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桜の花が堕ちるまで

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桜の花が堕ちるまで

9 - Episode Y②

♥

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2024年10月15日

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︎︎注意⚠︎︎

・ご本人様方には一切関係がない

・捏造、妄想要素が激しい可能性あり

・特徴を捉えきれていない部分が多々あり

・恋愛要素が今後恐らくきっとほぼない

・868のBOSSたちがロスサントスに入国する以前の物語


※注意事項は今後も増えていくと思います。一旦はこれらをご了承の上、創作物をご堪能ください。


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行ってらっしゃいませ〜〜。






ロスヨントス警察署に異動してから、もう2ヶ月もの月日が経った。スマホの電源を付けて時刻を確認すると、すでに深夜の3時をまわっている。ロック画面にいる弟、カニはこちらを見てニッコリ笑う。結局、異動の件をカニに連絡したところ、

「心配しすぎだし何やってんだよ。」


と怒られた。それに対して不貞腐れた返信をすると、少し間を開け1枚の写真が送られて来る。その写真こそ、今見ているロック画面だ。


「ったく、出来た弟だよ…。」


そう呟きしばらく眺めていたが、ふとヘリの修理をしていないことを思い出す。大破したヘリが2、3台あったようなないような、とヘリポートへ向かうとドアが少し空いていた。妙な既視感に襲われながらも、そっとドアを開けて誰なのか確認してみる。

(やっぱり、レダーヨージローなんだよ。)








クラフトをし終え、補充をしようと共有スタッシュのある部屋までダンボールを運ぶ。ドアを開けようにも両手が塞がっており、俺は足でどうにかしようと試みた。すると、急に内側からドアが開き浮かした足が空を切る。少しぐらついてしまったが、持ち前の体幹が倒れることを拒む。


「ごめん、成瀬さん大丈夫?」


心配されるとともに、持っていたダンボールを取られ視界が開けた。


「これついでにやっとくよ、わざわざクラフトありがとねぇ。」

「オ…、アタシも補充やりますよ。」

「いや大丈夫よ〜?やることやってきな。」

「じゃあ、補充作業やんなきゃっすよ。」

「あその、違くて他の楽な~…。」

「アタシのこと舐めてるんすか?」


慌てて訂正するその男を部屋に押し込み、補充作業を無理やり手伝う。最初こそ無言だったが、そういえば俺自己紹介したっけ、と彼の方から口を開いた。


「えー、レダーヨージローです。成瀬さんのことは署員たちがよく話題にしてたんだよね。一方的に知っててごめんね(笑)」

「あー、全然大丈夫っす。」

「ほんと?てかここはもう慣れた?」

「そうっすね、業務とかあんま変わんないんで。特には…。」

「それもあるけど、話せる人とかちゃんといる?芹沢とか意外と親しみやすいから、今度話してみなね。」

「…はい、分かりました。」


喋ってないで手を動かせ、と言われる場面なのだろうが生憎俺らは仕事がデキる。ものの数分で補充を終わらせ、2人で部屋を出る。その瞬間大型犯罪の通知が鳴り、じゃあヘリ出さなきゃだから、と無線をいじりながら走り去って行く。そのやけにでかい背中を見届けながら、俺は大きなため息をついた。

(レダーヨージローって、経理…あと報告書めっちゃ書いてる人じゃなかったっけか?)

ポッケから署員専用のpadを取り出し、報告書をいくつか見てまわる。作成者の欄には、どれもレダーヨージローという名前が記載されていた。







(ったく、どこ行っても真面目に仕事してるとこしか見たことねぇ。)

あれ以来、会う度に何かと絡んでみたが、絡みすぎて嫌そうな顔をされるようになった。そもそも、あちらがいつもヘリに乗って空を飛び回っているため、数回程度しか会っていない。しかし、毎日この時間になると決まってヘリポートに行っている。一応サボってはいるのかと感心していたが、いざ来てみればこの始末だ。俺は閉めたドアに寄りかかり、真面目に仕事をこなす男に声をかける。


