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こんにちは楓愛です!
溜め書きしてないから大変すぎる…
頑張ります💪
では本編どうぞ!
愛玩標本
第14話「囚われの意思」
スタート
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⚠️この作品はご本人様に一切関係ありません⚠️
◆静かすぎる夜
その夜の葛葉は、異様なほど静かだった。
笑わない。不破ともイブラヒムとも目を合わせない。
ただ、じっとローレンを見つめていた。
まるで――獲物を見定める獣のように。
「……お前、またあいつに会ったな?」
その声には熱がなかった。
淡々としていて、かえって恐ろしかった。
ローレンは、言葉を詰まらせたまま、視線を逸らす。
――それが、答えだった。
(なあ、ローレン)
葛葉はゆっくりと近づいてくる。
その瞳が赤く染まり、笑みが浮かぶ。
(俺さ。ずっと我慢してたんだよ?
“人間”のふりして、優しくして、待ってやって……)
くつくつと喉を鳴らして笑った後、囁くように告げる。
(でも、もう限界)
瞬間、葛葉の目が紅に染まり、牙が唇の端から覗いた。
(吸いたいのは……お前の“血”だけじゃねぇんだよ)
ローレンが息を呑む。
だが葛葉はローレンではなく、ある“別の対象”に目を向けていた。
その翌日。
ローレンと叶が、偶然を装って街で再会する。
《また会えてよかった。……この前のこと、考えてくれた?》
叶の声は変わらず優しくて、何より心地よかった。
《もし君が本当に“助けて”って思ったら、俺……全部受け止めるから》
その言葉を聞いた瞬間、後ろから冷たい風が吹き抜けた。
(はーい、“救世主さん”ご登場ってか?)
不意に現れた葛葉が、笑って立っていた。
だがその笑顔は、明らかに“何か”が外れていた。
(叶ってさ、お前ローレンに何してんの?
まさか、“返せ”とか思ってんの?)
《返せも何も……彼が苦しんでるから、手を差し伸べただけで――》
(へぇ。じゃあ、お前が欲しいってこと?)
葛葉はその言葉を遮るように詰め寄る。
(いいじゃん。
なら、“お前も俺のモノ”にしてやるよ)
《……は?》
次の瞬間――
葛葉の牙が叶の首筋に突き立った。
《っ――あ……!?》
叶の瞳が大きく見開かれる。
温かい血の匂いが空気を満たしていく。
《っ……な、に……っ……お前……なにを――》
(全部、俺のモノにすりゃ問題ねぇだろ?)
笑う葛葉。
その腕の中で、叶はふらふらと意識を失いかけながらも、ローレンの名前を呼んだ。
《……ローレン……に、だけは……近づかないで……》
(無理だよ。だってローレンも、お前も――俺だけのものになるんだから)
葛葉は、血に濡れた口元で微笑む。
(なあローレン、見てただろ?
誰にも渡さねぇ。
お前が逃げるなら、お前の世界ごと、俺が囲ってやるよ)
恐怖と興奮が混ざった表情のまま、ローレンは言葉を失っていた。
――叶の優しさが欲しかった。
――でもそれすらも、彼らの狂愛の檻に閉じ込められていく。
そしてその中心で、ローレンの心は、
救いを求めながらも、狂気に惹かれはじめていた――
🔻To Be Continued…
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第14話をご覧いただきありがとうございます!
実は次でこの作品最終話で…🥲
番外編とかももちろん考えてます!
でもとりあえずは別作品をまずは投稿しようかなとか思ってます!
リクエスト受付中です!
沢山のコメント待ってます😊
次回
第15話「籠のなか、愛の中」最終話