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それからしばらく経ったある日。その日の分の手紙をすべて読み終え、外が暗くなった頃、家の窓ガラスがガタガタと風に揺れていることにサンタクロースは気づきました。
窓から外を覗くと空は灰色の雲に覆われていて、斜めに強く打ち付けるような雪が、唯一辺りに輝きを放つツリーの星の光に照らされています。
どうやら今夜は吹雪になりそうです。
サンタクロースは慌てて部屋の真ん中に置いてあった机を壁に寄せて広い場所を作ると、家のドアを開け、外で寄り添うように暖をとっていたトナカイ達を家に入れました。
頭に乗った雪をブルッと落として中に入ったトナカイ達は、すぐに暖炉の前で丸まり、静かに寝息を立て始めました。
それを見てホッと一息ついたサンタは、ベッドに入って窓の外を眺めます。
だんだんと強くなる雪の向こうで、窓の外のツリーの光が一瞬チカッとした気がして、サンタクロースは心配な表情を浮かべます。
「ツリーは大丈夫じゃろうか……」
このまま心配していてもどうすることもできない。きっと、寝て起きたら吹雪は通り過ぎとるじゃろう。
そう自分に言い聞かせながら、サンタは眠りにつきました。