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正樹は般若村に来ていた。
趣きがある面を売ってる店を見つけて入った。
「ごめん下さい立派な般若の面ですね。」
「般若村は般若にまつわるものが沢山あるんですよ。」店主は説明をした。
「般若にものですか。」
「ええ大衆演劇で般若伝説の演目をやってるから見に行かれると良いですよ。」正樹は小さな芝居小屋に向かい空いた席に座った。カンカンと音がなり幕が上がった。
「お輝お前を愛せない。」
「どうです?慎之介様」迫真な演技に息を飲んだ。
「好いておるおなごが出来た…。」
「まぁ!?私を捨てて他の女をおなごを選ぶなんて。」女形役者が懐から作り物の小刀を出した。
「お輝落ち着け…。」
「何を仰るのです!裏切り者!」男役役者を腕を刺す効果音が生々しく観客達の耳に伝わる。
「お、お輝。」場面が変わりお輝が浮気相手の家に押しかけるシーンになった。
「良くも慎之介様を誑かしてくれたわね!」
「あなたが悪いのよ!」お輝は浮気相手役の腹部を刺した。
「私が…悪いの?」泣きの演技のタイミングで幕が降りた。
「良い演技でしたよ。」
「ありがとうございます。」女形役者は照れくさそうに頭をかいた。
「僕芝居を見るのが初めてで。」
「そうでしたか私鞠助と言います。」と名乗り出した。
「工藤正樹私立探偵をしています。」
「探偵さんですか凄いなぁ。」二人が楽屋に向かう途中悲鳴が聞こえてきた。
「恵美子どうした!」
「お兄ちゃんお母さんが…。」
鞠助は慌てて駆け寄った。
「首を締められた後がありますね。」正樹は遺体に近づき首筋を撫でた。
「誰が母さんを…?」
「お母様を恨んでる方は?」恵美子は眉をひそめ「有り得ません!」と叫んだ。
「逆恨みの可能性があるかもな。」ハンチング帽を被った刑事が顎に手を当てた。
「あなたは?」
「ん?俺は尾崎刑事だであんたは?」尾崎は名乗り正樹に質問した。
「工藤正樹私立探偵です。」
「探偵かぁロープか何かで縛ったんだろ。」鞠助は泣き出す恵美子を慰めながら「あなた方ならきっと解決して下さるでしょ。」と言った。
「尾崎さん僕は芝居を見ていました。」
「その間に犯行に及んだのか犯人は。」正樹は椅子に座り考え込んだ。