1970年 小さな村で戦争がおこった
激しい雨の中、村人がナイフを持ち歩き、鉄砲を抱く。村人は血を流し、倒れる。
この戦争は残酷なもので、たくさんの死人が出た。
小さな村だったので、政府も動くことが出来なかった。この戦争は「謎の戦争」として幕を閉じた。
その中で唯一生き残ったのは、子供たちだった。
1979年 村にはわずかな子供しかいなくなってしまった。
村も荒れており、血痕や壊れた家が絶えずあった。
子供たちは何も損害がなかった訳では無い。
腕がない子供や、上手く声が出ない子供。顔にアザができてしまった子供など、酷い傷跡が残っている。
そんな子供たちの中に、1人の少年がいた。
14歳の男の子、古記柚津(ふるきゆづ)だ。
柚津は記憶が無い。何も思い出せない。
自分がどうやって生まれてきたのか。この世界はなんなのか、自分はなんなのか。
名前でさえも思い出せず、いつも「普通」を偽り暮らしている。
この村で平和に暮らせるのか・・・
柚津はなにも分からないのだった。
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