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ショッピングモールの出口付近。
外はもう薄暗い。
慎太郎「じゃ、そろそろ解散?」
風磨「結構歩いたしな」
樹「帰るかー」
その言葉に、〇〇の足が止まる。
袋を持ったまま、少しだけ俯く。
〇〇「……もう帰るの?」
みんな止まる。
廉「どうしたん?」
〇〇「なんかさ」
少し笑うけど、寂しそう。
「今日、久しぶりにみんなで集まったし」
北斗はその表情を見る。
〇〇「解散するの、やだな」
静かになる。
慎太郎「かわいいこと言うじゃん」
風磨「子どもか」
でも声は優しい。
樹「まだ時間あるよな」
廉「俺は大丈夫やで」
〇〇「ほんと?」
廉「うん。せっかくやし」
北斗「俺も平気」
〇〇の顔がぱっと明るくなる。
〇〇「じゃあさ!」
スマホを取り出す。
「ここ、触れ合いできるとこあるみたい」
館内マップを見せる。
小動物やヒトデ、ナマコと触れ合えるエリア。
慎太郎「行く!」
風磨「テンション戻ったな」
再び水族館内。
少し人は減っている。
触れ合いエリアは照明が柔らかい。
水槽の浅いプール。
スタッフ「優しく触ってくださいね」
〇〇はそっと手を伸ばす。
ヒトデに指先が触れる。
〇〇「わ、固い」
廉が隣に来る。
廉「どれ?」
〇〇「これ」
廉も触る。
「ほんまや」
北斗は少し後ろから見ていたけど、近づく。
北斗「貸して」
〇〇の手首を軽く持って位置をずらす。
「こっちの方が柔らかい」
一瞬、距離が近い。
〇〇「ほんとだ」
廉はその手元を見る。
ほんの少しだけ視線が鋭くなる。
慎太郎「うわナマコ!」
風磨「お前持つな!」
わちゃわちゃした空気。
〇〇は笑っている。
さっきまでの寂しさは消えてる。
でも。
廉は〇〇の横に立ちながら思う。
廉(ほんまは二人でおりたいけどな)
北斗も思う。
北斗(解散したくないの、俺も同じ)
〇〇は何も知らない。
ただ、みんなといるこの時間が好きなだけ。
水に映る光が揺れる。
触れた手の温度が、少しだけ残る。
夜はまだ、終わらない。
いいね、ここでさらに距離近づけよ。
触れ合いエリアを出ようとしたとき。
スタッフ「もうすぐ餌やり体験始まりますよ」
慎太郎「やる!!」
即答。
風磨「お前絶対言うと思った」
〇〇「やりたい」
廉「やろやろ」
北斗も頷く。
小さなバケツを渡される。
中には小魚。
ペンギンへの餌やり。
スタッフ「指ごといかれないように気をつけてくださいね」
〇〇「怖」
廉「大丈夫やって」
〇〇が手を伸ばす。
少し震えてる。
廉が横からそっと手首を支える。
廉「ほら、上から」
ペンギンが勢いよくパクッ。
〇〇「わっ!」
体がびくっとして、廉の腕を掴む。
廉「はは、びびりすぎや」
〇〇「急にくるんだもん!」
北斗はその様子を見てる。
視線が少し低くなる。
次は北斗の番。
北斗は迷いなく餌を差し出す。
ペンギンが飛びつく。
北斗「ほら」
〇〇「すご」
北斗「こんくらい平気」
少しドヤ顔。
〇〇は笑う。
その笑顔を見ると、さっきのもやもやが少し薄れる。
次はカワウソ。
小さな柵越しにトングで餌をあげる。
〇〇「可愛い」
廉「目合ってるやん」
〇〇「ほんとだ」
北斗は〇〇の横に立つ。
「食べさせたら?」
〇〇「どうやるの?」
北斗は後ろから手を重ねる。
トングを持つ〇〇の手の上に、自分の手。
距離が一気に縮まる。
北斗「こう」
カワウソがぱくっと取る。
〇〇「すごい!」
振り返った瞬間、顔が近い。
一瞬、止まる空気。
廉がその光景を見る。
目が細くなる。
廉「次、俺もやるわ」
少し強めの声。
