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「之はどうにもならないねぇ…」

「密輸銃の納入期限が、二週間も過ぎている…」

「之じゃもう時期、部下は全員キッチンナイフで戦う事になるよ、」

「それだけじゃ無い。抗争激化に保護ビジネスの契約解除。…はぁ、ひょっとして向いてないのかなぁ、ねぇ太宰くん、如何思う?」


先程まで机に向かって居た目線が此方へ向く。


「…あのねぇ、森さん、お金が無いとか情報が無いとか部下からの信用が無いとか、そんなの最初から分かってた事でしょ。」


低血圧の薬と高血圧の薬を混ぜ合わせ乍ら答える。


「酷いなぁ…所で君は、何故高血圧の薬と低血圧の薬を混ぜて居るのかね?」


「纏めて飲んだら楽に死ねるかなぁと思って」


「…太宰くん、君は私が先代より首領の座を継いだ時に其の場に居た。…遺言の証言者だ。そう簡単に死なれては困る。」


飲もうとしたのを中断して、少し思い出す。森さんが先代首領の“暗殺”をした時の事を。

その頃僕は、十七だった。


___「首領は病に依り横死された。次期首領に私を任ずるとの遺言を残されて。……君が、証人だ。いいね?」


返り血を浴びた其の顔は、どんな顔だっただろうか。覚えて居ない。


「___宛が外れたね。自殺未遂の患者を共犯者に選んだのは良い人選だったのに、一年経ってもこうして僕は生きてる。」


「外れて何か居ないさ。君と私とで見事に作戦を遂行して見せたじゃないか。」


「作戦って云うのは、暗殺に関わった人間の口が封じられて、初めて完了って云うんだ。其の点僕は共犯者に適任だった。だって僕の証言で貴方が首領に成った後、僕が動機不明の自殺を遂げたとしても、誰も疑わないから。」


