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***
(TAKUTO視点)
目が覚めると、自宅のベッドの上にいることに気付いて、身体を起こした。
どうやって、帰ってきたんだっけ。
昨日の記憶が、全く残っていない。
リュウキとお店にいたところまでは覚えている。
スマホを見ると、朝の6時。
あぁ、よかった。遅刻しないで済む。
そう安堵しながら、充電器にスマホを繋いでベッドを降りた。
リビングに行くと、ソファーに人影があって思わず声が出た。
「えっ、?!」
近づくと、リュウキがすやすやと眠っている。
……え?なんで?なんでリュウキがいんの?
昨日、あの後どうしたんだっけ?
家で飲み直した?
思い出そうとしても、何も思い出せなかった。
とりあえずブランケットを掛けてやると、起こしてしまったのかゆっくり目を開けた。
「…っ…ん…、?」
「あ、リュウキ…おはよう、」
「……っ、あ、…お、…おはよ…っ、」
目が合って挨拶をすると、少し戸惑ったように返事をした。
「…リュウキごめん、何も覚えてないんだけど、なんで俺ん家にいるんだっけ」
そう聞くと、目を見開いたままフリーズするリュウキ。
「……リュウキ?」
「…まじで言ってんの?」
「え、…うん。ごめん、迷惑かけた?」
「は?なんも?なんも覚えとらんと?」
リュウキが起き上がって、声が少しだけ怒っているような気がした。
「ごめん…怒ってんの、?もしかして、なんか嫌な事しちゃった?」
「……っ、いや、別に。」
「怒っとるやん」
「っ………怒っとらん。」
「なに?言ってよ。」
「怒っとらんって。…たっくんが、帰るなって言うけん、おっただけ。」
「……えっ、…まじ、?」
「俺にしがみついて、帰んないでって、言ったやん。」
「っ、ちょ…、っと、まって…、?」
頭を抱えて考え込む。
俺が?リュウキにしがみついて、「帰んないで」って?
恥ずかしすぎんだろ。なにやってんだよ…
……まって。俺、もしかして昨日リュウキになんかした、?
「……他には、?」
「え、?」
「他は、なんかしちゃった?」
「っ…い、言えん。」
「え?なんで、」
「っ、もういいけん、今何時?」
「え…、6時過ぎ、」
「俺1回帰るけん、また後でね!」
「まって。」
なんだか慌てて逃げようとするリュウキの腕を掴む。
「なにっ、本当にもういいけん、」
「俺が良くない」
「はっ?俺がいいって言いよんやけん、もういいやろ…っ、」
「っ……心当たり、あるから。」
「………えっ、…?」
帰んないで、なんて言って。
リュウキに、家に来て、なんて言って。
覚えてないけど、自分の行動に納得がいく。
昨日だって、輪から離れたリュウキをわざわざ迎えに行って。
リュウキといたカイリュウを、羨ましい、なんて思って。
試すように、ゴイチの名前を使って。
俺が、他の人から「好きです」って言われたとしたら、リュウキはどんな反応するんだろう。
そんな事を知りたくなって、自分から引っかけたくせに動揺して。
全て、ぜんぶ。
……きっと。
多分、俺は、リュウキの事が好きだ。
「…リュウキ。俺…、
「っ、たっくん、大丈夫やけん。俺、気にしとらんし…っ、」
「え…」
「もう行かんと、遅刻するけん…、後でね、バイバイ…っ、」
“気にしとらん”という言葉で、思わず手を離してしまった。
バイバイ、と言い残して、リュウキが玄関に向かい、ドアが閉まる音が聞こえた。
***
(RYUKI視点)
“すき”
たっくんに言われたたった2文字が、ずっと頭に張り付きながらも寝室を出た。
どういう意味?
メンバーとして?友達として?
……いや、さすがに俺も、そんなに馬鹿やない。
あんな、抱きしめてきて、顔を触ってきて、
そういう「好き」やなかったら、さすがにおかしいやろ。
……でも、たっくんが?俺を、?
