さて、時間が経つのはあっという間で、
今日はミモリンがおそろし山に来てから
一年が建った記念すべき日です。
おそろし山の皆はパーティーをすることに
しました!!!!
「「「「乾杯!!!!」」」」
皆は口々に乾杯をしました。
今日はバルザルド、ミモリン、ヤッホー、
フージャ、ガランドだけでなく。
ウォータースライム君達と、98人の屈強な
羊達の皆さんやマカロンも一緒です。
「誕生日おめでとう、ミモリン。」
魔王バルザルドはミモリンに顔を向けてにっこりと笑い言いました。
「誕生日とはまた違うんじゃないですか?」
「まーまー細かいことは気にしなーい。
……でだミモリン。今日は誕生日プレゼントとして君に魔法を一つプレゼントしよう。」
「いいんですか!!!!?????」
ミモリンは涎を垂らしながら言いました。
「何がいいかな?」
バルザルドはミモリンに尋ねました。
ミモリンはうーーんっと唸って
「二つじゃダメですか?」
とバルザルドに尋ねました。
ミモリンはすっかり悪い子になってしまいました。あーあ、バルザルドのせいですね。
バルザルドは天を仰ぎニカッと笑っていいました。
「今回は特別だぞっ!!」
ミモリンは欲しい魔法二つを魔王バルザルドに頼みました。
「まずはおそうじの時に細菌達を殺さずに
どこか安全な場所に移動させる魔法が
ほしいです。」
フージャは目を見開きました。
ヤッホーちゃんは
「ミモリンらしいわね。」
と肩をすくめました。
「うーんテレポートの応用でいけるかなー?
フージャ、手伝ってくれるかい?」
フージャは頭を掻きながら
「……へいへい。」といいミモリンと
《憑依合体》しました。
病ミモリン、スタンバイ完了です。
魔王バルザルドは言いました。
「リュカほどじゃないがまあまあ私も不死身だ。私の体内に新たな臓器を増やし、そこを
細菌達の桃源郷にする。ってのはどうだい。」
病ミモリンはポカーンの口を開けて
「魔王様って、頭よかったんですね……。」
とめちゃくちゃ失礼なことを言いました。
フージャに取り憑かれたミモリンは
新しい魔法にこのような名前をつけました。
「桃源郷!!!!」
すると空気中にいた細菌達が魔王様の
新しい臓器へ向かい吸い込まれていきました。
魔王様は粗方細菌を吸い終わったあと
こう言いました。
「もうちょっと改良が必要だね。これは研究がはかどるぞー。」
《憑依合体》を解いたミモリンとフージャは
顔を見合せ、ニカッと笑いました。
「そしたら次の魔法はもう決めたかな。」
ミモリンはその魔法をリュカのために使おうと思いました。
結局、ヤッホーちゃんは熱がなおったリュカを洞窟の最深部から出すことを認めませんでした。
まだリュカの身体には未知の部分が多く
危険だからです。
だからミモリンはリュカが洞窟の最深部にいても仲間達や色々な景色を見れるような
魔法を望みました。
「実は、私もその魔法の研究をしていたんだ。遠くにいる人とつながる魔法。
……..私はこれを《幻視》と
名付けた。これは新しい魔道具だ。」
そう言ってバルザルドは異国で言うところのグラサンのような魔道具を渡しました。
「かけて魔法を使ってごらん?」
魔王バルザルドはニカッと笑いました。
ミモリンはマジカルグラサンを装着し、
言いました。
「幻視。」
ミモリンの目はもう二度と元には戻りません。ですがグラサンからリュカがびっくり
した声をあげました。
初めて見るおそろし山の仲間達を見て、
リュカは怖くなって泣き出してしまいました。
「…….まあ、問題は山積みだね。」
「すいません、バルザルド様、皆!!!!
私リュカのところへ行ってきます!!!!」
そう言ってミモリンは魔法でリュカのところへと向かいました。
「ほいほーい。」
魔王バルザルドはそう言って手を振りました。
「……ま、なんかあったら。」
「私たちでなんとかしますか。」
ヤッホーちゃんとフージャはそうやって
肩をすくめました。
ガランドもコクコクと頷きました。
「俺たちもいますよぉぉぉミモリン様、リュカさまぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
98人の屈強な羊達が大声でミモリン達を
応援し、ミモリンのウォータースライムと
マカロンのウォータースライムが跳ね回り
ました。
「さてさて、私は英雄ハンサムのステーキの
下ごしらえをして参ります。この大団円の
立役者を最高の形で送り出して差し上げましょう。」
隻腕のマカロンはそう言って
お料理マカロン大団円モードに変身しました。
こうして、ひょんなことからおそろし山に
迷い混んでしまった引っ込み思案で気の弱かったミモリンは、おそうじミモリンに変身し、おそろし山の問題を、完璧ではありませんが見事にまとめて片付けてみせましたとさ。
そして、おそろし山の皆は様々な困難に立ち向かいながら 、時にいがみあいながらも
なんだかんだ仲良く楽しく暮らしましたとさ。
これにて大団円です。
がんばったねミモリン、リュカ。
えらいぞミモリン、リュカ。
そして、おそろし山の皆。
ナレーターは私、おそろし山のか弱き魔物、ハヤミミノサオリヌシでお送りいたしました。
(最後まで読んでくださりありがとうございました。)