「……君に似た人を知ってる。」


「…?」


「兎に角、口封じをする心算なら、とっくにやってるし、君がそんなに望むなら楽になれる薬を調合してあげても良い。」


「…どうせ、其の代わり扱き使われるんでしょ。」


「扱き使うなんて、そんな物じゃないよ。一寸した調査を頼みたいだけだ。何、大した仕事じゃ無いし、何の危険も無い。ヨコハマ疎開の中に在る擂鉢街は知ってるよね?」

「其の近辺で、最近或る人物が現れたと云う噂が流布して居る。其の噂を調査して来て欲しい。」


此方に振り返り、或る物を見せる。


「此方は銀の託宣と云い、権限委譲書だ。之を見せれば、ポートマフィアの構成員は“何でも”云う事を聞く。」


「……流布するだけで害を成す噂…、はぁ、成程?そう云う事か。…現れたのは、先代の首領だね。」


「其の通り。」

「世の中には、墓から起き上がってはいけない人間が存在する。分かるね?」


「……薬、期待はしてないけど…約束だよ?」


「之が君の初仕事だ。」

「ポートマフィアへようこそ。」


「……」

「あぁ、そうだ。先刻云ってた僕に似た人って、誰」


少し微笑んでから目の前の男は、


「…私だよ」


そう云った。


「太宰くん、何故君は死にたい?」


「…僕こそ聞きたいね。生きる何て行為に、何か価値が有る何て本気で思ってるの?」







「___ヨコハマ疎開、嘗て此処で巨大な爆発がありました。其の跡地に何時からか勝手に街を造り始めた。…其れが此処、擂鉢街です。」


「…ふぅ〜ん、…外国には鍍金を飲む自殺法が在るのか…ん?、但し飲んだ者は生き乍ら内蔵を溶かされる…?うぇ、試さなくて良かった。…ねぇ、今の知ってた?確か…」


「広津です。…参考にさせて頂きます。」


「………お!」


好い自殺法を見つけると、間も無く広津さんに話し掛けられる。


「…太宰さん」


「はい?」


「この辺りは抗争地域です。御注意を。」


「…抗争?」


先程迄開いて居た“完全自殺読本”を閉じ、広津さんの方を向く。


「…現在、ポートマフィアと敵対する組織は三つ有ります。」


「一つ目が高瀬会、もう一つがGSS、然して三つ目が未成年だけで構成された互助軍団の羊でしょ。…あ、森さんから電話……」


もしもし、と云い電話に出る。


「…うん、色々解ったよ。結論から云うと……先代は居たよ。、甦ったんだ、地獄の底からね、」


少し声色を明るくさせて云った。


「…うん、帰ってから詳しく報告を____」


__瞬間、後ろから何かが目に見えぬ程のスピードで飛び出て来た。

其れから大きな音を立て、突き当たりの壁にぶつかる。


煙幕が晴れ出して来た其の時、男の笑い声が聞こえる。


「こりゃァ良い。餓鬼たァな。泣ける人で不足じゃねェか。ポートマフィア」


「……僕は痛いのは嫌いなんだけど」


「…手前に選択肢をやろう」


男は聞いても居ない様子で話を進めた。


「今死ぬか、情報を吐いてから死ぬか。何方が好い?」


「…じゃあ今殺せ。楽に殺してくれるなら願ったりだ。」


「…此の餓鬼、唯の自殺願望かァ、?」


「餓鬼は君も同じだ。」


「唯の餓鬼じゃねェンだよ。手前と違ってなァ」

「話して貰おうか。お前が調べてる“荒覇吐”についてなァ」


「……嗚呼、荒覇吐か。…成程、荒覇吐ね」


「…知ってるんだな?」


「否、初耳。」


少しお道化た様に云って見ると、顔を蹴られた。

痛いのは嫌いだと、云った筈だけど。


「………“羊の領土を犯した者は、必ず凄まじい反撃を食らう”……そうか、君が彼の“羊の王”、“重力遣いの中原中也”か、」


「俺ァ王じゃねェ、唯手札を持ってるだけだ」


「…成程、自信過剰で調子に乗ってる子供か、僕の一番嫌いなタイプだ。」


「俺だってお前見てェな他人を小莫迦にした屑が、世界一嫌いなンだよ」


「__其処迄だ」


「あァ?」


「投降せよ、小僧」


「幾ら凄んでも怖くねェよ爺さん。俺様を誰だと思ってる?」


「羊の王“様”、哉」


「ちッげェよ、蛸。“手札を持ってる”っつッたろ」


「力と云う手札か、」


「アンタ異能力者かァ、」


「…広津さん、此奴は触れた対象の重力を操る。」


「……承知した」



中原中也と広津さんが闘い初める。

本当莫迦だな、此の子供。敵がもう一人__しかも異能力者か如何かも解ってない正体不明の子供を放って他と戦闘何て。隙を突かれたら如何する心算なのかな。


「__アンタの異能は効かねェよ。」


「如何かな、…之で重力は君の手から離れた。」


「あァ?」


「僕の“異能無効化能力”でね。」


「ッ、!」


「さぁ小僧、、後悔の時間だ。」


紫色の文字列が並び、中原中也を攻撃した__と思われたが、中原中也が僕を蹴り、僕の手が離れた隙に自身は重力で後ろに下がる。


「…ッやられたよ…広津さんが能力を放つ前に、蹴り飛ばされて手を離してしまった…彼奴は自分の異能力で、態と後方に飛んだんだ。ダメージは無い。」


