なんかに行くからダメダメなんだろぉ?」

ダメがひとつ余計についてる。これが俗にいうダメ押しか?

「おいなんとか言えよ」

筿原が肩に手をかけてくると、篠原の柔らかいものが二の腕にあたるのを感じた。

同期…というか、筿原は幼なじみだ。そのせいか…いや、絶対にそのせいで筿原は女の恥じらいが全くない。まぁ、僕にだけだから、今のところはいいとして、放っておくと、こいつは将来ふしだらでどエロな女になるに違いない。

親友として、ひとこと言っておくべきだろう。

「なぁ、お前さ。女子なんだから、もう少し恥じらいとか持ったらどうなんだ?」

「はぁ?」

はぁ?じゃねーよ。

そんなんじゃ嫁にいけねーぞ。なんて、言った日には、また、どうせ指の関節先で殴られるんだろうけど。

「ところでね」

先ほどとは打って変わって筿原が落ち着いた声でいった。

「な、なんだよ」

僕は少し身構えた。

筿原がこんな風に語調を変える時は大抵無理な頼み(ほぼ命令に近い)を無理強いしてくる前兆だからだ。

先週末は無理やり朝方まで居酒屋に縛りつけられ(本当に麻紐で椅子に縛りつけられた)飲みに付き合わされた。

まだ篠原の奢りだからいいモノの、これじゃあ、せっかく医師を辞めて、病院の見回りバイトを選んでいる意味がない。勘弁してくれ。

「飲み屋ならいかないよ?夜勤中にコンビニでたらふく食べたからさ」

「違う、違う」

篠原は、ブンブンと猛烈に手を振りながら猛烈に否定した。

幽霊探偵なんてやってられるか

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