〇〇は何も気づかない。
「うん」
慎太郎ははしゃいでる。
風磨は動画を撮ってる。
樹は静かに全体を見てる。
餌やりが終わる。
手を洗いながら。
〇〇「今日一日ずっと楽しい」
廉「せやな」
北斗「満足?」
〇〇「うん!」
素直な笑顔。
夜の館内は少し静か。
照明も落ち着いている。
楽しい時間は、確実に終わりに近づいてる。
でも。
廉も北斗も、
このまま終わらせたくないと思っている。
〇〇だけがまだ、
その意味を知らない。
ーーー
閉館アナウンスが流れる。
スタッフ「本日はご来館ありがとうございました」
慎太郎「もうそんな時間?」
風磨「はや」
外へ出る。
扉が開いた瞬間、夜風。
目の前にはライトアップされた水族館。
青と白の光が建物を包んでいる。
〇〇「……きれい」
思わず足が止まる。
廉はその横顔を見る。
廉「ほんまやな」
北斗も少し後ろから見る。
ライトが〇〇の髪を照らして、少し柔らかく見える。
六人、ゆっくり歩き出す。
イルミネーションのトンネルみたいな通路。
慎太郎「写真撮ろ!」
風磨「お前さっきからそればっか」
樹「最後だし撮るか」
みんな並ぶ。
〇〇は真ん中。
右に廉。
左に北斗。
肩が少し触れそうな距離。
シャッター音。
笑い声。
でも。
〇〇の胸の奥だけ、少し重い。
(返事)
思い出す。
水族館に誘ったのも、ちゃんと考えたかったから。
廉の家に泊まった夜。
料理作って。
キスされて。
真っ直ぐな目で告白されて。
「待つ」って言った。
〇〇は少し俯く。
廉「どうしたん?」
優しい関西弁。
〇〇「ううん、なんでもない」
笑うけど、少しぎこちない。
北斗はそれに気づく。
北斗「疲れた?」
〇〇「大丈夫」
でも声が少し小さい。
ライトが揺れる。
足元に落ちる影も揺れる。
〇〇の頭の中。
(廉のこと、どう思ってる?)
好き。
でも。
(北斗は?)
仲間。
大事な人。
でも。
今日、何度も守られて。
距離が近くて。
背中濡らしてまで庇ってくれて。
胸が少しだけざわつく。
(違うよね)
自分に言い聞かせる。
前を歩く慎太郎と風磨の笑い声。
少し離れて歩く樹。
両隣に、廉と北斗。
こんなに近いのに、
心はぐちゃぐちゃ。
廉は横目で〇〇を見る。
廉(考えてるよな)
北斗も見る。
北斗(返事のことだろ)
誰も口には出さない。
夜の光だけが、静かに三人を照らしていた。
出口が近づく。
〇〇は小さく息を吐く。
(ちゃんと、決めなきゃ)
楽しかった今日が終わる。
その先にある答えを、
もう逃げられないと分かっている。
夜の水族館前。
ライトアップの青が、静かに揺れている。
もう客はいない。
〇〇「待って言いたいことがある」
〇〇は廉の前に立ったまま、ぎゅっと拳を握る。
〇〇「……待ってって言ったの、ちゃんと返事するため」
声は震えてるけど、目は逸らさない。
廉「うん」
関西弁がやわらかい。
〇〇「この前泊まった日から、ずっと考えてた」
「あの時、好きって言われて、キスされて」
少し頬が熱くなる。
「嬉しかった」
廉の喉が小さく動く。
〇〇「でもね、怖かった」
正直な声。
「仲間のままの方が楽なんじゃないかって」
「失うのが怖くて」
風磨たちは黙って見守る。
北斗も、何も言わない。
〇〇「今日一日、廉と並んで歩いて」
「笑って、手が触れて」
胸に手を当てる。
「ちゃんと、ドキドキしてた」
廉の目が大きくなる。
〇〇「安心だけじゃなかった」
「ちゃんと、好きだった」
夜風が吹く。
〇〇は一歩近づく。
「でもね」
廉の表情が少し固くなる。
〇〇「他の人のことが一瞬でも頭をよぎった自分が嫌で」
北斗の心臓が強く鳴る。