「めんどくせェから手前は後だ。__行くぞ爺さん!!」


「広津さん!」


重力を上手く使い素早く動き、確実に広津さんにダメージを与える。

もう一度広津さんに中原中也が蹴りを入れようとした所で、謎の爆発が起こった。


「ッ……!」

「…先代…」

















首領室に入ると、中原中也と其れを拘束している蘭堂さん、後森さんが居た。


「__やぁ、太宰くん。」

「待って居たよ」


「…ッあ!手前は!昨日の自殺願望!!」


「ハイハイ今日も元気だねぇ…僕なんか、見ての通り“大怪我”なんだけど。」


包帯やらで固定した右腕を少し大袈裟に見せる。


「昨日会ったばかりなのに仲が良いねぇ君達。」


「はぁ!?」


「却説、昨日の事で中也くんと少し話がしたい。外して貰えるかな。蘭堂くん。」


「…首領、其れはお勧め出来ぬ事。、此の小僧は危険です」


「手は考えてある。…それより蘭堂くん。何時もより寒そうだけど…大丈夫?」


「…恥を承知で申し上げると…凍えて死にそうでございます」


「寒いィ?其の格好で?」


中原中也は純粋な疑問を出したが、其の返答が返っては来なかった。


「下がっていいよ。」


「では、お言葉に甘えて。失礼します。」


蘭堂さんが下がる時に中原中也が純粋な疑問を問い掛ける。


「此の時期に寒い訳ねェだろ、ビビってるだけじゃねェのか?」


「あれでも、ポートマフィアの準幹部にして、優秀な異能力者なのだよ。」


「どーでもいい。興味ねェ」


「…森さんそろそろ本題に入ったら。」


「嗚呼、そうだねぇ」

「…中也くん、我々ポートマフィアの傘下に入る気は無いかね?」


「…あ゙ァ、?」


瞬間。カーペットが歪んだかと思えば、強い重力で椅子諸共壊れて仕舞った。


「…まぁ、そう云う反応になるよねぇ。」

「然し、我々の目標はある程度一致して居る。お互いに提供出来る物を確かめ合ってからでも、返答は遅くないと思うけどねぇ。」


「…お前達が此の街にした事を忘れたとは言わせねェぞ」


「…先代の暴走か。」

「此の街を永く暴虐と恐怖に陥れた彼の暴政は、誰の記憶にも新しい。…だが、其の先代も死んだ。最後は私が看取った。、若し、彼の血の暴政が復活したと云う噂が在るなら、其の真相を確かめねば。君達も不安じゃないかね」


「…森さん?」


「アンタに関しても良くない噂が出回ってるぜ。…本当は、先代は病死じゃ無く、アンタが殺したんじゃ無いかってなァ。…たかが専属医に首領の座を譲る何て遺言、信じられる訳ねェからなァ。」


「…そうだよ?先代は私が殺した。」


「ッ、な…!?」


思って居た返答と全く違ったのか、目を見開き驚いた。


「……はぁ…」


「彼の偉大な先代の首領、此のメスで切断し、病死の様に偽装した。…其れが如何かしたかね?」


流石に之には引いて居るらしく、小さく「マジかよ、」と吐き捨てた。


「…中也くん。取り敢えず共同調査を申し出たい。我々が調べた先代復活の噂と、君が追う荒覇吐は、明らかに同梱の事件だ。情報を分け合うだけで、互いに利有る結果を齎すと思うのだがね。」


「…若し断ったら?」


森さんがボイスレコーダーの電源を入れる。


『おい、中也助けてくれ!其処に居るだろ?ポートマフィアに捕まっちまった、お前なら何とか出来るだろ!?早く助けてくれ!!何時も見て___』


其処で電源を切った。


「…ッ、」


「縄張りの一等地に縄張りを構える反撃主義の組織、だが銃で武装しても、君以外の構成員は“唯の子供”だ。同じリーダーとして、心中察するよ。」


「ッ…手前…」


「とまぁ、此の通りだよ。太宰くん。今此の部屋で最も強大な暴力を持つのは、中也くんだ。だがマフィアにとって、暴力は主神の一つに過ぎない。マフィアの本質は、凡ゆる手段で合理性をコントロールする事。」


「…如何してそんな教訓を僕に教えるの。…これからも僕を使う心算じゃ無いだろうね?」


「…却説、どうだろうね。」


「…情報を交換しても良い。…但し、手前らが先に話せ。判断は其れからだ」


「良いだろう。我々は先代が現れたと云う噂を追っている。太宰くんの調べでは、此の半月で三回。何れも擂鉢街で其の姿が目撃されたそうだ。然して四回目が昨日、彼は黒い炎で君達を吹き飛ばした。」


「……死者は甦らねェ」


「私もそう思う。だが、そうも云ってられなく成った。」


壁に映像が投影される。


「之はポートマフィアの金庫室、此の本社ビル内で最も侵入が難しい場所の監視映像だ。」


少しノイズがかった音が聞こえたと思えば、金庫の中の映像に先代が映る。


「…先代……?」


『儂は甦った。地獄の業火の中から。何故か分かるか?先生。…怒りじゃ。然して奴は怒りを食らう。儂を地獄より呼び戻し、更なる怒りを産み出させる腹積もりよ。神の獣、黒き炎の“荒覇吐”。』