「レダーさん、いつもここにいるっすね。」

「げっ、成瀬……さん。」


その返答と顔に腹が立って手が出そうになったが、小さい舌打ちで消化し我に返る。


「さん付けはいいっすよ。それより、なんでいつもヘリのメンテナンスしてるんすか?事務作業とかもやってんのに。」

「いや別に、そんな大した意味は無いかな。」

「他のヘリ部隊の人に頼めば良くないっすか?」

「いや、乗る時間は俺の方が圧倒的に多いし、好きでやってるからいいんだよ。」

「ふーーん。いつか壊れるぞ。」


レダーヨージローに腹を立てているのは確かだが、こいつを叱るのは少し違う。サボり方を教えてやるどころか、気付かないふりをして甘えまくっている他署員に呆れた。


「なに、文句でもあります?」

「いーや?何も言ってないっすけど?」








それから、俺はレダーヨージローと出来るだけ話すようにした。たまに芹沢も連れて、3人で他愛もない時間を過ごした。

(無理やり仕事を奪ったりおじさん弄りしたり……。)

最初は、過去の自分のようになって欲しくない、てかそれを俺が見たくないというエゴだったかもしれない。しかし、3人で過ごしていくうちに絆されていくのを感じ、そこにいる自分を大層気に入った。

(こんな空気感の組織だったら、さぞ毎日面白いだろうな。)

そんなエゴが芽生え始めたのは、この時期だった気がする。







『すいません、聞いてください!先程、レダーさんが言っていた件なんですけど。救急隊の方がギャングに誘拐されたようです!』


大型犯罪の対応を終え、インパウンド作業をしていると忙しない無線が聞こえてきた。

(あれ、これさっきレダーさんが言ってたやつ?まだ解決してなかったのか。)


『あの、無線で共有を受けて病院に行ってみたんですけど、既に誘拐されていたようで誰もいませんでした。GPSを見たところそれらしきやつも見当たらなくて……。完全に分からない状態です、すいません。』


無線の静けさから、かなりの緊張が伝わってくる。早急にインパウンド作業を済ませ、上官の指示を仰ごうとすると、複数台の車がただならぬ様子で横切っていく。車の色的に誘拐したギャングたちだと推測し、俺は無線で報告をした。その間にパトカーの鍵を開け、サイレンをあえて付けずに後を追う。



途中撒かれてしまったが、市民からの情報提供により何とか現場を突き止めた。俺が到着する頃には、レダーさんと芹沢を含め多くの警察官がいる。その人の間を縫って見た光景は、一言で表せないほど悲惨だった。女性隊員が痣だらけで倒れており、ギャングがそれを囲っている。舌打ちじゃ消化しきれない怒りが、言葉となって吐き出される。


「なんだよこれ…。」

「この女はね、私たちの仲間を轢いたんですよ?謝りもせず治療もせず、仕事の邪魔をしたんです。」

「だからって…。」

「関係ないのは警察の方ですよ?何しにこんな所まで…、誘拐拉致監禁の切符でもきりに来たんですか?そんなのはお好きにどうぞ。」

「関係あるよ、市民を守るために来てんだこっちは!」

「いやいや、守れてないじゃないですか。そもそも守る必要なんてないんですよ、悪いのはこの女ですし。」

「……解放の条件はなんだ。」

「ここで解放してもいいですけど、私たちはこの女に報復し続けますよ?嫌なら本人にこの落とし前を付けてもらわないと。」

「いや、一旦救急隊や警察で話し合わないと。」

「でもねぇ、1億円で許してくれって交渉されちゃったので。」

「え……?」


話が通じないこの感じ、俺はかつての上官を思い出した。そして、煮えくり返るような何かが、デジャヴを起こそうとしたところで芹沢に取り抑えられる。


「タコ!ダメだよ、オレも殺さないようにガマンしてる。」

「……。うん、分かった。」



2度目の異動をなんとか免れ(?)、頭を冷やそうとその場から離れる。

(この事件に居合わせたの、確かレダーさんだよな。重荷になってないといいけど…。)

そして、視界の隅にいたレダーさんを中心に捉え、声をかけようとする。しかし、俺は開いた口を噤んでしまった。それは何故か、見てしまったんだ。


レダーさんの目から光が奪われる瞬間を、1人の人間が希望を失う瞬間を……。


桜の花が堕ちるまで

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