ラゼクがタトス本島に向かう少し前…。
〜タトス本島〜
聖女王「このタトスに侵入者が入り込んだと聞いたが、状況はどうなっておるのじゃ?」
???「現在第四の門番ルルーシャが応戦しております。増援を送り速やかに侵入者を排除を致しましょうか?」
聖女王「よい!ルルーシャに任せよ。お前達残りの門番は集めた奴隷の監視とこの本島の警備を任せる。」
残りの門番の魔女達は膝をついて頭を下げる。しかし、この瞬間聖女王の間の扉が開いた。
聖女王「だ…誰じゃ!?なぜ勝手に扉が開く!!」
???「ねぇねぇ。そんなに大きな声出すなよ。弱者に見えるぞ。聖女王様。」
聖女王「お…お前は何者じゃ?」
そこには水色の髪をして紫電のような紫の眼をした少年が部屋へ入ってくる。
???「俺が何者かを聞く前に自分の身の心配をしたら?」
聖女王「舐めた口を聞くな!!さぁ、何をしているお前達、行(ゆ)け!!」
聖女王は配下である門番の魔女達に命令するも、魔女達は依然として膝をつき頭を下げている姿勢から微動だにしない。
聖女王「ど…どういう事だ?」
???「そんな事も見切れないのか?そいつらは俺の傀儡だよ。」
聖女王「傀儡だと!!」
???「お前の部下など、ここに招集されてた時点で、すでに俺の傀儡と入れ替えさせてもらったんだよなぁ。…無駄話は無しだ聖女王。」
聖女王「やってくれるわ!貴様、妾があの『十三王』の一人だと知って挑んでくるか!」
???「無駄話は無しだと言ったはずだけどなぁ!それに俺ら『八星座』にとってお前ら『十三王』など視野に入れる価値などない。」
すると、少年の後ろから全身黒毛と真っ赤な毛が混じったとても大きな狼が現れた。
聖女王「ふん。そんな愚獣を出しても無駄じゃ。『十三王』の力を貴様に見せてやろうぞ!」
一方その頃、ラゼクは海面を伝って徐々にタトス本島へと近づいていく。
また、タトス本島聖女王の城の中…聖女王の間では、タトスの主である聖女王と謎に包まれた水色髪の少年が闘うが、勝敗が決するまでそう長くはかからなかった。
ラゼクはタトス本当に着くとそのまま、聖女王の城へと入っていく。部屋という部屋をしらみつぶしに見るが、聖女王どころか魔女達の姿が見当たらなかった。
奥に進むと他の部屋より大きな扉が壊れていた。ラゼクは覗き見すると、そこに血だらけの聖女王が倒れていた。
???「おやおや?君は…誰だい?魔女には見えないけど?」
ラゼク「そっちこそ誰だ?…貴様も魔女には見えないが?」
???「ああ!!…俺はヴァシス・ディオ。八眷座(はっけんざ)であり、二つ名(Code Name)『究極召喚師(Ultimate Summoner)』だ。」
ラゼク「八眷座…。貴様まさか神の眷属か!」
ヴァシス「ああ。その通り。だから名乗ったのだ。」
ラゼク「どういう事だ?」
ヴァシス「おいおい、惚けるなよ。俺とお前は同格だろ。じゃなければ今頃、この女みたく地面に転がっていたぞ。」
ラゼク「その発言。貴様俺が誰だかも知っている口調だな?」
ヴァシス「ああ。一瞬君の中の力を見るまでは半信半疑状態だったけど、それが確信に変わった。だから、挨拶したまでの事…。」
ラゼク「そこに倒れてる奴が聖女王?」
ヴァシス「ああ。世界で十三人いる王の内の一人がこの聖女王なんだけどね…。どうやら、取り逃がしちゃった。」
ラゼク「じゃあ、ここに倒れているこいつは?」
ヴァシス「さぁ?…奴が身代わりとして置いておいた魔女じゃないの?」
ヴァシスがそう発言するとラゼクは爆発的なエネルギーを体内から流れ出した。
ヴァシス「何のつもりだい?」
ラゼク「貴様、それが分かった上で殺したのか?」
ヴァシス「お前は何を言っている?俺らハ眷座は神に仕えし眷属なのだぞ。なのに…お前ときたら、虫一匹のために何を熱くなっている?」
ラゼク「黙れ!…貴様の価値観など、どうでもいい。もう一度言う。俺の質問に答えろ。」
ヴァシス「はぁ。言っても聞かないか。残念だけど、今お前と遊んでいる暇はない。ただ、ここから逃げるにも無傷では済みそうにないな。…究極召喚師の名により召喚に応じよ!」
「『流水の使者 ハリヴァヌス』!!!」
ヴァシスがそう発言すると、空間が裂けてその中から全身鋼鉄の鎧を纏った人型のモンスターが現れた。
ヴァシス「3分だ!お前が、この召喚獣に3分で勝てば俺が直々に相手をしてやってもいいだろう。」
ラゼク「召喚獣どころか…貴様諸共消しとばしてくれる。」
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