※暗い
※ちょいグロ
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「助けてください!殺人です!」
そう叫びながら走って来るのは、僕より年下と思われる見た目の、緑がかったハネ気味の髪とエメラルドのような瞳を持つ少年。眼鏡をかけている。
ここは人気がなく、僕と少年しか居ないだろう。
「大丈夫。落ち着いて。」
少年を安心させるように話しかける。
僕の中でも状況の整理ができていないが、なんとか冷静さを保つ。
恐らくこの少年は殺人現場を見てしまったのだろう。
彼の身内か、他人かは分からないが、この慌てようからして犯人に追いかけられている、と言ったところか。
「被害者は?」
家族だとしたら、この子はどこかで保護してもらうことになる可能性もある。
知らない人ならその人の身元を確認する必要がある。
「被害者、は…..」
「貴方ですよ。」
「ッぇ?」
どういうこと、と思った時にはもう遅かった。
僕の腹部に、彼の手に握られたナイフが深く突き刺さる。
「ゲホッ、!」
口の中に広がる鉄の味、端から零れるぬるい液体。
熱を持ち、痛み出す鳩尾。
不敵な笑みを浮かべる少年。
「こんなところに一人で居るなんて、危ないですよ?」
「ね、ドズル社長。」
その声が聞こえたのを最期に、意識は暗闇へと落ちてゆく。
もう二度と、目を覚ますことは無いだろう。
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○月×日、「ドズル社」の社長を務めるドズル氏が、△△通りで何者かに殺害されているのが発見されました。