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深夜2時30分に汗だくで目を覚ましたのは17歳の少年林田 かい(はやしだ かい)
またあの夢か…..
小さい頃からよく見る夢だ、なんの夢だかさっぱり分からない。と言いたいところなんだけど…..心当たりがありすぎる。
今から僕は衝撃的なことを言うかもしれないけど
僕は母親の顔を知らない。目が見えないとか、物心つく前に死んでしまったとか、そういうのでもない。僕は目はいい方だし、母親はバッチリ存在している。
でも、見たことがないんだ。
なぜかって?僕が知りたいよ。母親とはほぼ毎日会っているのに、それなのに僕は顔を見た事がない。
僕が顔を見ようとすると、ちょうど母親が僕に背中を向ける。僕が母親を振り向かせようとすると、たまたまちょっとした事件が起こって顔を見てられる状況じゃなくなる。母親が寝ている間に顔を見ようとすると、だいたいどこかに足をぶつける。注意してるんだけどね
そう、僕が顔を見ようとすれば、「偶然」顔が見られなくなる。これってすごくおかしい。僕が母親の顔を見たことがないなんて誰にも言ってないし、誰も信じないだろう。本人に言えば、僕に顔を無理やり見せようとして、大惨事になるに違いない。その時はちょっとした事件じゃ済まないよ。
まあ、こういう理由であんな夢を見るんだと思う。でも、『僕の顔って』このセリフはなんなんだろう?ただの夢だし、考えても仕方ないんだけど。
うん、でも、不思議なこともあるんだ、僕はこの17年間1度も母さんの顔を見たことないはずなんだけど、何だかついこの前まで見れていた気もする。かと言って顔が思い出せる訳でもない。これと関係あるのか分からないけど、僕は小さい頃の記憶がほとんどない。これもおかしな話だ、しっかりした記憶があるのはこの2年ほどだけ
とはいえ、僕はこのことをすんなり受け入れている。そりゃ母親の顔を見た事ないのはおかしな事なんだって分かってからは何度も無理やり見ようとしたよ、でも無理だった。
困ることも沢山ある。母さんの容姿を説明しろって言われたって見たことないし、似顔絵だって描けるわけない。外出した時は服が目印だからよく人を間違えるし…..でも、17歳までこんな生活をしてきた(あまり記憶が無いので多分だけど)のでもう慣れっこだ。こんな風に目覚めの悪い夢を見るのは嫌だけどね。
ああ、2時半か、明日も学校だし、寝よう