〇〇「それも含めて、ちゃんと考えた」
まっすぐ廉を見る。
「比べたくなかった」
「でも比べて分かった」
深呼吸。
「私が一緒にいたいのは、廉」
静寂。
〇〇「廉のことが好き」
はっきり。
「恋として、好き」
涙がこぼれる。
「待たせてごめん」
廉は数秒動かない。
そして。
廉「……ほんま?」
声がかすれる。
〇〇「うん」
廉が一歩近づく。
「俺、振られる覚悟してたんやけど」
少し笑う。
目が潤んでる。
〇〇「しないよ」
廉「ええの?」
〇〇「うん」
「廉とちゃんと向き合いたい」
「逃げない」
廉の顔が崩れる。
安心したように、深く息を吐く。
廉「好きや」
改めて、まっすぐ。
廉「付き合ってくれる?」
〇〇は涙を拭いて、笑う。
〇〇「うん!」
小さく、でも強く頷く。
廉がそっと手を握る。
今度は恋人として。
廉「もう待たんでええんやな」
〇〇「待たせない」
廉は嬉しそうに笑う。
その少し後ろ。
北斗は静かに目を閉じる。
一瞬だけ、拳を握る。
でもすぐに力を抜く。
(〇〇が選んだなら)
顔を上げる。
「おめでと」
少しだけ無理した声。
〇〇は振り返る。
「ありがとう」
何も知らない笑顔。
風磨が空気を変えるように言う。
風磨「やっとかよ」
慎太郎「長かったな!」
樹「めでたい日だな」
夜の水族館前。
ライトが二人を照らす。
廉は〇〇の手をぎゅっと握る。
〇〇も握り返す。
一つの迷いが終わって、
一つの恋が、ちゃんと始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
北斗side
玄関のドアを閉めた瞬間、家の中がやけに静かに感じた。
靴を脱ぐ音がやけに大きい。
リビングの電気をつける。
さっきまでの笑い声が、嘘みたいだ。
ソファに倒れ込む。
天井を見上げる。
……付き合ったんだよな。
廉と。
目を閉じると、夜の水族館前の光景がそのまま浮かぶ。
〇〇が廉の前に立って。
震えながら、それでも逃げずに言葉を選んで。
「恋として、好き」
あの一言。
胸の奥が、じわっと痛む。
分かってた。
覚悟もしてた。
それでも、実際に聞くとこんなにくるんだな。
小さく笑う。
「ださ」
自分に言う。
今日一日、何回もチャンスあった。
イルカショーのとき。
水をかぶって背中が冷たくなった瞬間。
服を買いに行ったとき。
カフェで隣に座ったとき。
言えたかもしれない。
でも、言わなかった。
廉が本気なの、知ってたから。
〇〇が真剣に考えてるのも分かってたから。
仲間を壊したくなかった。
……結果、壊れたのは自分のほうか。
スマホが震える。
画面を見る。
風磨。
少し迷ってから出る。
北斗「なに」
風磨「大丈夫か」
短い一言。
北斗「なにが」
風磨「強がんな」
沈黙。
北斗はソファに深く沈む。
北斗「……大丈夫」
少し間を置く。
「〇〇が選んだなら、それでいい」
風磨「好きだったろ」
図星。
北斗「うん」
否定しない。
「ずっと好きだった」
口に出すと、少し楽になる。
風磨「言わなくてよかったのか」
北斗は天井を見る。
言わなかった自分。
言えなかった自分。
北斗「言ったら、〇〇困っただろ」
「今日のあいつ、真剣だった」
風磨が小さく息を吐く。
風磨「お前ほんと損するタイプ」
北斗「知ってる」
少し笑う。
通話を切る。
静かな部屋。
立ち上がって、キッチンへ行く。
冷蔵庫から水を出す。
背中がまだ少し冷える気がする。
イルカショーの水。
〇〇が「服買おう」って言ってくれた顔。
あの時、少しだけ期待した。
もしかしたら、って。
グラスを強く握る。
でも。
最後に廉と手を繋いだ〇〇の顔。
あれは、本気だった。
