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予想通りだ。面倒くさい奴らが俺の部屋のドアをドンドンと叩く。
ドア越しに俺は返事を返す。
『 俺の部屋には入るな。危険だ 』と、返事を返しておいた。まあキラーは
『 そんなデタラメ言うなタコ! 』
ドア越しにキレていた。あとで半殺しにしておこう。
本当に危険なので俺は部屋の鍵を閉め、本棚をドアの前に置いた。
少女を抱え窓から飛び降りる。俺がいるのは2階だがまぁ骨だから大丈夫だろう。
ドンと鈍い音が響く。振動で少し足がじーんと痺れる。俺は少女を適当に木の裏に隠し
今は一番エラーのネガティブが強いのでそこに近道を使った。
俺はネガティブが多いやつに近道できる。恐らくエラーのネガティブが多いのは
俺の部屋のドアを叩くクロスや継続組が五月蝿いからだろうな。
案の定エラーには『 なんだこいつ急に入ってきやがって 』と言いたげな目で見られたが
『 よう 』と軽い挨拶をしてドアを開けてリビングに向かった。
クロスが作ったご飯を取り、少女の元に近道をした上でまた部屋に帰った。
近道を使いすぎて少し疲れてしまった…。しかも仕事をしていたので1時間しか
仮眠を取れていない。流石に過労死してしまう。それよりこの少女はいつ起きるのだろう。
諦めてクロスと継続組は帰ったので今のうちに目を覚まして欲しい。
ぱちっ
少女は目を開けた。
取り敢えずあとあと部下に説明するのも質問攻めされるのも面倒なので
リビングに集合させてこのことをもう言ってしまおう。息をめいいっぱい吸って
『 お前等〜!リビングに集合な〜! 』
と叫んだ。
絶対に継続組は
『さっきお前のことを呼んでやったのにめんどくさい、なんで呼ぶんだよクソったれ死ね』
と思っていることだろう。
もちろんホラーは除いて。あいつは飯のことしか考えていないからなぁ。
そんな適当なことを抜かしながらリビングに向かい歩いていく。
しっかりリビングにはクロス、エラー、ホラーが出席していた。
クロスは不服そうだったが、まあいつも振り回しているので大丈夫だろう。そしてやはり
継続組の2人は出席していなかった。予想的中だ。やったね。さっきドアの前を通るとき
心を覗いてみたが俺が考えていたことをしっかり思っていた。すごく腹が立つ。
俺はエラーに作ってもらったふかふかの椅子に座り話をした。
もちろん話したのは少女のこと。ソウルが黒いこと、金星花を体に纏っていること。
そして金星の使者という可能性があること。それだと俺がいま502歳のところ少女は
46億歳。俺の約920万倍に昇る。このことを部下たちに伝えた。
するとエラーがいつも通りのバグを起こした言葉でこう放った。
『 俺、金星花しッテるゾ 』
金星花と俺が放った時、ホラーは何それ?飯?と言っていたし
クロスは『 はん?なんだそれおいしいの? 』と心で呟き頭に
ハテナマークを浮かべていた。『 確カアジトの書斎ニ… 』と言いかけたところで、
甘い香りがした。あの香りだ。少女の周りにあった、あの香り。
俺は自分の部屋のドアを香りが漏れないよう閉めた。記憶にあるので絶対に。
となると…俺は絶望した表情で窓を開けて、
換気するように部下に告げ、急いで部屋に走った。
『 あのバカっ!!! 』大声でマーダーとキラーを思い叫ぶ。
視界がぐるぐると渦巻きのようになり頭に中がぐわんぐわんと混乱する。
でも、諦めれない。部下の命がかかっている。そう思うと誰かに蹴られたように
俺の足とソウルは速く動く。無事であってくれ…絶対に。そう思うたび、どんどん
足が加速していく。朝に近道を使いすぎて魔力が足りないのにそんなことは知ったことかと
言わんばかりに加速する。香りが強くなる。苦しくて、視界はぼやけるばかり。
ついた。俺の部屋だ!はあはあと荒い息を立てマーダーとキラーを部屋から
引っ張り出す。その次に少女を見てみるととても苦しそうな表情で過呼吸になっている。
『 助けて…。誰でもいい…!助けて!!! 』声を荒げ途切れ途切れに少女は叫ぶ。
俺は少女に息を吸い10秒ほどかけてゆっくりと吸い出すように伝え、そのあと
残っているだけの力を使い走ってアジト中の窓を開け、換気した。
そして再びリビングに戻ったところで、体勢が崩れそのまま倒れてしまった。
息がさっきより荒い。体ももう動かない。正直言って心はまだ頑張れる。
というか頑張らなくてはいけない。今までの疲労が蓄積し倒れてしまったのだろうと
考察する。こんなに疲れているとは思わなかった。心配する声が聞こえる。
返事を返そうとしたが体は正直だ。動かない。無理だ。眠すぎる。
『 もう寝かせてくれ。 』
これは今日俺が放った最後の言葉だったとエラーに後に告げられた。
はは、格好悪いなぁ。