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紅葉@物語作成中
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柘榴とAI

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「あれ?」
私は入り口で足を止めた。この教室だけ他と様子が違う。折り紙と色とりどりのモールが、教室全体を彩っている。
生徒用の机と椅子は全て後ろに寄せられて、教室の前方に空間ができていた。まるで小学生のお誕生会かお別れ会みたい。楽しげな雰囲気とは反対に、教室内はひっそりとしていた。
黒板の真ん中には、赤い濡れた字で「おかえり 僕らのアリス」と書かれている。まるでたった今、書かれたかのように生々しい。
「アリス……」
黒板を見上げて呟いた。なんだか今日はよく聞く名前だ。
その黒板の手前、教壇の上には少し大きめのバスケットが置いてあった。近寄ってみると、バスケットの上には「私を食べて」と書かれた紙が置いてある。なんだろう、食べ物が入ってるのかな。
私は何の気なく、それを開けた。
「!!」
中に入っていたのは、肘から切断された白い腕だ。私は廊下を一目散に駆け戻った。
息が切れて、ようやく走るのをやめる。止まると急に足が震えてきて、そのまま廊下にへたり込んだ。さっきの何? 人の……子供の腕に見えた。切断面についてたのは赤い血……?
吐き気が込み上げてきた私は、口を押さえる。まさか、そんな。
「廊下は走らないんだよ、アリス」
「きゃぁっ」
突然の声に、私は飛び上がった。でも誰もいない。
「こっちだよ」
声は上から降ってきた。慌てて見上げると、廊下の掃除用具入れの上に人が蹲っている。それは、さっき実習室で会った黒色フードの男の人だった。確か、チェシャ猫とか名乗ってた変な人だ。
私は唖然として男を見上げた。掃除用具入れと天井の隙間はわずかしかない。男はそこに体を縮こませて乗っかっている。
「そんなとこで……何してるんですか……」
怪しすぎて、思わず力が抜けてしまった。すると男はニンマリ笑顔のまま、音もなくするりと飛び降りてくる。
「どうしたんだい、アリス。お腹が空いたのかい?」
「す、空いてないです! あの、あっちに人の腕が……!! どうしよう。そうだ、警察に110番しないと……!」
座り込んだまま慌てふためく私とは裏腹に、彼は全く動じた様子を見せない。ただニンマリ笑顔で、私を見下ろしている。
「…………」
ゴクリと唾を飲み込んだ。落ち着いて。ここはちゃんと話してみよう。そうよ。相互理解への第一歩は、話し合いだ!
「あの……あのですね。私の話、聞いてました?」
「もちろんだよ。アリスの声はどこにいても聞こえるよ」
「…………」
胡散臭い……。
「じゃ、じゃあ……どうしたらいいでしょう……あんな……」
「シロウサギを追いかければいいんだよ」
「ウサギ!?」
な、なんでここでウサギが出てくるの!?
「さあ、行こう」
「そ、それどころじゃないでしょ!? 今はウサギがどうとか言ってる場合じゃないでしょう!?」
でもチェシャ猫さんは笑ったままで、ピクリとも表情を崩さない。私は急に不安になって、矢継ぎ早に質問を繰り出した。
「ねえ、どうして誰もいないの? 何があったの? あなたは知っていますか?」
にやけた顔のまま、男は何も答えてくれない。もどかしさが次第に私を苛立たせた。
「どうして廊下が伸びてるの? どうしてドアがあんなにちっちゃいの!? あんなのどうやって通れって言うの!?」
ほとんど八つ当たりだ。でも意外なことにチェシャ猫さんは、最後の質問だけに反応する。
「小さいドアが通りたいんだね」
納得したように頷く。
「いや、そういうわけじゃなくて帰りた」
「おいで」
人の話を最後まで聞かず、彼は滑るように歩き出した。
「え、ええ? ちょ、ちょっと待ってくださいっ。ねえ!」
結局……置いていかれるのが怖くて着いてきちゃったけど、よかったのかなぁ……。
私は前を歩く黒色の背中をじいっと見つめる。絶対変……。チェシャ猫って名乗るのも怪しいけど、格好も怪しいったらない。漫画とか映画以外で、こんなローブ着てる人見たことない……いいのかなあ。このままついていって……。
急に怖くなった。
「クク」
「!?」
小さな笑い声に足が止まった。前を見ると、灰色の背中がかすかに揺れている。
「ククク」
楽しげな含み笑い。
「あ……あの……チェシャ猫……さん?」
私は恐る恐る前の男に声をかけた。
「これで全てが揃った」
彼は私に背中を向けたまま、歌うように告げる。
「なんの……話……?」
不穏な空気に、私は一歩後ずさった。
「ククク」
ゆっくりとチェシャ猫が振り返った。その手には、血まみれのナイフが握られている。
「お前が最後のイケニエだ!!」
「!!」
ボフっとチェシャ猫の背中に顔面を突っ込んで、私は立ち止まった。いけない、いけない。変な想像をしちゃった。
「ご、ごめんなさい」
謝りながら顔を上げると、そこはあの飾りつけられた教室の前だった。中には私が放り出した子供の腕があるはずだ。
中に入ろうとするチェシャ猫の服を、慌てて掴んだ。
「だ、だめだよ。入らないほうがいいです! だって腕が……!」
「大丈夫だよ、アリス」
のんびりと彼は返す。
「だからアリスじゃないの! ねえってば!!」
私の制止を聞かず、チェシャ猫はするりと教室に入ってしまった。入り口で回れ右をする。無理。絶対無理。もう絶対見たくないあんなの……思い出しただけで吐き気がする。心からそう思ってるのに、どうして本物を目の前に突きつけなきゃならないんだろう。
「!!」
逃げ出そうとする私の試みは終わった。チェシャ猫が私の腕を掴んでいたからだ。
コメント
1件
えぇ〜!?めっちゃ不気味で面白い!!😭💕 教室に飾られた折り紙とモールって一見かわいいのに、黒板の血文字とバスケットの中身で一気にホラーになるのずるすぎる…! しかも「お前が最後のイケニエだ!!」って想像シーン、現実と妄想の境目があやふやになるところがエモすぎて鳥肌立ったよ…! チェシャ猫の胡散臭さと主人公の「ついていっちゃう」心理、めっちゃ共感できる…怖いのに続きが気になりすぎる!!🔥