頭が軽くパニックになる。
たっくんの事は好きだ。
……でも。
これが恋愛なのかは、正直わからない。
ただ、一番一緒におるし、情、?みたいなものがあるだけかもしれない。
でも、今日の俺は、正直に言うと嫉妬してた。
他の人にも優しいたっくんに、いろんな人から求められるたっくんに、急に距離が遠く感じた。
イライラもした。
ゴイチも誘っていいよなんて、平気で言うたっくんに。
たっくんは、別に2人やなくてもいいんや。なんてちょっと不貞腐れた。
これって、たっくんは、どういう存在っていうんやろ。
「っ……あぁ〜っ、も〜!分からんて……っ、!」
1人で頭をぐしゃぐしゃ掻きながら、リビングのソファーに座った。
分からなかったけど、たっくんが、朝起きて何て言うのか知りたかった。
“かえらないでって、いったじゃん”
たっくんの言葉が浮かんで、このまま帰れないという気持ちもあって、ソファーにそのまま横になって朝を待った。
***
「…リュウキごめん、何も覚えてないんだけど、なんで俺ん家にいるんだっけ」
「…まじで言ってんの?」
朝起きて、たっくんが言ってきたのはそんな言葉だった。
は?最悪やんけ。
俺がどんな気持ちで朝までおったと思っとるん?
「…ごめん、怒ってんの、?」
怒るやろ。
言われた瞬間そう思ったけど、言えるわけもなかった。
「怒っとらんって。…たっくんが、帰るなって言うけん、おっただけ。」
「……えっ、…まじ、?」
「俺にしがみついて、帰んないでって、言ったやん。」
なんか悔しくなって、たっくんが甘えてきたことを言ってやった。
「……他には、?」
「っ…い、言えん。」
言えるわけないやろ…!
てか、覚えとけやっ、たっくんのバカ!アホ!!
半ば投げやりになって、無理矢理誤魔化して帰ろうとすると腕を取られた。
「なにっ、本当にもういいけん、」
「俺が良くない」
なんなん、自分勝手すぎやろ、
「っ……心当たり、あるから。」
……心当たり、?
たっくんの真剣な顔に、心臓の音が勝手に速くなった。
「…リュウキ。俺…、
一瞬、俺の腕を掴むたっくんの手に、力がこもって、なんだか焦ってしまった。
いつもと違う様子のたっくんに、戸惑った。
急に怖くなって、いつもみたいに戻ってほしくて、「気にしてない」と嘘をついた。
力の抜けたたっくんの手から、逃げるようにその場を去った。
***
今日は朝から、リハの予定が入っている。
無事に遅刻せずに到着して、みんなと挨拶を交わす。
たっくんとも、「おつかれ」と何も無かったみたいに、挨拶をした。
あの2文字が、頭から消えたわけじゃない。
でも、とりあえず考えないように、リハに集中した。
「ちょっと休憩しようか」
たっくんの一言で、みんなが返事をしながらバラバラに動き始める。
「たっくん、俺さ、最近将棋上手くなったよ」
エイキが、たっくんに話しかけているのが聞こえた。
水分補給をしながら、何気なく耳を傾ける。
「え、まじ?今度やろうよ」
「まじで負ける準備した方がいい」
「は?そんなに?言うねー。笑」
「たっくんのために特訓したんよ」
「俺のためなん?笑」
「うん。かわいいやろ?俺。笑」
「ははっ、うん。かわいいね。笑」
「たっくん、結構好きやからなー、俺のこと。」
「自分で言うんだ?笑」
「言ってくれんもん。笑」
「んふふ。んー、まぁそうね。好きかもね。」
「え?!たっくんがデレた、え!かわい〜!笑」
「っ、ぶっ、!ごほっ、ごほ…っ!」
“好き”
たっくんのその言葉に無意識に反応して、飲み物が変なとこに入って噎せてしまった。
てか、なんかエイキとイチャついてね?
は?なんなん?どういう神経しとん?
誰にでも好きとか言うん?
あれも、別に深い意味じゃないってこと?
