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緑星ふうま
後日談2 白光の処刑台
神殿を囲む強固な結界の向こうから、聞き覚えのある下品な声が響いた。
「おい、fu! 中にいるんだろ! 高潔な大天使様をハメに行ったきり戻らねえと思ったら、天界の犬になり下がったってのは本当かよ!」
それは、魔界の酒場でfuを焚きつけた悪魔の一人だった。
びくり、とfuの純白の翼が恐怖で跳ねる。かつての「仲間」の声。しかし、今のfuにとってそれは、思い出したくもない過去からの呼び声だった。
「……r、m、さま……っ」
fuは怯えた瞳で、隣にいたrmの服の裾をぎゅっと掴んだ。
rm はいつも通り、穏やかで慈悲深い聖母のような微笑みを浮かべている。けれど、その赤と青の瞳の奥は、一切笑っていなかった。
「おや、不浄な羽虫が迷い込んだようだね。……いい機会だ、fu。一緒に行って、君の口から『答え』を教えてあげよう」
「え……っ、あ、rm様……っ!?」
rmは優しくfuの腰を抱き寄せると、あえて追手から丸見えである結界のキワまでfuを連れて行った。
「ゲッ、本当にいやがった……! おいfu、その羽は何だ! すっかり白く染まっちまいやがって!」
結界の向こうで、追手の悪魔が驚愕に目を見開く。
fuは恥ずかしさと恐怖で顔を伏せようとしたが、rmの白い指先がそれを許さず、顎を強引に上向かせた。
「よく見てごらん。君たちの知っている悪魔は、もうどこにもいないよ」
rmは微笑みながら、追手の目の前で、fuの首元のチョーカーを引き寄せた。そして、これ見よがしに深く、ねっとりとした口づけをfuに与える。
「ん、ぅ……あ、は……っ!」
ダイレクトに流れ込む神聖な魔力。追手の目の前だというのに、fuの身体は悲鳴のような甘い吐息を漏らし、快感でトロンと瞳を濁らせてrmの胸に崩れ落ちた。悪魔のプライドなど微塵もなく、天使の光に蕩けさせられている無様な姿を、かつての仲間にこれでもかと見せつけられる。
「ひ、ひえっ……頭がおかしいのかよ、お前ら……!」
格の違いと、fuの変わり果てた姿に恐怖した追手が、一歩、後ずさりした。
それを見たrmは、fuの頭を愛おしそうに撫でながら、追手へ向けて酷く冷淡な眼差しを向けた。
「この子はもう、俺の光だけで満たされた。君たちの汚い手で触れていい存在ではないんだ」
rmがすっと片手を掲げる。
「な、にを――」
追手が叫ぶより早く、結界の向こうに、直視できないほどの眩い白光の雷が落ちた。
「が、あああああああッ!!?」
激しい閃光と、肉の焦げる嫌な臭い。
しかしそれも一瞬のことだった。rmの放った容赦のない光の加護は、悪魔の肉体も魂も、悲鳴ごと一瞬で真っ白な塵へと昇華させていく。
やがて光が収まったとき、そこには風に舞う白い灰しか残っていなかった。
「……あ……あ……」
目の前で行われた、慈悲のない完全な消滅。
fuは恐怖のあまり歯の根をガタガタと鳴らし、rmの胸元に必死に縋り付いた。魔界の仲間を全滅させられた絶望よりも、「もしこの天使に逆らったら自分もこうなる」という本能的な恐怖、そして何より、自分を守るために敵を鏖殺したrmの圧倒的な美しさに、心が完全に屈服していた。
「怖かったね、fu 。でももう大丈夫。君の視界を汚すゴミは、俺が綺麗にお掃除してあげたからね」
rmは満足げに目を細め、怯えるfuを抱き上げて神殿の奥へと歩き出す。
「君には、俺しかいない。……そうだね?」
「……はい……っ、rm 様……。俺には、あなたしか、いりません……っ」
腕の中で涙を流しながら、自ら進んで依存を誓うfu。
rmの広げた純白の翼が、外界を完全に遮断するように、二人を優しく包み込んだ。
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ワァオ