其処で仙台が紫がかった炎の様な形をして、映像がモザイクに成った所で映像が終わった。


「……以上が監視記録に残された映像だ。」


窓からの光を遮って居た扉が開く。


「今の所、此の映像を知るのは極一部。厳しく箝口令をしてある。」


「だけど、画面に映っていた先代が、他の場所でも同じ演説をしたら?」


「彼は自分の死因が病死ではなく“暗殺”だと云って居るのだ。」

「之が先代派に知られたら、組織内の三割が敵に回る。」

「……勝っても負けても、ポートマフィアは壊滅だろう」


「…はぁぁあ……」、と僕は少し態とらしい深い溜息を着く。

「中也くん。荒覇吐と云うのは、何者なんだい」

「此方も軽く調べたよ。荒覇吐と云うのは伝承上の神の眷属だ。唯余りにも古い為に、其の正体は判然としない。」


「神なんて者の存在を信じるのかよ」


「君が荒覇吐について調べて居たのは偶然では無い。私達と同じ噂を耳にして、真相を追っていたのだろう?」


「…流れ者の多い土地だ。噂の出処も突き止めようが無ェ。」


__擂鉢街が如何やって出来たか、知ってるか?

中原中也はそう問い掛けた。


「…あれは大戦末期に原因不明の爆発が起き、その跡地に出来た街だ。」


「その爆発の原因が荒覇吐なンだとよ」


「ん?」


「噂じゃ八年前、捕虜に成った海外の兵士が疎開に在った軍の施設で拷問を受けた。」

「其の怒りと恨みが荒覇吐を呼び起こした。然して黒い炎が、此の国の軍人の施設ごと吹き飛ばした。」

「其の爆発で出来たのが___」


「___彼の擂鉢街と云う訳か。」

「…太宰くん、如何思う?」


「恐らく僕達の知らない異能力が使われたんだ。若し先刻の映像が偽装じゃ無かったら、僕達は終わりだね。」


「やれやれ、……太宰くん、君に司令を出す」

「今日の映像と同じ事を先代派の前でやられる前に、犯人を見付ける事。…いいね?」


「時間が無さそうだけど、それ僕一人でやるの〜、?」


「独りじゃないよ」

「其処の中也くんにも手伝って貰いなさい」


「ッあァ!?」


「嫌だよ絶対!何でこんな奴と一緒にやらなくちゃいけないのさ」


「なァにを云ってやがンだ手前!!はっ倒すぞ此の餓鬼が!!」


「君十五だろう!?僕の方が“年上”の十八なのだけど!?大体僕よりも“チビ”な癖に!!」


「あ゙ァ゙!?」


「君はもう少し牛乳を飲んだ方がいい!!」


「余計なお世話だこの野郎!!未だ十五なンだ之から伸びンだよ!!!」



「二人共黙りなさい」



「「っ、」」


突然の森さんの声に怯む。相手の中原中也も同じ様だ。


「……中也くん、自分が命令を拒める状況に無い事は解って居るね?」


「ッ、…」


「太宰くんもだ。先代派に知られたら、私の共犯者である君も拷問を受ける事になる。…楽に死ねなくなるよ」


「…楽に死ねないのは嫌だな……、其れに、僕と中也を組ませる理由も在るんでしょ?」

「そうだね。先ずは、ポートマフィアで無い人間の方が、聞き込みが容易だし、中也くんが裏切らない様に監視も必要だ。然して……、」


ふふ、と笑い、“後は秘密だ”と隠す。























「…おい、何処に行くのか位教えやがれ!」


「悪いけど、話しかけないでくれる?一寸呼吸で忙しいからー」


「っ、腕引っこ抜くぞ自殺願望!何処に向かってるか答えろッて云ッてンだよ!!」


此方に向いた中也の足は、空振る。


「…はぁ、調査に行くんだよ、」


「あァ?」


「爆発を一番間近で見た人間に聞き込みに行く。」


「爆発?」


「一週間前、僕達が経験したのと同じ爆発が起きていた。場所も近い。先代の姿は目撃されなかった様だけど、僕達が追ってる事件と同じ物が原因だ。其の爆発の生存者に話を聞きに行く。」


「生存者って事ァ、死人が出たのか」


「嗚呼、君の嫌いなポートマフィアの一団だ。」


「……」


「生き残ったのが異能力者でね、君も既に会ってる人物だ。」


云い終わると、向かって居た館の方で爆発の音が聞こえた。其れもかなり盛大な。


「…あちゃあ……こりゃあ犯人に先を越されたかなぁ」







二つの足音が館の前の庭の様な処の真ん中を通る。


「…こりゃ聞き込みは無理そうだなァ、」


ガチャ、と銃の音。


「両手を挙げて此方を向きなさい。」


「「あァ?/ん?」」


「っおいおいおい!鴨が葱背負って何とやらかァ!?聞き込みなんて怠ィと思ってたンだ!口封じに来た犯人をブッ飛ばして、口を割らせる方がシンプルじゃねェかァ…!」

「下がってろ、俺がボコってやる…!!」


「……はぁ…」

「……子供だ、」


迚も楽しそうな瞳だ。此奴莫迦なのかな…

之から脳筋ゴリラって呼ぼ…

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