テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
文章長めです💦
──────────────
これは、
まだ“想いを伝える前”の話。
岩本照――
俺は、深澤辰哉のことが
好きでたまらない。
💛「ふっかぁ、今日ご飯行かない?」
💜「わりぃ、ひかる。先約あってさ」
軽く流される、その一言。
――まあ、いつものことだけど。
これまで、何度もアピールしてきた。
わかりやすいくらいに。
でも――
あいつは、まったく気づかない。
天然なのか、鈍感なのか。
どっちにしても、たちが悪い。
深澤はMCを任されていることもあって、
立ち位置も少し離れていることが多い。
だからこそ――
メンバー全員が集まるときだけは、
さりげなく隣を取る。
わざとじゃないフリをして。
……なのに。
💜「ん?」
いつも通りの顔。
――ほんと、何も思ってないんだな。
小さくため息をつく。
けど、それでもいいと思ってた。
この距離にいられるなら――
それでいいって。
でも、
そんな俺に――
チャンスが、舞い込んできた。
──────────────
楽屋――
💜「今回の新曲さ、ちょっと大人っぽいよね」
いつも通りの声。
いつも通りの距離。
💛「そうだな」
俺も、何も変わらない顔で返す。
「今回の振り付けは、岩本さんにお任せしたい」
スタッフの一言で、空気が変わった。
💛「分かりました」
短く答える。
任された以上、妥協はしない。
最高のものを作る。
ふと、視線が合う。
💜「頼むよ、先生!」
深澤は、いつもの調子で親指を立てた。
柔らかい笑顔。
――その顔、ほんとずるい。
……決めた。
この想いを――
振り付けに乗せる。
頭の中では、もう構成ができ始めている。
サビ前――
一瞬、向き合う。
距離を詰める。
手を、掴む。
ここは、視線を、逸らさせないように。
その相手は――
もちろん深澤だ。
ステージの上なら、触れられる。
音楽があれば、それが理由になる。
💛(……逃げるな、俺)
あいつは、どんな顔をするだろう。
ほんの少しでも――
揺れてくれたらいい。
──────────────
リハーサル当日。
スタジオは、いつもと変わらない空気。
その中で――
俺だけが、違う。
💛「ここはカウント早めで」
💛「そのあとのステップ、もう一回」
振付師として立つ。
感情は出さない。
淡々と。
あくまで、プロとして。
深澤とも、いつも通りに言葉を交わす。
💜「先生、厳しくない?」
💛「ちゃんとついてきてくださいね?」
軽い笑いが起きる。
――でも。
本番は、ここからだ。
サビ前─────
問題の構成。
💛「ふっか……ここ、俺と向かい合って」
💜「うん」
一瞬、空気が揺れる。
距離が近い。
……いや、近すぎる。
💛「もうちょっと前」
💜「…えっ」
そして――
俺は、深澤の手を取った。
💜「……っ!」
触れた瞬間。
ビクッと小さく震えたのが伝わる。
少し、驚いた顔をしている。
💛「次はこうして、こう」
手を引きながら、動きを見せる。
丁寧に。
――必要以上に、丁寧に。
💛「ここで一瞬、目線落として」
💛「……で、もう一回、合わせる」
視線が、ぶつかる。
💜「…っ」
ほんの一瞬。
深澤の頬が、わずかに染まっている。
その変化を、岩本は見逃さない。
💛「……っ」
胸が、強く鳴る。
でも視線は逸らさない。
なのに、
先に目を逸らしたのは、深澤だった。
💛「じゃあ、一回音楽流すよ」
手をそっと離し、
何もなかったように、声を戻す。
曲が流れる。
カウントが進む。
そして――
────────触れる。
距離が、ゼロになる。
丁寧に手を掴む。
振り付け通り。
……でも、
これは、俺の意思でもある。
💜「…っ」
💜「…ひかる」
岩本は更に優しく触れる。
そのとき――
深澤の指が、わずかに力を返した。
ほんの、一瞬だけ。
💛「そう……いい感じ」
小さく笑って、深澤を見る。
深澤は何も言わない。
だが――
耳まで、真っ赤になっていた。
──────────────
リハーサルは終わった。
