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海軍本部基地の資料室は、図書室のように広い部屋だ。そこに所狭しと本棚が置かれており、中にはびっしりと本やファイル、紙束などが収納されている。

俺はその中から、必要な書類を取り出し、種類別にファイリングしていく。ドレーク少将は隣で同じように書類を片付けていたり、俺が書類を仕分けしているのを時折横目で見て確認したりしていた。

しばらく作業を続けていると、ふと疑問が浮かぶ。


なんで俺、誘われたんだ?


真面目そうなドレーク少将が手伝って、と言ったから膨大な量の資料の整理を手伝うのかと思ったが、そんなことはなさそうだ。



「……何故俺に声をかけたんです?」

「え?」

「いえ、わざわざ手伝ってほしいと仰っていたので……。他の方でもよかったんじゃないですか?」

「あぁ……。その、ガープ中将がお前のことを褒めていたのを思い出して、だな……。それで、どんな奴なのか興味があったんだ」

「なるほど」



なるほど。そういうことか。確かに海軍の英雄って言われてる人がいきなり連れてきた小僧が褒められてたら少なからず何かしらの興味は持つだろう。それにしても、ガープさんは一体何を言ったんだろう。変なこと言ってないといいんだが。



「でも俺は大したことしてないので、あんまり期待しない方がいいですよ?」

「謙遜する必要はないと思うぞ」

「そんなつもりはないですけどねぇ。ところで、もうこの辺の整理は終わりましたし、他にお手伝いできることはありますか? 俺午後はフリーですし」



暇ですし何でも申しつけくださーい、なんて言ってみる。

すると、ドレーク少将は少し考えた後、俺をちらりと見る。ドレーク少将にじっと見つめられる。……俺なんか顔につけてんのかな。まつげとか?

俺が顔をぺたぺたしていると、ドレーク少将が俺の手を掴んだ。



「ドレーク少将? いかがされましたか?」

「…いやっ! その、仕事ではなく、俺個人の頼みというか……それでもいいだろうか……」

「ええ。構いませんよ」



俺がそう言うと、彼はホッと息を吐いてからまた俺の目を真っ直ぐ見据える。そして、 言った。



「階級をつけずに、名前を呼んでくれないか」

「ドレークさん…?」



俺がそう呼ぶと、ドレークさんは満足そうに微笑んだ。え~~俺より年上なのにめっちゃ可愛いことすんじゃん……。ちょっとときめいちゃったわ。



「あ、じゃあ俺のこともジェイデンじゃなくて、ジェディでいいですよ」



俺もにっこりと笑ってそう返す。すると、ドレークさんは一瞬目を見開いてから、すぐにフッと笑った。顔が良いなチクショウ……。

【1】海賊世界の転生者は男

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