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とある雨がよく降る日 俺は親に捨てられた
そしてそんな俺が捨てられた日と似たような雨がよく降る日に不思議な生き物 通称【ふも】を拾い そこから俺とふもの不思議な共同生活が始まった
昔
俺はとある雨がよく降る日に捨てられた
その日母さんはイライラしていて急に俺をダンボールに押し入れ山へと適当に捨てた
ゴミを捨てるかのように
俺は母さんの後を追おうと狭く暗いダンボールの中で動いた すると近くに坂でもあったのか俺がはいったダンボールは坂を転がり落ちた
グルグルと視界が回りどうなってしまうのかと必死で考えた
そしてダンボールはとある衝撃で一部が削れた その剥がれた一部を俺は必死に爪で掘りこじ開けた まだ死にたくない 母さんを追わないとってな
あの時はまだ幼かったから母さんが間違いで俺を捨てたと勘違いしていた だが大きくなったからわかる 母さんは間違いなく俺が邪魔でいらないからダンボールに詰めて殺そうとしたと
なんとか外に出れた俺は母さんを探そうとしたが雨で足場が悪く視界も悪い 10分もすれば寒さで体がうまく動かなくなる
寒さと空腹、足にできた擦り傷 そして母さんにもう会えないという絶望 それらを抱いて俺は歩いた そんな俺は小屋を発見した
誰も使っていなかったからありがたく使わせてもらってその日はその小屋で一晩過ごした
それから俺はこの小屋で生活した 食べるものを集め川からみずをくみ小屋に残っていたものを使い毛布を作りそうして俺は6年過ごしてきた ちなみに捨てられた時の年は12だ
14くらいの時から遠出ができるようになり近くにある村に歩きで向かうようになった その村にはとある年上の男がいた そいつから殺しを教えてもらった
そうして俺は俺を捨てた母さんを殺すためそして俺みたいな奴を生み出さないように依頼された奴を殺す
いつからか俺は血も涙もない殺人鬼として言われはじめた
まぁ別に俺はどう言われても構わないが血はちゃんとあるし涙もでるというのはわかってほしいとひそかに思う
そうして 俺は今年で18になるわけだが…
『…もふぅ..』
家の前に正体不明の白い毛で包まれた動物?がいた
怪我をしているようで白い毛が赤黒い もう数時間もすれば寒さと出血で死ぬだろう…
『…ふぅ?』
その正体不明の白い奴は俺を見つめてきた
まるで助けてくれと助けを願うように俺をみてくる やめてくれ 俺は殺人鬼だ 助けるような奴じゃない
『きゅう?』
ズルズルと体を引きずって俺に近づいてくる
「やめろ 俺は殺人鬼だぞ?お前のその傷をさらに広げてやることもできるだぞ?」
折り畳み式のナイフを取り出して白い奴に向ける
この白い奴をみていると俺が幼い頃捨てられた時の事を思い出す 助けを求める姿が雨にうたれて濡れ震える姿が怪我をして血を流している
全てがあの日の俺に似ている
吐き気がする 純粋無垢で疑うことを知らないその目を抉りたくなる
『もふ…』
俺は一歩後ろへ後退る だが白い奴はさらに距離を詰めてくる
「そんな顔してもこの森では誰もお前を助けてはくれないぞ」
俺がそうだった どんなに辛くても痛くても寒くても寂しくてもこの森は助けてくれない
「そもそも俺はお前を助ける理由がない」
こいつを助けてもなにも得なんてないただ面倒なことがふえるだけ
『もふ..』
白い奴は倒れた ぐったりとしとても苦しそうに息を細かく短く
「…..俺には関係ない」
白い奴がここでしんだとしても俺には関係がない
小屋の扉を開け中へはいり扉をしめようとした時
『きゅ…ふ』
短く小さい雨音に消されそうな程の音量の声が俺の耳へと届いた
「……ころされても文句は言うなよ」
俺は閉めかけた扉を開け白い奴を包み込むように腕の中へと抱き抱え部屋の中へとはいった
『….』
白い奴からはかなり体温が失われていた
毛は雨で濡れ泥と血がこびりついて体は力がはいらずだらんと伸びていた
「助かるかはお前が生きたいと思う意思次第だ」
『…きゅぅ』
まず俺は火をおこし白い奴の体を温めることにした そして毛布を白い奴へとくるまらせ水をふきとった
「….お前は誰かに捨てられたのか?」
『….きゅう?』
「まぁ言葉が通じるわけ無いか 何馬鹿なこと聞いてんだ俺は」
白い奴はだいぶ回復したのか体をブルブルと震わせたり小さくきゅうきゅうと鳴いている
「あんま動くんじゃねぇよ 傷が開くじゃねぇか」
『きゅうー』
白い奴は元気になって動こうとする 今動けば傷がひらいてさっきよりひどくなる可能性が高い
「暴れるな 安静にしねぇとさっきより酷くなるぞ」
『きゅう?』
白い奴はくびをかしげこちらをみた
「さっきみたいに痛い思いはしたくねぇだろ?だったら大人しくしてろ」
俺は伝わるかもわからないが言葉をかけながら白い奴を毛布で包んだ
『んきゅう』
白い奴はむにゅむにゅとしていてあんがい柔らかいそして不思議な匂いがする