メンバーが、ばらばらに散っていく。
深澤は、こっちを見ないまま――
💜「……距離、近すぎません?」
ぽつりと、呟いた。
その声は小さくて。
でも、確かに揺れていた。
数週間後にある、
音楽番組。
全国放送。
その場所でも、俺は――
この手を掴む。
──────────────
音楽番組、生放送本番。
新曲、初披露。
スタンバイ位置につく。
ライトが熱い。
歓声が、遠くで揺れている。
岩本は、ゆっくりと息を整える。
イントロが流れ出す────────
完璧なフォーメーション。
息を合わせたダンス。
歌もブレない。
――Snow Manとしての顔。
一瞬たりとも、崩さない。
そして――
例の、サビ前。
心臓が、強く鳴った。
カメラが寄る。
暗転から、スポットライト。
二人の距離が、一気に縮まる。
深澤の気配が、すぐそこにある。
俺は表情を作る。
余裕を纏った目。
挑むような視線。
深澤も、同じだ。
強くて、艶のある目。
……さすがだな。
プロだ。
視線の使い方が、完璧すぎる。
一瞬――
睨むように見つめ合い。
次のカウントで、
互いにふっと、笑う。
柔らかい。
いつもの、あの笑顔。
その瞬間──────
――掴む。
振り付け通りに。
でもほんの少しだけ、強く握る。
すると――
深澤の指が、迷いなく握り返した。
💛(……っ)
カメラが抜く。
歓声が、あがる。
視線は外さない。
深澤も、逃げない。
そのまま、流れるようにフォーメーションへ戻る。
何事もなかったかのように。
曲は、ラストへ。
ポーズが決まる。
歓声、
そして拍手。
――生放送は、無事に終わった。
──────────────
楽屋へ戻る途中。
スタッフが笑う。
「今日のいわふか、最高でした!」
SNSは、すでに騒がしい。
《いわふか最高》
《これぞ、いわふか夫婦》
《ひーくん、振り付けだよね?》
《ふっかさんに対する愛が溢れすぎ》
小さく息を吐いて、画面を閉じる。
すると─────
💜「……ひかる、一緒に帰ろ」
少しだけ、照れた顔。
💛(なにその、可愛い顔…)
俺の中の想いも――
もう止まらなかった。
──────────────
帰り道――
並んで歩く、いつもの道。
隣で、深澤が落ち着かない様子で揺れている。
さっきまでの余裕は、どこにもない。
💛「……ふっか」
💜「は、はい!」
びくっと肩が跳ねる。
その反応に、少しだけ笑いそうになる。
でも――
今は、ちゃんと伝える。
💛「俺さ」
一歩、足を止める。
💛「ふっかのこと、ずっと想ってる」
💜「え……」
💛「好きだ」
まっすぐ、目を見て。
💛「回りくどいことして、ごめん」
💜「……」
深澤がそっと、手を握ってきた。
💛「……え」
💜「ひかる」
💜「……かっこよかったよ」
小さく笑う声。
互いの指が、ゆっくり絡んでいく。
もう、理由も演出もいらない。
ステージの上じゃなくても。
カメラがなくても。
――ちゃんと、触れられる。
──────────────
それから、俺たちは――
付き合っている。
前よりもずっと、近い距離。
そう、……近すぎるくらいに。
深澤がメンバーと話しているだけで、
ついガン見してしまう。
💙「顔こえーよ」
なんて言われても、やめられない。
だって――
💜「ひかる!ひかる!」
無邪気に名前を呼ばれるだけで、
全部どうでもよくなる。
💜「今度さ」
声をひそめて、耳元で――
💜「沖縄、行こ」
💜「泊まりで…」
💜「前はさ、ユーチューブ撮影で
バタバタしてゆっくりできなかったから」
一瞬、息が止まる。
💛「……絶対、行く」
目を見て、笑い合う。
繋いだ手は、もう絶対離さない。
~次回沖縄旅行編~
247
コメント
7件

いわふか💛💜うれしい😚 次回沖縄旅行ですかっ! めちゃくちゃ楽しみです😊
えぇええ何これ何これ... 🫠 最高という言葉では表せないほど、 最高ですッ🤩✨ 上手く言えませんが、1話完結かと思うくらいな満足感。 姉様の、この世界線の、💛💜に、らぶです🫶
さぁふっかさんはひーくんの気持ちに気づくのだろうか 続き楽しみにしてます!