「え?リュウキ大丈夫?笑」
「んっ、だいじょ、ぶ、!ごほっ、…、」
隣にいたトムが笑いながら心配してくれる。
「…あ、ねぇさっきさ、たっくんがまた奢ってくれた〜」
「え?」
「ん?リュウキもじゃないんだ」
「…またトムだけかよ、」
もうなんなん?まじで。
何がしたいんやあいつ。
あーなんか腹立ってきた。やばい。
気がつくと、足が勝手にたっくんの方に向かって歩いていた。
「……たっくん。」
「っ、ん、?」
「話あるんやけど。」
「…うん、なに、?」
「ここじゃ言えん」
「…向こう行く?」
「今日、また家行くけん。」
「えっ…、?うん、…わかった、」
待っとけよたくと。
宣戦布告や。
***
……なんて、強気やったくせに…!
「…話ってなに?リュウキ。」
夜、仕事を終えてたっくんの家に着くと、途端に昨日の事を思い出して萎縮してしまった。
ソファーに2人で座っていると、今朝の少し気まずい空気も思い出して、余計に緊張が走る。
俺、なんで話あるとか言っちゃったんやろ。
いざ、2人きりで本人を前にすると口が動かない。
「……いや、うん。…あの、さ、」
言え、言うんや、俺。
ここまで来たら、言ってやれ。
たっくんが忘れたって言うんやったら、俺が思い出させてやる。
“あれ”が、どういう意味やったんか、はっきり聞いてやる。
「……たっくんって、俺のこと好きなん、?」
「……え……、?」
言った。言ってやった。
心臓がドキドキ、破裂しそうなくらい鳴っている。
さぁ、返してこいやたっくん。
「…なんで、?」
「……昨日、たっくんは覚えてないんやろうけど、…言われたんよ。…すきって。」
「っ…、そうだったんだ、?ごめん、覚えてなくて…」
「……っ、それだけ、?」
「え、?」
やっぱり、なんでもなかったってこと?
俺がバカやった?
変に意識して、エイキとイチャついたり、トムにまた優しくしたり、そんな些細な事でムカついて。
……もうわからん、俺のこの感情って、なに?
「……言って、いいの?」
「え…?」
「朝、……俺が言おうとしたら、逃げたやん。」
「えっ…、あれって、そうやったん、?!」
「おい気付いてなかったんかよ…」
「ごめん…なんか、いつものたっくんやなくて、ちょっと怖かったけん、」
「……好きだよ。」
「っ、/えっ、!」
「俺、リュウキの事が好き。」
いきなり告白されて、頭が真っ白になる。
ドキドキして、顔が一気に熱くなる。
「……リュウキは、?」
たっくんが、恐る恐るという感じで、そう聞いてくる。
好き、と言われて、素直に嬉しかった。
緊張もするし、ドキドキもした。
でも、まだよくわからない。
たっくんの事を、そういう気持ちで見てるのか、なんなのか、
恋、と呼ぶには、まだ足りない気がした。
「っ……正直に言ってもいい、?」
「いいよ。」
「……気持ちは、めっちゃ嬉しいんよ。たっくんの事は、好きやし、…気になっとる。正直ね?…でも、これが恋なんかって言われたら、よくわからん、」
本当に、正直な気持ち。
悲しませるかも、と思ったけど、今はこれが限界で。
自分でも、どうしたらいいかわからなかった。
「……うん、わかった。」
「…ごめん、こんなんしか言えんくて、」
「……恋かどうかが、わかんないんでしょ、?」
「…うん、」
少しの間が空いた。
どうしよう、と思っていると、たっくんが口を開いた。
「……じゃあ、試してみる、?」
「えっ、?」
たっくんが俺を見つめてきて、その目に思わず釘付けになる。
たっくんの手が、俺の頬に触れて、
顔が、ふいに近くなる。
その瞬間、たっくんの吐息を、唇に感じた。
コメント
7件
前はたっくんがリュウキのこと気にして耳すませてたりエイキとの間に入ってきてたけど、今回はその逆でリュウキが気にしてるっていう対比が素晴らしいです💖そして間に挟まれる男エイキwww リュウキがちゃんとたっくんのこと好きって自覚するのが楽しみです!!✨️
ふい?????????!!!!!!!!!!!! え、え、えぐ、たくとさんッ!!! あ〜もうハマりましたタクリュキ。 続き楽しみすぎる
待て待て次回が楽しみすぎて寝れんぞ!!毎回どんな頭をしてたらこんなに神がかってる作品後作れるのかほんまに不思議。ワクワクして待ってます!!