嫉妬よりも先に思ったのは、
ああ、あいつ幸せそうだな、って。
悔しい。
でも。
好きな人が幸せなら、それでいいなんて、
そんな綺麗な人間じゃない。
それでも。
「応援するしかないか」
小さく呟く。
ソファに戻る。
スマホを手に取る。
〇〇からメッセージ。
“今日はありがとう。ちゃんと話せてよかった。”
少しだけ胸が痛む。
北斗は数秒考えて、返信する。
“おめでとう”
それだけ。
送信ボタンを押す。
既読がすぐにつく。
“ありがとう”
シンプルな返事。
北斗はスマホを置く。
目を閉じる。
好きだった。
今も、好きだ。
でも。
今日で一区切り。
仲間として、そばにいる。
それが自分の役目。
そう言い聞かせながら、
北斗は静かに、長い夜に沈んでいった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇〇side
その後
合同収録の日。
タイムレスの楽屋。
菊池、佐藤、松島、橋本、篠塚、寺西、猪俣、原、そして〇〇。
そして今日は、風磨も同じ現場に入っている。
〇〇「ちょっといい?」
その一言で、空気が少し締まる。
猪俣「なに、改まって」
〇〇は楽屋の真ん中に立つ。
深呼吸。
〇〇「この前の水族館で、ちゃんと返事した」
そうちゃんが静かに察する。
勝利も目を細める。
〇〇「廉と、付き合うことになりました」
一瞬、楽屋が止まる。
原「え!?!?」
猪俣「まじ!?」
橋本「うわ、ついに!?」
篠塚が口を押さえる。
てらは小さく「そっか」と呟く。
風磨は腕を組んだまま〇〇を見る。
風磨「覚悟決めたんだな」
〇〇「うん」
その横で、風磨は驚かない。
あの水族館に、最初から最後までいたから。
〇〇が震えながら「待って」って言った瞬間も。
一回、わざと振る空気を出して場を凍らせたことも。
最後にちゃんと廉に向かって「恋として好き」って言ったことも。
全部、見てる。
原ちゃんが気づく。
原「あれ?風磨リアクション薄くない?」
菊池「そりゃな」
壁にもたれたまま。
菊池「全部見てたし」
楽屋がざわつく。
橋本「え、あの場いたの!?」
猪俣「結末も知ってたの!?」
菊池「知ってる」
〇〇が少しだけ照れた顔をする。
風磨はゆっくり〇〇を見る。
菊池「一回、振る空気出したよな」
原「え!?振ったの!?」
〇〇「違うから!」
顔が赤い。
菊池が笑う。
佐藤「何それ、心臓に悪い」
風磨は少し真顔になる。
菊池「でも、最後は逃げなかった」
〇〇を見る。
「ちゃんと自分で決めた顔してた」
楽屋が静かになる。
〇〇「決めたよ」
風磨「迷いは?」
〇〇「ない」
あの夜と同じ答え。
風磨は小さく頷く。
菊池「ならいい」
それだけ。
松島が優しく言う。
松島「幸せならそれでいいよ」
寺西「ちゃんと大事にされろよ」
風磨は最後に一歩近づく。
小声で。
菊池「泣きながら好きって言ってたくせに」
〇〇の目が一瞬揺れる。
〇〇「言うな」
風磨は小さく笑う。
菊池「まあいい」
少しだけ真面目な顔に戻る。
「覚悟、途中で揺らぐなよ」
〇〇はまっすぐ頷く。
「揺らがない」
菊池「なら大丈夫だな」
肩をぽん、と叩く。
それは全部見届けた人間の確認。
菊池が手を叩く。
菊池「はい、報告終わり。仕事行くぞ」
原「切り替え早っ!」
楽屋はいつもの空気に戻る。
でも風磨だけは知っている。
あの夜の〇〇の震えも、
涙も、
覚悟も。
風磨は最後に一言だけ。
風磨「ちゃんと幸せになれよ」
〇〇は静かに笑って頷く。
「うん」
タイムレスは、今日も変わらず動き出す。
ーーーーーーーーーー
SixTONES 楽屋
