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そして、最後は悠人さんの皆さんへの挨拶。

お互いの両親への言葉もちゃんと入れてくれて、最高に思いやりに溢れたスピーチだった。



大拍手と共に、感動と笑いに包まれた結婚パーティは終了した。



イベントごとが全て終わって、私達は慌ただしくまた美容師として仕事に邁進した。



昨年の同じ時期に再会し、それから1年で結婚した私達。1年前には、思いもしなかった未来。

あの時、美咲と同窓会に行かなかったら、そして、悠人に出会わなかったら、この現実は確実に無かったんだ。



この1年、本当に私を大事にしてくれた悠人。

そのことはどんなに感謝してもしきれない。



それから数ヶ月して、そんな私に嬉しい出来事が起こった。

悠人との大切な赤ちゃんを身ごもったんだ。

お腹に新しい命が宿った。

私はママになるんだ――そう思うと、嬉しくてドキドキしたし、初めてのことで不安にもなった。



妊娠を誰よりも喜んでくれた悠人が、絶対に無理はしないようにと言ってくれて、それからは仕事もセーブした。ただでさえずっと優しくしてくれてたのに、今はさらに何倍も気遣ってくれてる。

私と赤ちゃんを1番に考えてくれる悠人を、ますます頼りにしたし、どんどん好きになっていった。



そして、私は早めに美容院を辞めて出産に備えた。

いろいろ大変なこともあったけど、周りの人達に助けられて、数ヶ月後に無事に赤ちゃんを出産することができた。やっと赤ちゃんに会えた時は、喜びと感動で涙が止まらなかった。陣痛は辛かったけど、安産で母子ともに健康で、悠人はホッとしていた。



悠人は、早速パパの顔になって赤ちゃんを溺愛してる。時間があれば、オムツを変えたりお風呂に入れたり。子煩悩なパパで、本当に頼もしい。



それでも忙しい悠人や、私のためにお互いの両親も助けてくれ、少しずつだけど、私も、母親として成長することができた。



小さな小さな可愛い我が子に、私達は「月城 アンナ」と名付けた。

始まりはクールな御曹司とのとろける様な一夜から

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