TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「さっくん……凄いね」

「ん? まあ理真の事は産まれた時から見てるようなもんだからな」

「そっか。一緒に暮らしてるんだもんね」

「ああ。それにさ、俺子供に好かれるらしくて不思議と理真も俺には人見知りしねぇんだよ」

「そうなんだぁ。私は駄目だな、一人っ子っていうのもあるけど、関わる機会が無いから小さい子って少し苦手なの。従姉妹のお姉ちゃんに子供が居て何度か会う機会あるけど、いつも泣かれちゃうんだ……」

「それはさ、やっぱ苦手意識出しちまうと子供にも伝わると思う。咲結が苦手意識出さずに笑顔で接してやれば、多分伝わるんじゃねぇかな?」

「そういうもの?」

「まあ、必ずとは言えねぇけどさ。ほら、理真相手に練習してみ?」

「えぇ!? だってさっき真彩さんが理真ちゃん、人見知りが激しいって」

「まあそうだけど、もしかしたら平気かもしれねぇじゃん?」


理真をあやす朔太郎に説得された咲結は、大丈夫かと不安げになりながらも理真を見る。


今はまだ朔太郎に抱かれているから上機嫌のようで、このまま機嫌が良ければ泣かれないかもしれないけど、自分が抱いた瞬間に泣かれたらどうしようと戸惑っていると、


「平気だって。笑顔で名前呼んでみな?」


咲結の頭を軽く撫でながらアドバイスをする朔太郎。


それで勇気を貰った咲結は「うん」と答えて頷き朔太郎の腕から理真を渡してもらい、不安そうな表情を浮かべた理真相手に、


「理真ちゃん、可愛いねぇ〜泣かないの、偉いねぇ〜」


笑顔を見せながら一生懸命言葉を掛けていく。


すると、


「あー!」


不安げだった表情から一変、朔太郎に抱かれていた時のように笑いだした理真を見て、咲結は初めて小さい子が可愛いなという感想を持った。


朔太郎と咲結のおかげで理真の機嫌も良く、真彩が一通りの家事を終えて二人の元へ戻って来ると、眠ってしまっていた。


「理真、寝ちゃったんだ?」

「はい、咲結にも随分懐いて機嫌良かったんで、騒ぎ疲れたのかも」

「そうなの? 咲結ちゃん、子供の扱い上手いのね?」

「あ、いえ、そんな……。さっくんのお陰だと思います。普段はすぐ小さい子に泣かれちゃうので」

「そうだったの。朔太郎くんは本当、子供の扱い上手いものね」

「いや、別に大したことはしてないっスよ」

「そんな事ないよ。朔太郎くんの才能だと思うよ」

「はは、ありがとうございます」

「後はもう理真の事は私が見るから、ゆっくりしててね」


暫く二人と会話を済ませた真彩は、寝ている理真を静かに抱き上げると、そのまま部屋を出て行った。


「さてと、この後どうすっかな。咲結、今日は何時までに帰ればいい?」

「え? うーん、特に決まってないけど……遅くても二十一時までに帰れてれば大丈夫かな」

「ま、そんなに遅くまでは居れねぇけど、ちょっと出掛けるか」

「え? でも、さっくんまだ怪我が……」

「こんなん平気だって。って言っても車の運転がちょっと難しいから運転手頼める奴居るか探してくるわ」

「え、ちょっと、さっくん――……」


特にする事が無くなった朔太郎と咲結。


朔太郎の提案で出掛ける事になったのだけど、怪我の影響で車の運転に少し不安がある朔太郎は運転手をしてくれる組員が居るかを探しに部屋を出て行った。


「無理しなくてもいいのに……」


恐らく、自分の為を思って出掛ける提案をしてくれたのだろうと推測した咲結。


咲結的に朔太郎には無理をして欲しくないと思いつつも、デート出来る事は純粋に嬉しくて、心の中で葛藤があった。


暫くして、


「咲結、出掛けるぞ」

「あ、うん」


運転手をしてくれる組員を見つけて来た朔太郎は部屋で待ってる咲結を連れて家を出た。

近付きたいよ、もっと、、、。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

49

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