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「……はい。そうだと思います」
律は少し間を置いて、真っ直ぐに言った。
琴音は柔らかく笑みを浮かべる。
「ふふ。そう、安心したわ」
その笑顔を見ながら、律はふと目を伏せた。
「でも……俺、自分の気持ちが分からないんです」
琴音が黙って耳を傾ける。
「高校の頃、一度付き合った人はいました。……でも、それは流れで付き合って、流れで別れただけで。本気で好きだったかって言われると、違う気がして」
律は言葉を探すように息をついた。
「今も……美咲さんに告白されています。返事を待ってくれてるのに……どう答えればいいのか分からなくて」