(収録前。楽屋。北斗はソファの端に座っている。静か。)
ジェシー「北斗、今日テンション低くない?」
北斗「普通だけど?」
きょも「……なんかあった?」
北斗「なんもないって」
(樹と慎太郎が目を合わせる)
ジェシー「え、なになに?俺ら知らないやつ?」
樹「……水族館」
ジェシー「は?」
きょも「この前の、みんなで行ったやつ?」
慎太郎「夜のライトアップのとこでさ」
樹「〇〇、ちゃんと返事した」
きょも「……え」
高地「え!!」
慎太郎「廉に」
(空気が止まる)
ジェシー「マジで?」
樹「マジ」
きょも「北斗……」
北斗「なに」
慎太郎「一回さ、振る感じ出したんだよ」
ジェシー「は!?なにそれ」
樹「空気、凍った」
慎太郎「でも泣きそうになりながら、“恋として好き”って言った」
きょも「ちゃんと……言ったんだ」
樹「逃げなかった」
(沈黙)
ジェシー「で、付き合ったってこと?」
樹「そう」
きょも「……言わなかったの?」
北斗「言わなかった」
きょも「なんで」
北斗「困るだろ」
ジェシー「優しすぎなんだよ」
北斗「違う」
慎太郎「じゃあ何」
北斗「怖かっただけ」
(静まる)
樹「昨日さ、“おめでとう”って送ったろ」
北斗「……うん」
慎太郎「既読速かったな」
北斗「見てたのかよ」
ジェシー「俺ら仲間だから」
きょも「今日の北斗、ちゃんと北斗だよ」
北斗「は?」
きょも「無理してない。逃げてない」
樹「応援するなら、ちゃんと応援しろよ」
北斗「……応援する」
慎太郎「無理すんなよ」
ジェシー「泣きたくなったら俺の肩貸すぞ」
北斗「いらねぇ」
きょも「俺は味方だから」
北斗「知ってる」
(外からスタッフの声)
スタッフ「本番5分前でーす!」
北斗「行こ」
ジェシー「ちゃんと笑えよ?」
北斗「仕事だから」
(立ち上がる。少しだけ深呼吸。)
北斗「……行くぞ」
ーーーー
(カメラ回る)
MC「今日もSixTONESのみなさん元気ですね!」
ジェシー「もちろんでーす!」
慎太郎「今日テンション高いよな!」
きょも「北斗どうした、静かだぞ?」
(軽い笑いの流れ)
北斗「いや、今日めちゃくちゃ喋るつもりなんだけど?」
会場 笑い
ジェシー「嘘つけ!」
北斗「いやほんと。今日俺が回すから」
樹「無理すんなって」
北斗「無理してないって」
(クイズコーナー)
MC「負けたチーム罰ゲームです!」
ジェシー「北斗やれよ!」
北斗「なんで俺」
きょも「今日テンション高いんでしょ?」
北斗「やるよ」
即答。
いつもなら一回嫌がる。
今日は違う。
罰ゲームを全力でやる。
変顔。
全力リアクション。
スタジオ大爆笑。
MC「松村さん今日キレキレですね!」
北斗「絶好調です」
笑顔。
完璧。
収録終了。
「お疲れさまでしたー!」
拍手。
カメラ止まる。
その瞬間。
北斗、無言でペットボトルを開ける。
ぐっと飲む。
誰も触れない。
ジェシー「……今日すごかったな」
北斗「仕事だから」
慎太郎「楽しかった?」
北斗「楽しいよ」
きょも「ほんとに?」
北斗、少しだけ間。
北斗「……楽しいってことにしといて」
小さく笑う。
樹が立ち上がる。
樹「帰るぞ」
北斗「うん」
歩き出す背中。
さっきまでのキラキラはない。
慎太郎がぽつり。
慎太郎「完璧すぎんだよな…」
ジェシー「逆に心配」
きょも「北斗はさ」
小さく言う。
「自分より周り優先するから」
楽屋のドアが閉まる。
北斗の背中は、最後までまっすぐだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〇〇side
今日は、スタジオ収録。
突然ですが占ってもいいですか?
