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俺の幼馴染が屑な話

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俺の幼馴染が屑な話

23 - ずっと夢見たふたりなら

♥

25

2026年02月20日

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屋上のあの日から。及川徹 は、ちゃんと“引いた”。

必要な会話しかしない。

「トス上げるよ」

「ナイス」

それだけ。

笑う。

でも、目が合わない。

女子とも距離を取る。

誰にも近づかない。

軽くもならない。

完璧に、静か。

岩泉のほうが壊れていく。

ある日、体育館。

及川がスパイク練習で無茶をして、着地を少し崩す。

「……っ」

一瞬だけ顔をしかめる。

岩泉、反射で近づく。

「大丈夫か」

間髪入れず。

及川、少し驚く。

でもすぐ、微笑む。

「平気だよ、岩泉くん」

その呼び方。

胸が締まる。

「……くん、ってなんだよ」

「距離置いてるんでしょ?」

柔らかい声。

でも壁がある。

「俺、ちゃんと引いてるよ」

視線を逸らす。

「岩泉くんが無理って言ったから」

言ってない。

でも、言ったのと同じだ。

手を掴む。

腕。

強くない。

でも離さない。

「好きなんだろ」

低い声。

及川、止まる。

数秒。

「うん」

即答。

隠さない。

「好きだよ」

笑う。

少しだけ寂しそうに。

「でもそれだけじゃダメなんでしょ?」

刺さる。

岩泉、歯を食いしばる。

「俺も好きだ」

やっと出た本音。

及川の目が揺れる。

でも、近づかない。

「知ってる」

小さく言う。

「だから余計しんどい」

沈黙。

「俺さ」

及川が続ける。

「疑われるの怖いし、嫌われるのもっと怖い」

視線が真っ直ぐ。

「でも岩ちゃんに合わせて変わるだけの俺も、嫌なんだ」

それは本音。

「軽い男に戻るつもりはない」

はっきり。

「でも“試したくなるくらい不安になる俺”ごと、好きになってほしい」

岩泉の胸が痛む。

完璧じゃない及川。

強くて弱い。

それごと。

「……難易度高ぇな」

ぽつり。

及川、少し笑う。

「うん。俺めんどくさい」

間。

岩泉が一歩近づく。

「でも」

低い声。

「俺もめんどくせぇ」

及川、目を上げる。

岩泉の手が、ゆっくり肩に触れる。

逃げないか確認するみたいに。

「信じる努力する」

不器用。

「お前も、試すな」

及川、息を止める。

「……いいの」

「完全には無理だ」

正直。

「でも逃げねぇ」

及川の目に涙が溜まる。

でも今回は、泣き崩れない。

「俺も逃げない」

小さく頷く。

額を軽くぶつける。

「次やったら殴る」

「愛あるやつでお願い」

ちょっとだけ空気が戻る。

まだ完全じゃない。

でも、ちゃんと両想い。

不安もある。

怖さもある。

それでも、離れない選択。

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