総員、戦闘配置！

「全艦、第二種戦闘配置！」

威勢の良いアナウンスが艦内に響き渡る。使う軍艦は、アメリカの「USS Hurricane PC-3」というものらしい。

体力を増強したため、攻撃に対してある程度は耐えられるようになっている。

攻撃手段は、「自動艦砲」(ひとりでに敵艦を攻撃してくれるものらしい)とミサイル「BGM-176B Griffin」の2つ。

とりあえずエンジンを一速で回して他の艦と共に敵の位置を探ることにした。

進んでいるうちに、レーダーが敵の位置を補足した。「総員、第一種戦闘配置！」

こちらも発見され、ミサイルの誘導電波が飛んできている。

ならばこちらも―――しかし、相手のほうが早かった。「ミサイルの発射を確認！総員、対空戦闘防御！」

この艦には、ミサイルを迎撃できる「防空」スロットが無い。つまり、ミサイルを射たれたら回避する方法は

ひとつしか無いのである。「チャフ、発射！」自艦の上に、オレンジ色の火の玉のようなものを打ち上げ、

花火のように爆発させることでミサイルの誘導をそちらに移し、自艦を護る―チャフを発射した。

狙い通り敵ミサイルはチャフの方へ飛んでいき、ダメージは入らなかった。

「ミサイル、発射準備完了！いつでも撃てます！」反撃の合図だ。「ミサイル、発射！」

その瞬間、轟音と振動が艦後方で起こり、ミサイルが敵艦に向かって飛んでいくのが見えた。

―このゲームでは、船や航空機に実際に人が乗っているわけではないそうだ。

ミサイルがどんどん近づいていく。命中した。微かな爆発音と炎が見えた。―――