廉とは付き合って2週間。
ーーーーーー
映画『消えてゆく君のために、僕は笑っていよう』
公開3ヶ月、150億突破。
並んで座る〇〇と廉。
自然体。いつもの空気。
星ひとみが〇〇の手を見る。
星ひとみ「うわ、分かりやすい」
〇〇「え、なにがですか?」
星ひとみ「天然。ほんとに天然」
スタジオ笑い。
星ひとみ「計算ゼロ。仕事中も素でしょ」
〇〇「はい、切り替え下手で…」
廉「下手というか、してないよね」
〇〇「え?」
星ひとみ「でもこの天然、防御力低い」
笑いが止まる。
星ひとみ「めちゃくちゃ傷つく人」
〇〇の表情が少し変わる。
星ひとみ「現場の空気、ネットの言葉、
全部ちゃんと受け止めちゃう」
〇〇「……はい」
星ひとみ「しかも落ちると深い」
廉が横目で見る。
星ひとみ「でもあなた、異常にポジティブ」
スタジオ笑い。
星ひとみ「寝たら切り替わる」
廉、思わず笑う。
廉「それは本当にそうです」
〇〇「ちょっと!」
星ひとみ「忘れてるんじゃないの。
“前向きで上書きしてる”」
空気がやわらぐ。
星ひとみ「国民的女優になるまでね、
“明るい子”を全力でやり続けた」
〇〇、静かに聞く。
星ひとみ「10代後半。大きな壁」
〇〇「主演のとき…」
星ひとみ「そう。“失敗できない”恐怖」
スタジオが静まる。
星ひとみ「でもあなた、弱音を言う相手いなかった」
〇〇の目が揺れる。
星ひとみ「寂しがり屋なのに、“迷惑かけたくない”って我慢」
涙がにじむ。
星ひとみ「でも今年は違う」
空気が変わる。
星ひとみ「“縁”が動く年」
スタジオざわつく。
星ひとみ「恋愛運、急上昇」
廉が無意識に姿勢を正す。
星ひとみ「あなたね、
強い人より“待てる人”に縁がある」
〇〇、瞬きが止まる。
星ひとみ「追われるより、
隣で静かに立ってる人」
廉は表情を変えない。
でも指先がわずかに動く。
星ひとみ「すでにご縁はある。
今年、その縁が形になる可能性」
直接は言わない。
でも空気が甘くなる。
星ひとみ「ただし――」
声が少し低くなる。
星ひとみ「あなたの周りに、“想いを飲み込んだ人”がいる」
沈黙。
廉の呼吸が浅くなる。
星ひとみ「優しい人。自分からは壊さない」
〇〇の胸がぎゅっと締まる。
星ひとみ「あなた、その人の気持ち薄々分かってる」
〇〇、目を伏せる。
星ひとみ「だから簡単に幸せになれない」
スタジオがざわつく。
星ひとみ「でも今年は“逃げない年”」
〇〇、ゆっくり頷く。
星ひとみ「この恋はね、
公にできない葛藤もある」
ハラハラ。
星ひとみ「立場、人気、仕事」
廉の喉が動く。
星ひとみ「でも相性はかなり良い」
ここも断言しない。
星ひとみ「黙って守るタイプ同士。だから“言葉”が鍵」
ドキドキが走る。
星ひとみ「3年以内に大きな選択」
スタジオ「えー!」
星ひとみ「別れじゃない。“覚悟を試される出来事”」
〇〇の目が真剣になる。
星ひとみ「あなた、泣き虫だから」
笑いが戻る。
星ひとみ「でもね。泣いても次の日“まあいっか!”って言える」
廉、笑う。
〇〇「言いますね」
星ひとみ「それが最強」
最後に。
星ひとみ「国民的女優の星はまだ伸びる。
でも条件は一つ」
〇〇「なんですか?」
