夜。
魔法を使ってみよう。えーっと、魔法書には、
『魔法は、言葉を発することで発動します。ただし、1回目に限り、前言が必要となります。』
え?前言?なにそれ。発動条件的なものかな?言葉を発すると発動か~。…魔言葉って呼ぼ。ページをめくると、お、これは暗視かな。前言は…なにこの厨ニっぽい奴。ちょっと…これは…。ま、まぁ、仕方無いかな?言ってみよ。使えるか気になるし。
「夜の闇の目、今、解き放たれし時。dark eye(闇夜目)」
ワァ、明るく見える~。…恥ず…。でも、発動できたから、良かった。常時発動みたいだから、大丈夫だろう。って、闇夜目?漢字表記おかしくない?これで良いのかな…。ま、いいか。よし、次。
攻撃系かな。遠距離系っぽい。
「空に輝く星々よ。形を変え、我に力を授けよ。meteora(流星)。」
シンプル~。英語だからカッコいいって概念は捨てた方が良さそう。普通にカッコ悪。でも、自分の周りに星があるって、良い…かも?そして、これには派生魔法があって。派生魔法は、前言がいらないみたい。良かった~。
「meteorite detonation(隕爆)」
上に飛んでった。相手の頭上から落下して、爆発するみたい。強くない?大量の敵を一網打尽にできるってことでしょ?強くない?でも、落下までの時間で、避けられることもありそう…。次の派生魔法。
「流星。break stir(壊星)」
正面に飛んでいくみたい。なんで壊れる星なのか分からないけど。実戦で使え…あ、魔言葉を覚えないと…。ヤバい。
あれ?こんな場所に人がいる。こっちに歩いて来てる。
「誰!」
「怪しい者じゃないよ~。」
「そうやって言う人ほど怪しい。」
「話ぐらい聞いてよね。夜の魔法使いさん。」
「なんで…私の…」
「私は、日向。昼の魔法使い。」
「私は夜月。昼って…。」
「簡単に言うと、夜と対称になる魔法。」
「そりゃあ、ね。強いんでしょ?」
「もちろん!…話が変わるけど、君は、帰る場所って…。」
「あ…ない…。」
「私の家に来なよ。」
「どう…しようかな…。」
確かに、私に帰る場所がない。野宿は…大変そう。だったら…。
「行こうかな…。」
「それじゃ、ついてきて。」
私は、彼女についていった。でも、違和感がある。彼女は、現実の親友と似てるのだ。ほぼ同じ。なんでだろうか。そのうち、分かるだろう。
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