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《???》
……。
…黒いワゴン車から『それ』を下ろした。
そっと頰を撫ぜると、ぴくぴくと瞼を小刻みに動かして…今にも起きそうなようだ。
起きないうちに、俺は
それを玄関…そして風呂場に詰め込んで水をかけた。
驚いた顔で…ゆっくり瞼を開けた。
冷たい水をかけられた衝撃といきなりされたことへの驚きで咳き込むしかできないそれの鳩尾を思い切り蹴り上げると、汚らしい痰を吐き蹲った。
汚い。汚い。
念の為靴を履いたまま風呂場に入って正解だった。革靴を汚されて心底不快だが、吐かなくなるほど蹴ればいいだけだ。
…何度も、何度も蹴り上げる。
腹も顎も鳩尾も、赤黒く染まるほどに蹴り続けると…それは失神した。
俺よりも幸せになってはいけない。
あんなに生き生きとしていてはいけない。
常に偽り、隠し、逃げるような奴が…
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