星ひとみ「甘えること」
静かな衝撃。
星ひとみ「一人で強くならない」
星ひとみ「じゃあ次、廉さんいきます」
廉「お願いします」
手を差し出す。
星ひとみ、見た瞬間に笑う。
星ひとみ「分かりやすい」
廉「え、何がですか?」
星ひとみ「重い」
スタジオ爆笑。
廉「えぇ?」
星ひとみ「愛情が重い。いい意味で」
〇〇、吹き出す。
星ひとみ「好きになったら長い。
簡単に諦めない」
廉、少し照れながら笑う。
星ひとみ「しかも“待てる人”」
〇〇の視線が一瞬揺れる。
星ひとみ「でもね、プライド高い」
廉「…はい」
星ひとみ「弱ってる姿、絶対見せたくない」
図星。
星ひとみ「不安症なのに、平気な顔する」
廉、無言で頷く。
星ひとみ「もし自分から告白するなら相当覚悟する」
空気が止まる。
廉、数秒沈黙。
廉「…しました」
〇〇の指先が少し動く。
星ひとみ「あなたの恋愛は“守る恋”。
奪うより、支える」
廉の目が柔らかくなる。
星ひとみ「ただし」
空気が締まる。
星ひとみ「嫉妬深い」
スタジオ「えー!」
廉「いやいやいや」
星ひとみ「出さないだけ」
〇〇、思わず廉を見る。
星ひとみ「本当は気にする。
過去も、周りも」
静かな沈黙。
星ひとみ「あなたね、
“自分より相手の未来”を優先する」
廉の喉が鳴る。
星ひとみ「だから身を引くこともできる人」
〇〇の胸がざわつく。
星ひとみ「でも今年は違う」
廉、顔を上げる。
星ひとみ「“掴む年”」
スタジオざわつく。
星ひとみ「仕事運、爆発。責任も増える」
廉、真剣に聞く。
星ひとみ「でも恋愛も動く。止まらない」
言い切らない。
でも強い。
星ひとみ「相手が泣き虫だと、あなたは余計強くなる」
〇〇、視線を逸らす。
星ひとみ「でも気をつけて」
廉「何をですか?」
星ひとみ「我慢しすぎ」
沈黙。
星ひとみ「言葉にしないと、ある日一気に爆発する」
ハラハラ。
星ひとみ「3年以内、大きな試練」
スタジオどよめき。
星ひとみ「こっちも別れの相じゃない。“覚悟の相”」
廉、深く息を吸う。
星ひとみ「あなたが本音を言えたら、長い」
〇〇がそっと廉を見る。
星ひとみ「あとね」
少し柔らかく。
星ひとみ「あなたの横にいる人、すごくポジティブ」
スタジオ笑い。
星ひとみ「落ち込んでも寝たら回復」
廉、吹き出す。
廉「それは本当に」
〇〇「ちょっと!」
星ひとみ「その人がいる限り、あなたは折れない」
空気があたたかくなる。
星ひとみ「ただ」
声が少し低くなる。
星ひとみ「その人の周りの“優しい未練”に、
あなたは少し苦しむ」
廉、瞬きが止まる。
星ひとみ「でも争う星じゃない。
乗り越える星」
静かな安心。
星ひとみ「最後に」
廉を真っ直ぐ見る。
星ひとみ「あなた、結婚運強い」
スタジオ悲鳴。
廉、固まる。
星ひとみ「30代前半、大きな決断」
ドキドキが走る。
星ひとみ「そのとき隣にいる人は、
“あなたを笑わせる人”」
直接は言わない。
でも十分。
収録終了。
廉は静かに手を下ろす。
〇〇は少しだけ目を赤くして笑っている。
言葉は少ない。
でも。
2人の間の空気は、確実に変わっている。
放送後はXで話題に。まるで2人が
付き合ってる
みたいだと。