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「こ、、れは、、、違ッ、、、」
「なんでなん?」
鳴咲先輩の、加虐的な関西弁の言葉遣い。
それに興奮してしまったのかもしれない、、。
これだから、、、嫌いなんだッ。
「、、、帰るッ!」
言葉を無視し、”俺”は階段を駆け降り学校を飛び出した。
怖い、怖い、怖い、怖い。
彼にどう思われたかが怖い。
僕は、性同一障害。
男性だけど、女性だと思ってしまう。
本当は結成[ゆいな]じゃなくて、[ゆうせい]。
親は認めてくれたけど、周りの目は認めてくれない。
だから、スカート履いて、髪もウルフにまでした。
可愛くなりたいから。
親は否定しなかった。
『 普通なんてない、個性も障害も受け入れるべきだ。 』
そう言ってくれた。
今思えば恵まれていたのだろう。
一人暮らしすることを決めた時も、親は少し反対していた。
それを押し切ったというのに。
「ごめんなさい、、先輩、、、ッ」
喉まで来ていたその言葉を押し殺して、僕は屋上からの暁の景色を眺めるしかなかった。